だれもがポオを愛していた (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488420017

感想・レビュー・書評

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  • 米澤穂信の100冊その17:「物語」と「事件」を並行させ、「事件」ではなく「物語」を解くことで解決に導く。米澤さんのミステリを作る方法論の根底にある一冊。

  • 作者の意気込みを感じる本格です。
    ポーの作品に見立てて次々と殺されていくという連続殺人です。
    同じ見立て殺人を扱った「僧正殺人事件」には及ばないかもしれませんが、こちらも素晴らしいです。
    私は女の人の探偵というのがあまり好きではないのですが、本作の探偵役ニッキには好感が持てました。
    ミステリアスで魅力的です。
    そして、真相の解明のされ方も論理的でとても素晴らしいです。

  • 諸君はアッシャー家の崩壊を見出すだろう。

    予告の電話は真実を告げていた。


    上のような文句で前説を振られたこの作品は、凄い!!の一言しか出てきません。

    「アッシャー家の崩壊」・「ベレニス」・「黒猫」・・・。

    エドガー・アラン・ポオの作品にのめり込んでいた方には何も言わずに買え!!と無理強いしたくなる作品です。

    無論、こういうからには損などさせません。

    それほど凄いのです。


    物語は「アッシャー家の崩壊」そのものと言える爆破事件から始まります。

    屋敷の持ち主である兄妹の妹がその場で亡くなり、兄は行方知れず。

    この事件を発端に巻き起こる第二・第三の事件。

    これらポオの作品を模した事件に明確な回答は得られるのか?


    一つの事件に一章、全三章の問題編。

    そして第四章で名探偵が示す回答が導き出されるのです。


    ポオ好きもそうでない方もこれを機に彼の作品を手に(より楽しむ為の氏の忠告つき)この作品を手にとってみませんか?

    素晴しいおまけがついていますよ。

  • すばらしい。ガチガチの本格って言葉がここまで似合う作品はなかなかないよ。館の崩壊、怪しい容疑者、死体の見立て、読者への挑戦……そして前作でも良く分かってたんだけどあくまで論理で固めた解決編、見事としか言いようがない。特に最後の解決。この伏線はここしかないってとこにかっちりと嵌まっていく様は読んでるだけで快感。

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著者プロフィール

平石貴樹(ひらいし・たかき)
1948年函館生まれ。作家、東京大学名誉教授。1983年、「虹のカマクーラ」で第七回すばる文学賞受賞。
著書に『松谷警部と目黒の雨』『松谷警部と三鷹の石』『松谷警部と三ノ輪の鏡』『松谷警部と向島の血』(創元推理文庫)、『アメリカ文学史』(松柏社)、
翻訳にオーエン・ウィスター『ヴァージニアン』(松柏社)、ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』(共訳、岩波文庫)などがある。

「2019年 『一丁目一番地の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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