虚ろな感覚 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M き 4-3)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488453039

感想・レビュー・書評

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  • 風の誘い コミュニケーション感覚
    週刊小説 2000年8月25日

    幻の男 現実感覚
    週刊小説 2001年12月14日

    蜜の味 肉体感覚
    週刊小説 2001年3月23日

    侵入者 日常感覚
    週刊小説

    僕はモモイロインコ 自己感覚
    週刊小説 2001年7月27日

    告白シミュレーション 時間感覚
    月刊J-novel 2002年7月

    完璧な塑像 美的感覚
    月刊J-novel 2002年10月

    解説 佐々木敦
    北川歩実は「人間」及び「ミステリ」の”虚ろ”さと戯れる

  • 「虚ろな感覚」北川歩実◆志穂の部屋に押し入ってきた女は、殺人犯がこの部屋に逃げ込んだと言う。志穂はそれを否定するが、寝室に入ると身に覚えのない男の死体が。短編集なのですがイヤミスのような感じなので一気には読めない。螺旋状にぐるぐる回りながら落ちていくような気持ち悪さがある。

  • #bookoff

  • 再読。だいぶ昔に読んだ気がする。
    レビューを書いていなかったのでこの機会に。

    感覚をテーマにした短編集だが一般的にいわれる感覚とはちょっと違う。
    くるくるとストーリーの見え方が入れ替わって翻弄される。
    「幻の男」「告白シュミレーション」が特によかった。

  • これは思考のおかしな人間が相手なのかって思って読んでいましたが、だんだん誰が正常なのか分からなくなってきました。
    日常が少し歪んだようにしか見えないのに、怖いというか気持ち悪いというか。
    その錯綜ぶりが素敵だったので『風の誘い』と『完璧な塑像』が好きです。

  • 自分の読解力では何が何だか分からないお話もありました。
    「幻の男」がどんでん返しの連続でクラクラして…好きでした。

  •  日常から半歩はみ出したミステリー短編集。

     人のちょっとした悪意や、妬み、などの負の感情がビリヤードの球のように弾かれぶつかり、思わぬ結果を導く。
     あっさりとした感触なので、さらっと読めるのだけど、読んでしばらくしてから、衝撃がやってくる。
     
     結局、あれは、どういう物語だったのか。
     真実は、一体どこにあったのか?

     この世に確かなものは、何一つないのかもしれない。
     それが悲しくもあり、安らぎでもあるのだろう。

  • この短編作品ほど、覆面作家・北川歩実を体現した作品は無いのではないか?

    タイトル「虚ろな感覚」。

    彼(あるいは彼女)の作品は人の感覚そのものを虚ろに変える。

    長編のどんでん返しに次ぐどんでん返しの果てに顕れる不確定な感覚。

    短編でも劣る事なく、我々を陥れる。


    我らの感覚を虚ろに変える氏への入門書。


    あなたはそこにいますか・・・・・・

  • 救われない小説。人間の内面的な感情を包み隠さず描く―、むしろ誇張して描く、作者さんらしい作品のひとつ。

  • この人の作品は大抵科学的要素が絡んでくる理系ミステリだと思っていたんだけれど。今回は、たしかに「感覚」といったものを扱ってはいるものの、どちらかといえば心理的な部分の多い「感覚喪失ミステリ」短編集。
    それにしても「感覚喪失ミステリ」とはよくいったもの。「人間の感覚」というものが、いかにあやふやで頼りないかがひしひしと感じられた。そしてそんな「感覚」を過信するあまり、ついついおちいってしまう陥穽の怖さ。時間感覚を扱った「告白シュミレーション」や美的感覚を扱った「完璧な塑像」などがその最たるものかな。ところどころで見られる「どんでん返し」も、ミステリとして見事。

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