魔法の使徒下 (最後の魔法使者第1部) (創元推理文庫) (創元推理文庫 F ラ 3-13 最後の魔法使者 第 1部)
- 東京創元社 (2009年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488577131
感想・レビュー・書評
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一気に読み終えてしまった。
やっぱヴァルデマール年代記は最高に面白いなあ。
絶望から希望が生み出される過程の描き方が本当に秀逸。
なんというか、単なるご都合主義ではないのだよね。
ストーリィ展開としては、小道具はともかく、大筋の流れは王道そのもの。
しかし、その過程描写がとても細やかで丁寧で、そこがよくある凡作と一線を画している点だと思う。
くどくどと心理描写を積み重ねるのではなく、シーンの積み重ねによって語る感じ。
力で読者をねじ伏せようとするのではなく、自然な納得へと導いてくれる。
これが、ヴァルデマール作品に共通する基本的な姿勢なのだと思う。
あとがきによれば、山口氏も別のシリーズを翻訳中とのこと。
つまり、創元ではこれまでの山口訳と、今回から始まった細美訳の2つが同時進行することになるのかな。
だとすれば、創元さんは本当に良い仕事をしてくれてると思う。
他にP☆NOVELのシリーズもあるので、計3つ?
未訳作品がまだ沢山あるそうなので、これはとても嬉しい。
とりあえず、始まったばかりの本シリーズの続刊に期待!
早く読みたいな―。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読ー。ヴァニエルと父ウィゼンの対面が辛切ない。そして女王凍蜥蜴を討伐した後の農民達とヴァニエルのやりとりが泣ける。
それにしても<鷹の兄弟>たちは作者に愛されてるー。いやもう彼らかっこよすぎでしょ、毎回。 -
ヴァニエルが魔法使者になる話でした。
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もうほぼ王国の住人ですね。
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ヴァルデマール・シリーズは女性ばかりが主人公だと思ったら、今回は少年でした。しかもボーズズ・ラブ!いじけたヴァニエルが自分の使命に目覚めるまでの物語。「女王の矢」より600年くらい遡ったお話でした。さてこれからのヴァンの成長振りを続刊に期待します。
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面白かった。
しかし、彼の悩みは、非常に男性的ではないと感じられる。
作者が女性だからなのだろうか?
他の男性読者にも感想を聞いてみたいところである。 -
通勤電車の中で、一時別世界の物語に同化したいときはファンタジーが一番。中でもヴァルデマール年代記はどれも読んではずれがない連作集だ。本作は「最後の魔法使者」三部作の第一部で、年代記としては初期の伝説的な時代の物語。今回の主人公は目が覚めるような黒髪の美少年ヴァニエルで、金髪の使者訓練生タイレンデルとの運命的な恋愛と悲しい別れを通じて、わがままで孤独な少年から魔法使者へと成長する物語。