青鉛筆の女 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
3.18
  • (2)
  • (8)
  • (19)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 104
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488256098

作品紹介・あらすじ

2014年カルフォルニアの解体予定の家の屋根裏から発見された貴重品箱。その中には三つのものが入っていた。1945年に発表されたパルプ・スリラー。編集者から著者タクミ・サトーへの手紙。そして、第二次世界大戦中に軍が支給した便箋――泥や血で汚れている――に書かれたタクミによる未刊のハードボイルド。作家デビューを望んだ日系青年と、編集者のあいだに何が起きたのか? 凝りに凝った三重構造の物語! エドガー賞候補作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 積読2年、ようやく読みました。

    ある家から発見された
    ①スパイスリラー小説
    ②「改訂版」と言う名の謎の小説
    ③著者に対する編集者からの手紙
    で構成される小説
    三つの場面切り替えの中で、少しずつ著者の状態がわかっていく仕掛けや、時代背景に振り回されている様子が伝わってくる。
    大仕掛けだけど、親切な描かれ方で混乱せずに読むことができた。

    解説にも助けていただきました。
    現実と架空の話を織り交ぜて描くあたりの凝り方
    とか他の人にはない作風で新鮮だった。
    漫画だとシマダトラノスケさんあたりの感じ。

    もっと他のぶっ飛んだ話も和訳してほしい。

  • 設定が面白い本でした。

  • 真珠湾攻撃と言う、宣戦布告のない卑怯な攻撃があり、米国で産まれた米国人なのに日系人である作家が「青鉛筆(校正)の女」という編集者によって、文章をメタメタに改竄させられる話。そもそも書き直すことがしんどいのに、自分の出生をことごとく否定させられる行為は、日本人の血が流れてなくとも非常に憤慨させられる。作者はカリフォルニア出身とのことで、強制収容所以前はあの辺りは日系村だったらしいが、日系人なんだろうか?日本人の名字などの表記がとても自然である。もっと読みたいと思う作品は決まって一冊しか出てない現象なんなの。

  • 2014年カリフォルニアで解体予定の家から発見された貴重品箱。そのなかには三つのものが入っていた。1945年に刊行されたパルプ・スリラー。編集者からの手紙。そして、軍支給の便箋に書かれた『改訂版』と題された原稿…。開戦で反日感情が高まるなか、作家デビューを望んだ日系青年と、編集者のあいだに何が起きたのか?驚愕の結末が待ち受ける、凝りに凝った長編ミステリ!(e-honより)

  • 多重構造?パラレルワールド?
    こういった凝った作りの小説、大好物です。

    本当の主人公は青鉛筆の女。

  • ある登場人物の感情が次第に高まっていき暴走し始める過程が生々しかった。ラストのオチにはもう一捻り欲しかった。

  • 見つかった2作の原稿と手紙。その3つが微妙にリンクしながら物語が進行していく。設定は面白かったが、最後尻すぼみで、かなり中途半端。謎が全くといっていいほど回収されない。残念。

  • ハードボイルド、スパイ物、編集者の手紙と3つの物語が展開されていくが後半にいくにつれて繋がっていく。
    編集者の手紙のパートはイマイチ読み取れなかった。展開はそれなりに面白いのだけど驚きが少ない。

  • 今までに馴染みのない新鮮な形式の作品。手を加えた小説原稿・担当編集者の手紙・元の小説原稿の3つの読み物が順番に登場する。意味がわかるようなわからないような複雑な心境のまま読み進めることになった。最後になるほど、と考えさせられ、じわっとくる。不思議な作品。再読予定。

  • 2017/03/26読了

全18件中 1 - 10件を表示

ゴードン・マカルパインの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×