いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488430122

作品紹介・あらすじ

中学3年生の滝本望は祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。芸者時代の名前でお蔦さんと呼ばれる祖母は、気が強く面倒くさがりだけれど、ご近所衆から頼られる人気者だ。ある日、幼なじみの洋平と同級生の彰彦、後輩の有斗が滝本家を訪れていた。夕飯をお腹いっぱい食べ、サッカー談議に花を咲かせたにぎやかな夜。しかしその夜、息子ひとりを残して有斗の家族は姿を消した。神楽坂一家3人行方不明事件は大きく報道され、一家が抱える秘密が明らかに――。街に不穏な空気が立ちこめるとき、お蔦さんの啖呵が神楽坂に響く。粋と人情と望が作る美味しい料理が詰まったシリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集的な前作とは異なり、今作は1冊で1つのミステリー。
    お蔦さんも望も頭が回るな〜。
    何にピンと来ているんだい。

    今回は誘拐?殺人?疑惑が出てくるシリアスめな展開でした。

    望が誰かのためにかっとなって冷静になるところ、すごくかっこいい。
    お蔦さんの気風の良さも変わらずで、今回はより商店街の和気あいあいさが出てたのも好きです。

    許すまじと思う人もいると思うけど、過去にしてしまったことを抱えながら人生進んでいく感じはいいな、と思いました。

  • 中学3年生の滝本望とその祖母、滝本津多代(通称お蔦さん)の二人が主人公で日常の事件を解決していく「無花果の実のなるころに」の続編。
    ところが今回は日常の事件ではなかった。望の中学の1年生、金森有斗の家族が大量の血糊を残して突然失踪したことから始まる殺人事件を想起させる事件に巻き込まれる。
    何が起こったのか?お蔦さんの推理と行動が、警察をも引っ張り、次から次へと明らかになる謎を解き明かし、悲しい過去の事実と怖ろしい現実をも、最後は幸せになるように解決するところがほっとさせてくれる。
    今回も色々な神楽坂町内会の人達の他、お蔦さんの顔の広さを伺える色々な人が登場し、わくわくさせてくれる。

  • 神楽坂の花柳界にいたお蔦さんと孫の望の話。望の中学の後輩有斗の家族が行方不明に。二人は有斗の面倒をみながら真相を追う。涙なくして読めない話。

  • このシリーズ初めて読みましたが、面白かった!
    読み終わったとき、シリーズ化されていて
    嬉しいと思いました。
    お料理好きな中2の男の子と粋なおばあさんの
    お話。美味しそうなお料理も楽しい!

  • 1作目みたいに短編かと思いきや長編w
    うっかりちょっと読んだら結末気になりすぎて深夜なのに最後まで読み切ってしまった・・・

    というか怖すぎた!!!!笑
    そんな展開になるとは思ってなかったから余計に。
    有斗も切なすぎだわ・・・ところどころ泣いた。泣ける。新しいとこで家族で幸せになってね・・・←

  • 2

  • 一作目の雰囲気が好きで、2作目も読んでみました。2作目は長編でミステリ調。ただ、ちょっとイメージにはそぐわないかな。

  • お蔦さんと、孫の望の事件日記。今回は、家族失踪、闇金…と、なかなかヘビーな事件に巻き込まれ…。西條奈加さんの「いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記」を読む。

    「みやこさわぎ」から読み、一つ遡って、この作品。

    「みやこさわぎ」では、ご町内の騒ぎや、もめごとが中心の、
    それこそ、長屋の人情噺の雰囲気だったが、
    血だらけの部屋、家族の失踪、闇金、ヤクザ…、
    急に、物騒な事件から始まり、あら、少々、色合いが変わったと
    思ったのだが、こっちの方が前だった。

    お蔦さん、物言いは歯に衣着せないけど、
    決して、間違ったことを言うんじゃない、
    気風がよくて、頼もしくって、安心できる、おまけに洞察力に優れている、
    こんな婆さん、周りに一人くらい欲しいと思ったが、
    神楽坂の花柳界、そして映画界という特異な環境が、彼女を生み出したのだろうから、
    まあ、やっぱり特殊な部類に入るのだろう。

    一朝一夕に、手に入るものじゃない。

    望の中学の後輩、有斗の家族が一夜で姿を消す。
    家の一室は血だらけだった。

    一体、何が起こったのか。

    望とお蔦さんは、有斗の面倒を見ながら、
    励ましながら、ご町内の皆さんの助けも借りながら、真相を追う。

    ズケズケ物言うお蔦さんだが、
    聡明で情に熱い彼女が見せるやさしさに、ついジーンと
    目頭が熱くなる。

    こうなったら、第一作目を読まなきゃ

  • ▶︎とりどりみどり★★★★★
    以下シリーズもの
    ▶︎無花果の実のなるころに★★★
    ▶いつもが消えた日★★★★
    3作目

    面白かった
    ただミステリーほぼ読まないからか
    このシリーズを続けて読みたいって程でもない

  • 蔦代の孫望の友人のサッカーの後輩金森有斗の家族が有斗を残し失踪した。部屋には血痕も残っていて家族の安否が心配された。その後も怪しい男達がうろついて。近所の団結力と蔦代の推理が事件を解決した。ただ過去は誰にも変えられない。その後にどうやって生きるかが大切だと思うが、復讐心が勝ってしまうのかな。周りの状況を、よく見ればこんな事にはならなかったかもと思う。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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