ゴッサムの神々<上> (ニューヨーク最初の警官) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
3.32
  • (7)
  • (11)
  • (21)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 138
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488251031

作品紹介・あらすじ

19世紀半ばのニューヨークで胴体を十字に切り裂かれる連続殺人が発生。NY市警初の警官となった、顔に傷を負った青年が真相を追うが……。MWA最優秀長篇賞最終候補作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 激動のNYで、創設間もない市警察の警官になったティム。
    彼を警官に押し込み、自分はちゃっかり分署長に収まった兄への捻くれた愛情を微笑ましく思いながら下巻へ。

  • ゴッサムとはニューヨークのことで、19世紀に始まったあだ名。
    迫力ある歴史ミステリで、面白かったです。

    1845年、ニューヨークでバーテンダーをしていたティム・ワイルドは27歳。
    中背だがすばしこく、観察力に富んでいた。
    地道に金をためていたが、大火事で仕事も財産も失い、兄のヴァルに創設されたばかりの警察に押し込まれ、巡査になることに。

    アイルランドで飢饉が起きて、大量の移民が流れ込んでいる時代。
    大柄な兄のヴァルは町の暴れん坊だったが、消防団のリーダーでカリスマ性があり、それなりの勢力もあって、警察の別な分署の署長になっていた。
    兄弟には深い確執があり、その理由は次第に明らかに。

    血にまみれたネグリジェで逃げてきた少女がティムにぶつかり、ティムは下宿にかくまう。
    少女バードの証言で、大量の死体が発掘され、大事件に。
    ティムは、ニューヨーク警察本部長マッセル(実在の有名人)直属の刑事として、捜査することになる。

    牧師の娘マーシーに想いを寄せていたティムだが、顔に大やけどを負ったため、連絡も取らないでいた。
    マーシーは慈善のために、どんな貧民街にでも出向く果敢な女性。

    混乱期のニューヨークのあまり知られていない事情が描かれます。
    ロンドンならディケンズの時代で、ドラマチックになる要素はいくらでも。
    デビューして3年の2作目で大化けしたという作品。
    熱のこもった内容でした。

  • ニューヨークの黎明期。
    創設まもないNY市警察の警官となったなったティムの遭遇した血まみれの少女。
    映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』の時代をシャーロキアンな女流作家が描く兄弟萌えミステリー。
    まぁ、あれですよ。
    序盤は序盤なんで煽るだけ煽りますね。
    スラングでの言い回しはスゴクカッコイイです。

  • 文章独自の世界があると思っていて、作者と読者の秘密共有のような。実際生身の人間に会った時の息遣いというか、佇まいというか。それに対して脚本は映像が進行していくのが前提で作者の個性というものは必要なくて、出来事が完結に描かれ、さっぱりとしているべきだと思う。自分は前者の方が読む意義があると思っているが、どうにも後者の方は疲れてしまう。本作を読んでいる最中は「もっと重く(重厚に)クールに書けないもんかなー」と疲労感が積み重なった。

  • 舞台は19世紀なかばのNY。「ギャング・オブ・ニューヨーク」の映像を頭に浮かべながら読んだ。
    「ギャング・オブ~」のレオは大人に刃向かっていく若者役だったけど、今なら、ふてぶてしくて暴君な兄のヴァル役のほうが似合うんだろうな。

  •  主人公・ティモシーの一人称で語られているが、それがこの物語には確かに一番の方法だと思わせる人物描写。
     マーシーがどうにも捉えどころのない人物に思えるけど、それはティムの目線で彼女を見ているからなんだろうな。
     また兄のヴァレンタインに対する気持ちもとても面白い。ティムはとても公平な人間で好感が持てるのだけど、兄の事となるともう(笑)。
     マーシー側、ヴァル側から見たティムはどんな感じなんだろう。
     ティムと私自身を同化して読んではいないのだけど、「相手から見た自分」はどうなんだろう、と思うのと同じ気持ちになる。
     下巻も楽しみ。

  • ギャングオブニューヨーク的な社会状況を感じられるので、歴史物としておもしろい。
    内容はミステリーというより、冒険ヒーローみたいな感じ。

  • 1840年代ニューヨークに初めて警察が誕生した話。
    警察官になった主人公が大量の死体を発見し、事件を追うことになるのだが、ストーリーはあまり深くなく、読み応えがあまり感じなかった。

  • CL 2014.1.12-2014.1.17

全14件中 1 - 10件を表示

リンジー・フェイの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×