国王陛下の新人スパイ (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488255046

作品紹介・あらすじ

第二次世界大戦が勃発して約2年。チャーチル英国首相のタイピスト、エリザベス王女の警備役を経て、ついにスパイとしてベルリンに送り込まれることになったわたし、マギー・ホープ。そこで待ち受けていたのは、予想をはるかに上回る困難と、自分自身にまつわる問題だった……。予想を裏切り続ける大胆な展開! 読み出したら止まらない、大好評マギー・ホープ・シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • マギー・ホープのシリーズ。
    「チャーチル閣下の秘書」「エリザベス王女の家庭教師」に続く3作目。

    アメリカ育ちのイギリス人で、第二次世界大戦中にスパイの訓練を受けることになったヒロイン。
    前の作品にも、そういえば一部は綿密な描写がありましたが、全体の乗りは溌剌として若々しく、軽やかさがありました。
    今回は、重い!

    念願かなって、M1-5の一人前のスパイになれたのはいいけれど。
    女性初の潜入でベルリンへ、しかも、ユダヤ人迫害に絡む現場に飛び込んでしまうとは。
    いえ、当初の任務はさすがにもっとシンプルだったのですが‥
    新米スパイが力を尽くして、ナチスドイツを向こうに回して密かに戦い、どこまで追っ手を振り切れるか?

    歴史改変ものみたいな部分もあります。
    成り行きで事態が深刻になるのは、マギーの知らなかった個人的な事情も絡んでいました。
    しかも、恋人との関係も、大変なことに。
    ロマンスの深刻さなら、女性読者はついて来れる?

    こうなると、このタイトルと表紙はちょっと、合わないですね。
    軽い要素もないではないけれど‥
    この絵柄でも、描き方でもう少し内容に合わせようはあったと思います。編集方針?で、このほうが売れるの?かどうか。
    もっとスリルを好む人、読み応えのある作品を待っている人向けにした方がいいんじゃないかな。

  • シリーズ第三弾。

    ついに、スパイデビューを果たすことになったマギー。
    そのミッションは、ベルリンにいるレジスタンスグループに無線機の部品を渡すことと、ナチス高官の自宅に盗聴器を取り付けること。
    準備万端で単身ドイツに潜入したマギーですが・・。

    他の方のレビューにもありますが、可愛い表紙とライトなタイトルにはそぐわない、ヘビーな内容となっております。
    前作で、マギーの母親・クララがナチスの高官だったという事が明かされたのですが(という事は、マギーはイギリス人とドイツ人とのハーフという事ですね!)、本書では、そのクララの娘でマギーとは父親違いの妹となる、エリーゼの視点で語られるナチス支配下のドイツの様子がフィクションとはいえ、かなり考えさせられるものがありました。
    ナチスのユダヤ人弾圧は有名ですが、本書で書かれていた“劣等人種”認定されてしまった子供たちへの所業(「T4作戦」と呼ばれていたそうです)には読んでいて胸が痛くなりましたね。
    さて、マギーのスパイ活動ですが案の定というか相変わらずすぐ感情的になるわ、自己判断で勝手な行動するわと、まさにスパイにあるまじき行動の数々・・。
    今回ベルリンでマギーと組まされたゴットリープがお気の毒で、彼の悲惨な末路はマギーのせいですよね。
    とはいえ、イギリス側の責任者の方々は“結果オーライ”主義のようで、毎度のことながらマギーに甘い傾向です。
    そして、生きていた元カレ・ジョンと再会したことで、後々恋愛面でも修羅場になったりと、公私ともに大変すぎて身も心もボロボロになったマギーでしたが、これを機に成長してくれることを期待します。
    いつかエリーゼと再会できる日が来ると良いですね。

  • 例によって、終盤の盛り上がりと、そこに至る過程で読者を飽きさせない小説だと思う。
    しかし、個人的には好きになれない主人公。確かに彼女は、最初からスパイを志していたわけではないけれども、スパイになる事のリスクはわかっていたはず。
    自信過剰、独善、そして感情的。この3つの要素が、私には共感できない部分である。
    むしろまわりのキャラクター、たとえばジョンやデイヴィッド、ゴッドリープ、エリーゼ、エルンスト……彼らの方が個性的であり、魅力的だ。

  • マギー・ホープ・シリーズ、第3弾。
    沢山の方が言及されている通り、表紙の絵&タイトルの軽さと中身が一致しないシリーズで、特に今回は顕著。
    第二次大戦時が舞台で、イギリスで、スパイで、といったら、そらあナチスドイツをはずしては語れない。
    なので、ある程度の重さは覚悟していたものの、そうか、こうきたか、という感じで、最後はどっぷり頭を抱えてしまったよ。
    せっかくの再会も、あんな展開になるなんて、なあ。ホープがないマギーがかわいそうでならないよ……
    第4弾は、祈りながら手に取ることになりそうだ。

  • タイトルと前作までの印象でもっと軽い話を想像していたらこれがもうね。重いこと重いこと。
    ああ、そうだ。作中のマギーの心境の移り変わりと同じだ。
    華やかな活躍を夢見て浮かれていた心が一瞬でどん底に突き落とされる。
    楽しいだけじゃない、何か、
    スパイものとしては甘いところもあるけど、読みどころはそこじゃないと思って、次作も頑張る。

  • マギーってイヤな娘、と思いながらも3作目。新しいのが出ると読んでしまうのは、やっぱり面白いからなのかなあ。

    スパイとして正式に仕事をしても、やっぱり マギーはイヤな娘でした。自分の行動が他にどう波及するのか、なんにも考えてない。だけど、自分は他人に頼る。「ヒロインになりたい」体質なんだろうなぁ。

    ジョンの件は、案外あっさりで拍子抜け。

    そして、出てくるイギリス側の人たち、みーんな、甘ちゃんだし、プロ意識に欠けている。一度、「ジョーカーゲーム」でも読んで、結城中佐のやり方を勉強した方がいいよ。

  • 第二次世界大戦が勃発して約2年。
    チャーチル英国首相のタイピスト、エリザベス王女の警備役を経て、ついにスパイとしてベルリンに送り込まれることになったわたし、マギー・ホープ。そこで待ち受けていたのは、予想をはるかに上回る困難と、自分自身にまつわる問題だった……。

    予想を裏切り続ける大胆な展開! 読み出したら止まらない、大好評マギー・ホープ・シリーズ第三弾。

    訳者あとがき=圷香織/解説=大矢博子

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