生ける屍の死 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M や 1-1)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (667ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488416010

作品紹介・あらすじ

ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った。この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか。自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか。

感想・レビュー・書評

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  • 死者が蘇る世界でどう推理小説を展開していくのか楽しみに思いながら読んだ。被害者が蘇れば犯人なんてわかってるようなものだし、推理の必要もないんじゃないかと。もちろんそんな心配もなく犯人の検討もつかず、容疑者を絞り込めたと思ったらまた広がったりと二転三転。登場人物が多くて覚えるのは少し大変だったが、不気味に広げられた風呂敷を丁寧に畳んでまとめてくれるラストは気持ちいいものだった。あちこちで評価が高いのも納得の内容だった。

  • 1989年の著者デビュー作。
    とんでもない設定(死者が蘇る)ながら、しっかり本格ミステリでした。
    600ページを超える長編ですが、軽快な会話が多く、楽しみながら読めました。
    ただし、登場人物が多いので、相関図はしっかり頭に入れておく必要がありす。
    犯人を推理するには、死者の気持ち?を知ることが大切です(笑)

  • 死んだ人が蘇る。よくあるゾンビのようなパニック作品ではなく、知性を持ちながら復活をすることによりそれぞれの思いが錯綜し物語が進むごとに生と死について考えさせられていく。

    途中までは人物の多さ(馴染みのない海外の名前であったこともある)と複雑な内容に苦戦を強いられたが、ある程度掴めてくると物語の世界に一気に引き込まれて行く。

    生とはなにか、死とはなにかが非常に繊細な描写から考えさせられ読み応えのある作品だった。

  • 2023.09.18 図書館

  • 長い。長すぎる。

    もう少しくらいコンパクトにして欲しかった…

    アメリカが舞台で、

    登場人物も横文字、しかも人数がえらく多い、

    とくれば、

    名前覚えられない病が久しぶりに再発かと思われましたが、

    意外と大丈夫だった。

    多分、海外翻訳ミステリ風とはいえ、

    結局は日本人の文章だから、

    それほど読みにくくなかったからだと思う。

    伏線も多いし、情報量が多いので、

    ちゃんと読んでちゃんと推理しようとすると、

    すごく時間かかりそうです。

    ラストに辿り着くまでに疲れてしまって、

    イマイチ驚けなかった。

    また、「死んだ人が蘇る」

    という基本設定をどれだけ受け入れられるかで、

    物語に入り込めるかが決まってきそうです。

    グロい描写はそれほど多くなく、

    なんとか最後まで読めました(最後かなり端折りましたが)。











    ---------------ここからネタバレ------------------











    誰が、いつから死んでいたのか。

    なぜ、どうやって死んだのか。

    自殺なのか、他殺なのか、事故なのか。

    遺産なのか、遺恨なのか。

    もう謎が多過ぎて、

    解決部分を読むにも、前に戻って戻って、一苦労。

    要素が多すぎ、絡み合いすぎなので、

    途中図解とか入れて欲しい。

    長編だし読み応えは抜群だけど、

    とにかく、疲れました。

    グリンとチェシャの関係が良かっただけに、

    グリンが結局死んじゃうのは残念。

    スマイリーとモニカの最期は物語的だけど、

    これもまた一つの夫婦愛の形なのかな。

  • 死者と生者が入り混じる上、ストーリーが広がりすぎて、途中からわけがわからなくなってきた。でも、ラストの謎解きで、スッキリ。

  • 長い!でも楽しかったです♪ドタバタ騒ぎに終始する、なんと死者が甦る世界のお話。死んでも生き返って生きてるように生活するって…こわっ。書いてる人は日本人だけど、本当に外国の本を読んでるよう。 探偵というわりになかなか動き出さないし、大体こんなもんかなーと思ってたら当たってた。中弛み間があってちょっと残念。でもアメリカの葬儀社の内部のお話がおもしろかったです☆

  •  アメリカ全土で起こる死者の甦り現象、生と死の境界が曖昧になり「死者」の定義が崩壊する中でパンク青年のグリンもまた屍の仲間入りをしてしまう。 なぜ自分は死ななければならなかったのか、死者が次々と甦る中で起きる連続殺人は何を意味するのか、あらゆる常識を覆した山口雅也氏の伝説的SFミステリ。

     設定は実にシンプル、死んだ人間が生き返ってしまうというただそれだけである。 しかしそれだけで動機、、証拠、あらゆる角度の事件の手掛かりが常識から逸脱してしまう。 そもそも死者が死んでいないような世界になった中で殺人を犯す意味は何なのか、逆説的な謎が立ちはだかる。 非現実的な世界に論理的な解決を。

  • 死体が蘇る世界観のわりに普通な殺人事件だなー、と途中まで思ってたんだけど、そんなこと全然なかった。えー、そんなのありかよ。殺人現場と時間をごまかすとか、他殺に見せかけた自殺とか、そういうのはよく見るけど、蘇りを介してその二つのコラボが成立してしまうなんて…。こんなところにもあったのか俺の常識の枠、と気づかされることしきりだった。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

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