彼女はたぶん魔法を使う (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.26
  • (26)
  • (56)
  • (169)
  • (22)
  • (7)
本棚登録 : 703
感想 : 97
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488459017

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 探偵が不可解なほどにもてもてである。
    そして90年代の携帯とかインターネットがそこまで普及していない時期の事件のドキドキ感は独特で物語が面白くなる・・・ような気がした。

  • 8月-4。3.5点。
    元刑事のルポライター。現役警視から、事件を紹介され、調査。
    妹の交通事故の真相をとの調査依頼。
    最後は、人間関係がぐちゃっという感じ。
    まあまあ。読みやすい。

  • 微妙なハードボイルド。タイトルの意味最後までわからず。

  • 妻に逃げられ、娘の成長に心痛めているのは、このテイストのミステリーの主人公に似合わない気がしないでもないが、日本人だからという理由で納得させる。気の聞いた科白、作品全体に漂う倦怠感と紫煙。ウイスキーとコーヒーの香りとくればまさしく男の子の憧れるハードボイルドな私立探偵である。さらに起こる事件はペットの失踪ではない。美しくも怪しい依頼人が持ち込む未発覚の殺人事件。きちんとドンデン返しもあり、ミステリーとしても楽しめた。怪しい人物が実はそんなに悪くなかったという程度のドンデン返しであるが、こちらもそんなにミステリーを求めていない。20年前でパソコン、携帯と言った現代では不可欠なツールが未登場なのがまたいい。少し古い感じが作品の雰囲気をさらに魅力的にしている。やっぱりハードボイルドの私立探偵は自分の足で調べなきゃね。

  • 「ぼくと、ぼくらの夏」を読んでからずっと読んでみたかった本。
    探偵柚木草平が依頼された本筋の事件も気になったけど、それ以上に、「彼女」がどんな魔法を使うのかが気になって仕方なかった。
    ラストは、いいオチです。ものすごく続きが読みたいけど。

  • 元刑事でフリーライターの柚木草平は、雑誌への寄稿の傍ら事件調査も行なう私立探偵。今回もち込まれたのは、女子大生轢き逃げ事件。車種も年式も判明したのに、車も犯人も発見されていないという。被害者の姉の依頼で調査を始めたところ、話を聞いた被害者の同級生が殺害される。私生活でも調査でも、出会う女性は美女ばかりで、事件とともに柚木を悩ませる。人気シリーズ第一弾。

  • 主人公がかっこよすぎ。こんな中年になりたいw
    物語としては大した盛り上がりはない。
    が、さらっと読める点は良いかも

  •  ハードボイルドというジャンルは、そもそも最初から「?」つきで、だってそもそもいくら固くゆでたからと言って卵の堅さには限界があるのである。中にはとんでもなく堅いやつもいるけれど、有名どころはみんな、心の中にある甘さを、バレバレの堅い殻で包んだゆで卵である。

     さらには、堅い殻さえかっこつけない「ソフトボイルド」なんて変形も現れたりして、訳がわからなくなってくるんだけど、じつは、ハードボイルド基本形のバレバレのかっこつけ方が僕は、相当に好きである。

     で、たぶんこの小説も、日本風のハードボイルド、もしくはソフトボイルドなんだろうなって思う。主人公が吐く、軽薄な美文もたぶん、本人の照れ隠しなんだろう。あるいは、そういう風に読んでほしいと思って作者が書いているのだろう。もし後者だとしたら、僕は登場人物がかわいそうだと思ってしまう。

     そのくらい、個人的にはこの小説は「かえない」ものであった。もっと軽薄だったり雑だったりすれば逆に許せるんだけど、基本形の方だけを上っ滑りだけど丁寧になぞったりしているような感じがするからなおさら。強いて言うなら、バーサやネロ・ウルフの家にいそうなキャラだけど、それにしてはかっこよくないし。

     物語も凡庸だんだけど、ちょっと困るのは登場する女の子が魅力的だったりすること。そしてその魅力も、きっぱりとした生きている人間の魅力じゃなくて、中年男に都合がいいような、つまり恋愛ゲームのキャラのような魅力で、が、それが案外気持ちよかったりするのが困るのである。

     まあ、なんだろうなあ。5作目くらいを読んでみたい気がする。

  • 年齢的にも性格的にも、この手の主人公は初めてなので、抵抗を感じていたけど、けっこうすらすら読めました。
    確かに38歳の(世の十代からしてみれば)おっさんの柚木草平が、モテるのは謎です。もうすぐ高1になりますが、正直あまり魅力的とは思えないし、年齢の差か共感もできなかった。
    独特の言い回しと冗談は、読んでいておもしろかったです。あとストーリーも。いい意味で推理小説なのに推理小説っぽくないところがよかったです。複雑だけど泥臭さがないのですっきり。

  •  柚木草平シリーズの1作目

     ひき逃げ事件を探っているうちに、また事件に巻き込まれる。

     ちなみに2作目は「初恋よ、さよならのキスをしよう」です。でもって、このシリーズ最初別の出版社から出てて、そこで絶版になった模様。
     絶対、タイトルで損してると思います。
     だから3作目の「探偵は今夜も憂鬱」から買ったんじゃん。

     なんだかな、のタイトルはおいといて…。

     やっぱりハードボイルドなんだけど、とぼけてます。
     女に弱い、ところが所以なのか。娘にまで弱いからな。そういうところが微笑ましい。
     でもって、この出てくる女皆なんだか怪しい(ww)んだが、そういうところの描き方がまた上手い。
     雰囲気は、昔の映画なんだろうなぁ。
     映像化すると、案外受ける気がするんだけど…地味すぎるかな。

全97件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

樋口有介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×