二度のお別れ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M く 4-1)
- 東京創元社 (2003年9月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488442019
感想・レビュー・書評
-
2007/3/5読了。黒川博行のデビュー作です。大阪弁の物語はとてもなじみやすく楽しく読めました。ラストは少残念な形でしたが・・・。黒マメコンビの活躍は楽しみです。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
黒川博行氏の処女作となるのでしょうか。人質をとった銀行強盗が身代金を要求する話ですがミステリー要素も含まれてます。しかし爽やかなオチを期待していたことと、他のシリーズとの比較で評価は低め。
-
四月一日午前十一時半、三協銀行新大阪支店に強盗が侵入。四百万円を奪い、客の一人をピストルで撃った後、彼を人質にして逃走した。大阪府警捜査一課は即刻捜査を開始するが、強奪金額に不服な犯人は人質の身代金として一億円を要求、かくして犯人と捜査陣の知恵比べが始まる。
-
黒川博行の作品を讀むのは、これが初めて。<BR>
<BR>
この作品は、1983年の第1囘サントリーミステリー大賞で佳作となつたさうである。<BR>
大賞を逃した理由として、「刑事コンビに華がない」といふことがあげられたさうだ。<BR>
<BR>
さて、この作品、讀んでみて面白かつた。<BR>
ストーリーとしては、銀行強盜事件とそれに引續く人質誘拐事件を搜査するといふことになるが、面白さの一つには、主人公の刑事コンビの會話がある。<BR>
主人公は大阪府警搜査一課の黒田憲造とそのコンビの龜田淳也、通稱マメちやん。<BR>
此の二人を稱して「黒マメコンビ」といふ。<BR>
黒田の視點で描かれてゐるので一人稱小説だが、マメちやんとの大阪弁の輕妙な會話が樂しい。<BR>
しかもその大阪弁のナチュラルなこと。<BR>
ふだんはアホなことを話してゐる二人だが、マメちやんの芯の強さには感心する。<BR>
事件を解決に導くのは、こちらのマメちやんである。<BR>
樂しく讀める警察小説だ。<BR>
<BR>
2004年2月7日讀了
-
結末の付け方には多少不満が無いでもないんだけど全体的にはかなり楽しめた。語り口は極めて軽く、ユーモアに溢れてて楽しい。それでいて警察内部のこともしっかりと書き込まれている点すごいと思う。また誘拐ミステリとしてもトリッキーで捻りが効いてて驚いた。さりげない伏線が誘拐計画のキモになってるあたり巧いと思う。意外な真相もあってこれだけ楽しめたら文句なし。