少女地獄 (夢野久作傑作集) (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488463113

作品紹介・あらすじ

書簡体形式を用いた独自の文体で読者を幻惑させる、唯一無二の怪奇探偵小説の名手・夢野久作。その入門書に相応しい四編を収録した傑作集を贈る。ロシア革命直後に語られる数奇な話「死後の恋」。南の島に流された幼い兄妹の悲劇を綴る「瓶詰の地獄」。満州を舞台に、日本人兵士とロシア人少女の逃避行を描く「氷の涯」。虚言癖の少女、命懸けの恋に落ちた少女、復讐に身を焦がす少女といった三人をめぐるオムニバス「少女地獄」。不朽の怪作『ドグラ・マグラ』の著者の本領を示す、ベスト・オブ・ベスト!

感想・レビュー・書評

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  • 瓶詰の地獄が好きだった。
    氷の涯は前半が目が滑ってしまって読み進めるのに時間がかかった。

  • 食わず嫌いしてたけど、
    読んでみたら味わい深く楽しめた。

  • 形式は短編集。どれも救いがない話なので人に薦めにくいのは夢野先生のお約束。
    冒頭から物語に引きこむ展開はさすがだなと思う。これをほぼ全ての作品でやってのけるところが恐ろしい。

    死後の恋、瓶詰地獄、殺人リレーが気に入った。ドグラ・マグラもチャレンジしたいと常々思っているが、仮名遣いが難しくて毎回途中で挫折してしまう。

  • 「何んでも無い」が1番好き

  • 死後の恋・瓶詰の地獄・氷の涯・少女地獄の4編からなる夢野久作傑作集。どれも夢野ワールド全開、妖しく不気味な話。繰り広げられる情念の地獄。やっぱり瓶詰が好きなのだけど、「死後の恋」が酷く印象的だった。おぞましくも美しい。

    「死後の恋」
    グロテスクではある。でも、情景がありありと思い浮かび、そのおぞましくも美しい情景が印象に残る。

    「瓶詰の地獄」
    これは何度読んでも同じ解釈しかできないのだけど、いろいろな考察があり短いのに面白い楽しみができる。

    「氷の涯」
    ラストが印象的。まさに氷の涯。ただ、少し読みにくかった。

    「少女地獄」
    姫草ユリ子、虚言癖の女。嘘に嘘を重ねて、普通ならば憎たらしいだけなのに、どうにも憎めない。罪人ではなく創作家という言葉が周囲の彼女への感情なんだろう。ただただ哀れ。
    殺人リレーは、女の情念。狂気に近い。火星の女も、それに近いかな。火星の女は、情念もさることながらアグレッシブすぎる。とにかく行動力溢れる。
    “すべてを精算しなければ、モトの虚無に帰る事ができないのです”


  • 「死後の恋」も「瓶詰の地獄」も「氷の涯」も良いけど、やっぱり「少女地獄」が一番!姫草ユリ子と甘川歌枝が好き。〈少女〉とは残酷な生き物。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/731316

  • はじめての夢野久作。めちゃくちゃよかった。「死後の恋」「瓶詰の地獄」「氷の涯」「少女地獄」の4編を収録。ラストに驚いたり、ぞくぞくしたり、印象的だったりと、かなり楽しめた。他の作品も読みたい。

  • グロすぎて吐き気がする。インパクトの強い作品群だった。死後の恋のラストシーンがエグさでは一番で、今、こんな小説を書くと批判されるか禁書になるか差別主義者だと言われそう。好きなのは瓶詰の地獄。これは実際あるかもしれない。でも、自殺する必要はないと思った。嘘をつきまくる看護士の話しは、これもありがちだなと思うが「赤に違いない」と決めつけるのは時代だなと思った。最後の話しが一番好きだが、教師の裏側を描いた作品で、あれをやられたら生きてはいけないと思う。

  • 書簡体小説4編。「死後の恋」描写にぐいぐい引っ張られ、ラストの一行に竦む。「瓶詰の地獄」既読ゆえ逆に悲痛な叫びが再び私を虜にした。日本兵とロシア少女の「氷の涯」命令が絶対である当時の背景。流された行末はこれでしかあり得ないと思える綺麗なラストだった。「少女地獄」は三編の連作。虚言壁の少女の「何でも無い」のリアルさが印象的だが「火星の女」に掴まれた。読み手は翻弄されたり復讐されたりする男をかわいそうと思うのか、自業自得と思うのか…。女はか弱い都合の良い生き物ではないのだ。たまに無性にこんな話を読みたくなる。

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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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