仮題・中学殺人事件【新装版】 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488405199

作品紹介・あらすじ

「この推理小説中に伏在する真犯人は、きみなんです」。冒頭の名フレーズが有名な本書は、牧薩次(ポテト)と可能キリコ(スーパー)の探偵コンビが活躍する記念すべきシリーズ第一作。不可能状況で起こる事件、時刻表トリック、いきいきとしたキャラクター造形など、デビュー作にして辻真先の魅力のすべてが詰まっている。画期的な“読者=犯人”という設定をいかんなく発揮した名作ミステリが、待望の新装版で登場。

感想・レビュー・書評

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  • 辻真先さんの作品を読むのはこれが2作目です。
    昭和47年に書かれた作品のようですが、作中の小説という形式が、かえって分かりにくく、最初は、途中でなぜか別の小説が始まった⁉ と思いました。
    鉄道の時刻表を使ったトリックがあります。時刻表が、作中に載せられているので、時刻表を久々に見ました。

  • リアル中学生の時に当時の朝日ソノラマ文庫で何度も読んだ思い出の作品。

    今読むとも微妙に感じる部分ももちろんあるのだが、それ以上に郷愁と思い出補正もあることは認める。

    ポテトがまだ「ジャガイモ」という表現だったことにちょっと驚き。
    買って良かった。

  • ザ昭和な感じがたまらない。
    雰囲気にどっぷり浸って堪能した。
    その上、犯人は読者って、どんな仕掛けがあるのか、わくわくする。
    主人公は、中学生の薩次とキリコ。
    気が強くて有能な美少女と、ちょっと気弱なポテトくん。
    この2人の掛け合いがまた楽しい。
    キリコの兄もナイスキャラ。
    幕間に挟まれる、一見関係のなさそうなパートはどう絡むのか。
    楽しかったので、引き続き2作目に突入。

  • 当時としては挑戦的な内容だったかもしれませんが、今読むとそこまで驚く構成ではなかったかなと。
    文章の稚拙さをカバーする理由付けとして、作中内作家による小説という体を取っているのは逆に潔くて好感を抱くものだった。
    キリコのキャラクターはとても魅力的に感じられたし、全体的に軽いノリで読みやすいのは良かった。

  • 読者が犯人(あらすじにも書いてるのでネタバレじゃない)というメタ構造を1970年代に行ったのは目を見張るものがありますが、やはり文章に時代を感じる部分が見られ、ページ数の割に時間がかかってしまった。

  • 辻真先さんの小説デビュー作。通して読むのはほぼ半世紀ぶり。トリック・ギミックをあれもこれもとちりばめてあり,解説にある当時の仲間からの評もあながち外れてもいないとは思うが,「読者が犯人」という構成は今でも魅力的。できれば畑農照雄さんのイラストが見たかった。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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