- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488467029
感想・レビュー・書評
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全編が詩のよう。人間の生死も殺人の動機も、もっと大きなものの前には些末なこと(千波ちゃん流に言うなら「児戯」)。ちょっと昔の少女漫画の雰囲気が好きな人なら違和感なく楽しめると思う。京極夏彦や森博嗣が好きな人とかも、たぶん。
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前作『崖の館』の人間関係がさらに変わることになるなんて。私としては一途な恋であってほしかった。ミステリーとしては催眠術を使うのはいかがなものかと思ってしまった。私が浅い人間なのかな?
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「崖の館」の後日談。館の財産目録をつくるために鑑定人が館にやってくるが、それは一人多かった。
誰かわからない一人が多い、というのはミステリーでよくある手だ。
が、これはそれを上手くいかせてないんじゃない気がした。ま、私のその手の傑作は萩尾望都の「11人いる!」なので、あれと比べるのは、確かに筋違いかもしれない。
この、筋違いというのが、キーワードなのか?
ミステリーであるようだが、そうとも言い切れない。恋愛小説、とは言い切れない。観念論とも、やはり言い切れない。
かといって、中途半端なわけでもない。
そう、どう語ろうとも「筋違い」なのだ。
とはいえ、前作よりさらに人の死が軽くなったようで、その辺は不愉快だったな。
これはファンタジーなんだって、言い聞かせて読んだ。
次の「夢館」で、館シリーズは完結するらしい。
なので、とりあえず、完結を待つよ(苦笑) -
館シリーズ第2作
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むふー。面白い…。
佐々木さんの知識の深さに脱帽です。 -
〈崖の館〉に続く〈館〉三部作第二弾。
いとこ3人が落命した〈崖の館〉―財産目録を作るため美術鑑定家を招く、という叔母の住まう館に再び集まった涼子たちいとこ一同。
悪天候の為、陸の孤島となった館へやって来たのは…予定よりひとり多い5人!招かれざる客はいったい誰?
さらにその夜「神の声を聞いた」という少女が館に保護されるが…不吉な言葉を残し失踪し…!
涼子がよく分かりません★いきなり召聘された鑑定家のひとりに恋しているみたい?あれ、涼子っていとこの哲文のこと好きだったと思ったけど?
前世や輪廻転生が関わっているみたいで…ふわふわ夢の中の様に幻想的な雰囲気です。
前作で亡くなった人々も、まるでその場にいるようだし(会話中にしばしば名前が登場)、死人出てるのに冗談混じり(は言い過ぎだけど)謎を解く気概が足りない気がするョ!
かと思うと、あの実験…謎解く為だけど皆の前であんな事されたら嫌だと思う★しかも乙女が実験台
石垣さんは可愛いひとだと☆ちゃんと幸せ鷲掴み!したのが良かった♪
私も良書を手に入れたいな~私が主に摂取してるのは阿片たる悪書ですね★それもまた楽しいデスが
絡んでくると思った失踪少女もあまり関係なくて…“あくまで主役は館と千波”な、推理もの<幻想的恋愛少女小説て感じでした☆
20070527 -
学生の時に夢中になって読んだ なつかしい本
崖シリーズの二部目 ミステリーにはらはらし 恋の行方にドキドキし 読み応えのある作品 -
前作<崖の館>の続編。館に暮らす叔母さんの財産目録作成のために再び集まった涼子たちだが、揃った鑑定家は予定の人数より1人多く来ていた。招かざる客の目的とは。哲学、美術、心理学などの知識をさらに織り込んだ幻想長編。
前作の幻想的な雰囲気、雪で覆われた崖のそばに建つ館と明らかに幼く描かれている涼子の視点で語られる文章には、もうはじめから鳥肌立ちっぱなし。この作家の書く文章は、本当に幻想的であり、達観しているようなところがある。それが、雪の館という舞台の演出に、更に光を当てているのだ。
しかし、後半あと少しのところで、物語は坂道を転がるリンゴのように方向を変えて速度を増す。あ~、そっちじゃないのにー。シェーン、カムバッーク。幻想文学は難しい。ちょっと向きを変えれば、作品自体の持つ雰囲気が完全に変わってしまう。でも、好きな作家なので最後まで読んで、結局満足した。 -
佐々木丸美さんの小説といえば「雪の断章」(孤児4部作第1巻)が一番有名なのかも知れない
けれども自分は、館3部作第2巻にあたるこの物語が一番好きだったりする。
初めて読んだのは高校の図書館で。
実は第1作である「崖の館」を知らずに読んだのだけれども、
それでも物語の中にどんどんと引き込まれていったのを覚えている
誰かを想う事は難しい。
理屈で考えてはいけないのだけれども -
なんか前作では書かれてない話があって、すごくびっくりした。
話が大きくなってる。