陸軍士官学校の死 下 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488296032

作品紹介・あらすじ

才気煥発なポオを協力者に、士官候補生の遺体損傷事件を調べる元辣腕警官のランダー。だが、そんな彼らの前に、第二の死体が現れる。そして、令嬢リーへの愛に全霊を捧げるポオとランダーの関係にも、暗雲が立ちこめはじめていた。内なる孤独を抱えるふたりの男が、陸軍士官学校を震撼させた殺人事件に見出した真実とは-。19世紀アメリカを舞台にした、圧巻の歴史ミステリ大作。

感想・レビュー・書評

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  • (「上」もまとめて)

    風景の描写などがきれいで丁寧に書かれている印象。構成が面白い。
    1830年のアメリカの陸軍士官学校が舞台のこの小説。陸軍士官学校とそれを取り巻く当時の様子などがうかがえる。

    ただ退屈な部分もあるかもしれない。また所々でてくる「詩」や詩的な表現で好き嫌いがわかれるかも。

    ミステリーとしては伏線の張り方が鮮やかだと感じた。主人公たちは頭脳派というよりもむしろ行動的だった。

  •  陸軍士官学校で事件が起こる。解決のために招聘されたのは引退した警官で、その助手になるのは士官学校生であるエドガー・アラン・ポオだった。

     物語は、元警官ランダーが過去を回想してる形ですすんでいく。士官学校という閉鎖性と、事件の異様さがからみあって、ちょっとしたゴシックものっぽい雰囲気です。
     そして、若かりしでも妙に屈折したポオ青年。
     士官学校という、とても似合ってない場所で、それでも自分の<存在理由>を探しているポオの姿は、瑞々しいとさえ思える。
     それは、ランダーに送る彼の報告書に顕著にあらわれている。
     
     つか、この報告書がすごい。
     まさにポオが書きましたって感じで、現実と夢想の境がふっと消えて行く感じがしたりして、ホント上手い。
     
     そして、物語はどんでん返しの連続で…。
     最後の最後まで楽しませてもらえました。

     このミスで、1位になったのも納得です。

  • エドガー・アラン・ポオの活躍です。

  • この時代らしい文章がいいですね。比喩も豊富で。久しぶりにこのような文体を読みました。ネタは途中で気づいてしまったが、それでも楽しめました。

  • 2023.11.04
    わたしには「詩心」がないので、その部分や詩にこだわった言い回しにはピンとこないが、ストーリーは鮮やか。こんなオチなのかと驚き。

  • 推理系は何を言ってもネタバレになりますね。

    みんな幸せになってほしい、と願いました。

  • 【上下まとめての感想】
    えええー!文章が重たい。待ってこれいつの話?うえ、2010年って一昔前じゃん。ちっ、盛り上がってるから最近の話かと思ったらなに、ネトフリで実写化したから取り上げられただけで、最近の話でもなんでもないのか…

    いや、10年でそこまで状況変わらないよね…とはいえ開いてから絶句。なにこれ、ポオが出てくる時点で現代物じゃなかった〜!うう。わたし、古めかしい作品読む気分じゃないんだったらちゃんと下調べしてから読書始めようぜ。なあおい。

    とか文句をいいつつも、意外とさくさく読める。ポオが文学の匂いばんばん盛り込んでくるけど主人公が引退した警官だから、とりあえず現実路線に話を戻してくれるし。手記と現実の話、そしてポオからの報告書(途中から恋に恋するただのおのろけブログ化してる気もしたけど)と、表現も変わるので飽きさせない、というところが良かったのかも。首吊り自殺者から抜かれた心臓、悪魔祓いの儀式?そしてまたもや首吊り自殺を模した殺人…と、ハラハラ要素もあるのがありがたい。

    最後の最後は、え、まさかこのまま終わる?と、伽藍仕立てのごてごてした枠組みの割には中身大したことないなんてことないよね?と、違う意味でドキハラ。しかーし!さすが!最後の最後にこう来たか。お待ちしてましたのどんでん返し。ありがとう!期待以上とまではいかないけど、もう時間返してよ!とはならないちゃんとした出来でした。ふう。
    これでわたしがポオ作品をもっと読み込んでいたらさらに深く文章も楽しめたのかもだけど、まあそれはそれ。すごく強くは勧めないけど、読んで後悔はなし、です。

  • ヘタするとB級ホラー映画のラストシーンのような場面で終わるのか、と思いきやラストに反則級(失礼)のひとひねりが登場!あれはあれで映像が思い浮かぶほど印象的なシーンでしたが、ラストにもう一つもってくるとは、、読み応えありました。それまで読んできたランダーの心情をもう一度辿りたくなったほどです。全編通してゴシックホラーの印象が強く、翻訳文学のようなタッチで読みにくく感じられたくらいでしたが、ラストでは詩情すら感じました。苦労?してラストにたどり着けたこと、満足しています。

  • てんかん発作と黒魔術と復讐。

  • 2013/06/09読了

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