手焼き煎餅の密室 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M た 5-4)
- 東京創元社 (2009年8月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488466046
感想・レビュー・書評
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「天使が開けた密室」を読んだのはだいぶ前だけど、連作物とは解説を読むまで気づかなかった orz ちょっと繋げ方が強引な気もするけど、軽く読めるし悪くはないと思う。
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シリーズ物の前日譚ということですが、前3作品を読んでいてなんぼって印象を受けてしまいました。
それと、少なくともこの作品の文章は自分にはちょっと合わなかったかな(初読の著者なので他作品は分かりません)。 -
【収録作品】旧体育館の幽霊/手焼き煎餅の密室/回る寿司/熊の面、翁の面/そして、もう一人
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短編集 安楽椅子探偵・水島老人 美波と修矢が出会う以前
《旧体育館の幽霊》
《手焼き煎餅の密室》
《回る寿司》
《熊の面、翁の面》
《そして、もう一人》 -
ほとんど褒めるところのない作品。
まず、文章が下手。
普通に小説として見ても、登場人物の紹介はぎこちないし、いちいち説明的すぎるし、セリフも変。「わ、わかったわ」とか、「な、なんですか」とか、「キ、キャー!」とか、会話文があまりに何回もどもるのも稚拙な雰囲気を出してしまっている。それしか表現の引き出し持ってないの? という感じ。
次に、キャラクターに魅力がない。
特に、修矢の先輩というキャラはひどい。人物に魅力がないせいで、修矢がその先輩のわがままになぜ振り回されているのかも疑問に思えてしまう。
他のキャラクターも、すべてどこかで見たような人物像ばかり。
キャラクター造形が似ているせいで、北村薫の有名シリーズや、米澤穂信の作品などが否応なしに喚起され、比べざるを得ない。
そして、比べてしまうと、こちらが格段に落ちる。
どうでもいいが、先輩が「しゅうや」を音が似ているからといて「シュークリ」と呼んでいるが、似てない。
最後に、ミステリとしても、解説などで「精緻」だのなんだのと褒められているのはまったく疑問としか言えない。
とくに、文章が下手なせいで伏線が丸出しになっていて、「伏」線として機能していないのは致命的。
また、ミステリの「謎」の部分も、学校が舞台になっているものはとくに、ありえなさが目について仕方なく、それが魅力的で読ませるのであればリアリティはなくてもいいが、魅力がないせいで単なる「よく取材もせずに思いつきで書いたのか」という印象しか残らない。
褒めるところはないが、庇うとすれば、まだ「ジュブナイル」というジャンルがあったころは、こういう類の欠点まみれの作品もよくあった。
ティーンズハート文庫やレモン文庫などのレーベルでは、ミステリとしてはほとんど成立しないような作品も、「ミステリ」ではなく「少女小説」として読まれていた。
だから、本作も、「ラノベ」であり、全くミステリファンでもなんでもない小中学生が読書の入口として、「ファンタジー」として読むのだとすればまあ頷ける。
しかしそれならば、創元推理文庫からはけっして出さないで欲しかった、ということがつくづく残念。 -
連作短篇のカタルシス!やや強引ながらも、最後の短篇が強烈。
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四作目は短編集。主に幼いころの美波や修矢を主人公に、本編では故人の水島のおじいちゃんが探偵役となって活躍しています。
まだまだツメが甘い子供修矢に、にやにやしてしまいます(笑
短編は死人が出たり出なかったりな展開ではなく、いわゆる日常の中のミステリーです。こういうのをなんて言うか、ちょっと忘れてしまいましたが(汗
作品が多いので一つ一つの紹介は避けますが、手焼き煎餅は題が可愛らしくてお気に入りです。 -
シリーズものの番外編で、第0巻という感じでした。題名に惹かれて手に取っりました。短編連作になっていて読みやすかったです。
キャラクターがしっかりしていて、このシリーズのほかの作品は読んだことがなかったけど分かりやすかったです。