- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488473044
作品紹介・あらすじ
芸術棟が封鎖され、困ったクラブや同好会が新たな棲処を探し始めた。美術部の僕は美術室に移動して、無事作品に取り掛かれるかと思いきや、美術部の領地と思しき開かずの間をめぐる鉄研と映研の争いに、否応なく巻き込まれてしまう。しかし翌日、その開かずの間に突如異様な鉄道模型が出現!?表題作を含む五編収録の、山あり谷ありで事件に満ちたコミカルな学園ミステリ短編集。
感想・レビュー・書評
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'23年4月17日、Amazon audibleで、聴き終えました。シリーズ三作目。
二作目と比較すると…ちょっとなあ…と感じました。まあでも、面白かったし、楽しんで聴けました。
やはりこの、ホンワカした感じが魅力の作家さん、なのかな?いわゆる「日常の謎」的な作品だし、人気のシリーズでもあるし…僕が多くを望みすぎてるのかも┐(´ー`)┌
あと、audibleだと、ナレーターが高めの声の女性なので…そのへんも僕の違和感の要因の一つかも。主人公葉山君と周りの友人達が、変声期前の少年のようで、その点はかなり変、と感じます。全般的には、上手いナレーターさんだな、と思いますが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ3作目。5つの話からなる短編集。葉山くんの一年生の冬から二年生の夏くらいまでのお話。
どれも些細な謎解きなのだが、しょうもな…とならないのは文章の上手さか。全体的に展開が面白く、登場人物たちの動きも面白く、このシリーズには楽しませてもらっている。葉山くんは人が良すぎて利用されがちだが、今後の幸せをお祈りいたします的な終わり方で次回作もますます楽しみ。
今回、伊神さんは急に出てきて少しの説明で「もう(犯人)分かったよ」というような流れが多かったが(卒業後だから仕方ないか?)、今度は1作目のようにじっくり絡んでくる話が読みたいな。
あとがきも面白くて最後まで気が抜けない。 -
短篇集で、前作までの時系列の前後を埋めていく感じなのかな…と思いきや、ちゃんと読み応え抜群、最後の「今日から彼氏」には唸った。
あと「竜と嫁〜」のやつ、論理で謎を解く楽しさを凝縮したような佳作だなぁ。 -
コミカルな学園ミステリ短編集。
日常の謎系です。
初めて読んだ作家さん~タイトルに興味をひかれて読んでみました。
4作目なのかな?
なかなか感じはいいですよ。
葉山君は、たった一人の美術部員。
高校の芸術棟が封鎖されて、弱小文化部は場所を確保するためにウロウロ。
美術部はとりあえず居場所があるが、美術部らしい物が置かれた部屋がもう一つあるということで、映研と鉄研が、美術部には不要だろうと念を押しに来る。
彫像や古いカンバスが置かれているようなのだが…
葉山君は巻き込まれ型で、人がいいけど押しが弱い。
ヒロインで気の強い柳瀬さんの行動力で事態が動き、卒業したはずの伊神先輩が最後には顔を見せて謎を解くという趣向。
「まもなく電車が出現します」
開かずの部室に、誰も見たことのない電車模型が出現した事件。
「シチュー鍋の底は、平行宇宙に繋がるか?」
調理実習で、ジャガイモが食べられないはずの三野はどうしたのか?という問題。
「頭上の惨劇にご注意ください」
園芸部が窓際に置いた植木鉢が落ちてきて、葉山の頭を直撃しかねなかったという事件。
「嫁と竜のどちらをとるか?」
オタクな夫が新妻に内緒で買ったフィギュアの値段は?という謎。
「今日から彼氏」は~
絵が描けるからと映研の手伝いをしていたら、裏方の一人・入谷菜々香に交際を申し込まれた葉山君。
ぎこちないデートのいきさつがリアル。
その時の不審な出来事の意味は?という事件。
葉山君が柳瀬さんの「愛妾」という評判が立っていたというのもおかしい。愛妾て。
…高校生がこんな手の込んだことを考えるのか?!という気もするけど~犯人は高校生でもミステリマニアだったということね。
著者は1981年、千葉県生まれ。
2006年、「理由あって、冬に出る」で鮎川哲也賞佳作入選し、デビュー。 -
(2011.8)
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悪くないネタとは思うけど、トリックにちょっと無理を感じる。それよりは初々しい葉山と、スーパーレディーの柳瀬の組み合わせにフフフっと含み笑い。