炎の眠り (創元推理文庫 547-3)

  • 東京創元社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488547035

感想・レビュー・書評

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  • ダークファンタジーというジャンルらしい。
    著者は初読み。
    現代を舞台にしながらも魔法的な要素があったり、不思議な世界観。最初はとっつきづらく感じていたものの、読み進めるうちにぐいぐいひきこまれていった。
    がっつりファンタジーよりこの世界観のスレスレ感はけっこう好み。
    他の作品も読んでみたくなった。

  • 友達のニコラス・シルヴィアンは映画監督。ウォーカー・イースタリングは脚本家。女房のヴィクトリアと離婚したウォーカーは、ニコラスから会わせたい女がいると言われて一緒に待っていた。料理が運ばれてきたが女は来ない。食べ終わっても来ない。空港に戻る前にもう一度電話をかけてみるとニコラスが言う。そして、元の同棲相手から暴行を受けたと聞いた。そして出会ったその女性がマリス・ヨーク。この後、二人の仲が親密になっていく描写が続くが、これはキャロルの小説だ。どこかで密やかに不気味な出来事が待っている。現実と非現実の境目が段々と薄れていく世界を描く。「月の骨」のシリーズ。同じ名前で登場する者がいる。例えば、ウェーバー・グレグストンとか。

  • グリム童話ルンペルシュティルツヘンをモチーフにしたダークファンタジーです。童話に題材をとる作品にはいささか食傷気味なのですが、本作品は別格です。ハッピーエンドに一撃をくらわす最後の一文が秀逸です。

  • これは…
    現代ではたまに見かけるオチです。
    この当時は斬新なアイデアだったのかな?

  • 「月の骨」に続くダーク・ファンタジー三部作の第二弾。三部作と言っても、登場人物が少々交錯するだけで、続きものというほどの繋がりは設定されていないので、単独で読んでも違和感はない。ダークさを持つファンタジーの代名詞であるグリム童話を絡め、父と子と女をめぐる因縁、 “無意識の罪とその代償”というキャロルらしいテーマが描かれる。リアルとファンタジーが混ざり合う世界、ダイナミックな展開、謎解き要素も面白く、恐怖は残しつつも後味の悪さはさほど残さずに終わるところが、キャロル作品導入としてはお勧めしやすい一冊かもしれない。

  • 初期作品で~「死者の書」「月の骨」に続く3作目。
    後の作品を思わせる所もあるけど、この方がわかりやすいかな。
    主人公ウォーカー・イースタリングは映画脚本家で時々俳優もやっている。10年結婚していたが離婚。
    捨て子だったので親はわからない。
    ある日、不思議なことが起こり始める。
    時々リアルな夢を見たり、幻覚のように過去が見えたり、人の視点で物が見えたりするのだ。
    映画監督の紹介でヴェナスクというシャーマンと会い、空を飛ぶ方法を教えると言われる。実際にはそこまで行かないのだが、それ以上のことが起きる?!
    知り合った美しい女性マリスとたちまち恋に落ちるが…レゴで町を組み立てる芸術家というのも面白い。
    キャロルは美人の描写が上手いなあ。
    マリスが見つけた墓にはウォーカーとうり二つの肖像写真が。その人物を調べると夢で見た記憶と同じ?未亡人にも会いに行くが…
    自分は繰り返し生まれてきた?
    ウィーンの暮らしぶりも何だか素敵。
    大きな危機もあり、思いがけない展開だが、けっこう可愛らしい結末。

  •  ダークファンタジー「月の骨」に続くってあったけど、どこが続いてるの?って思ったら、ちょっとだけ続いていた。先に、3弾も読んでるんだけど、あれとこれが繋がってるのもあんまりわかんない。無理矢理シリーズものってしなくてもいい気がするけど。
     前半、まったりしててしんどかったけど、後半からがすごかった。でもって、すごくキャロルらしいオチ。やっぱり、キャロルは面白いよ。
     特にこれはキャラクターが魅力的だったな。

  • ジョナサン・キャロル著/浅羽莢子訳

    「黒いカクテル」との繋がりに驚いた!
    後半はページをめくる手が止まらなくなった。

    本編後の展開が気になる

  • 「月の骨」の訳者あとがきを読んだら、どうもキャロルは書きながら続きを考えてるっぽい。「月の骨」はそれでも大丈夫な話だったけど、これは裏目に出てる作品じゃないかと。読み進めてるあいだはメチャメチャ面白いけど、一度読み終わって改めて全体を見ると、各エピソードが絡み合わず、浮いてる気がしてしまう。定価より高いお金を出して古本を買った身としては正直残念

  • 最初は何度となく途中で投げ出そうとしたことか。
    しかし、ストーリーの濃さ、結末の意外性は他に見ないものがある。

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