影の棲む城 下 (創元推理文庫 F ヒ 5-5)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488587055

感想・レビュー・書評

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  • 第一部では狂女扱いだった四十女が気まぐれ巡礼旅からの大冒険回。神々を罵る生命力が戻ってきてよかった。

  • この作品はファンタジーであることがどれだけ重みあるかで悩む
    五神教の設定出来栄えはファンタジー度高いようだが
    距離がマイルだとかは関係なく中世ヨーロッパふうのどこかでもかまわない気がする
    『風の王国』はいわゆる「ファンタジー要素(=魔術とか妖術とか超能力とか神降臨とか)」がまったくないが
    舞台設定を本作と入れ替えても双方成り立つのではないか
    本作の神魔周りはいわゆる「マジックリアリズム」で処理できるのではないか
    そうでもないか
    『夜は短し歩けよ乙女』に比べると話に関わるファンタジー度低いのではないか
    同じようなものか

    感想としては歴史ものファンタジーもの双方の描写が濃く良く隅々まで混ざり合って文句なしの一品

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  • 前作とは、また随分と趣を変えてきたなー、と思いました。
    といっても、大事な部分には何ら変化はありませんけれど。
    なんというか、comicalな要素がかなり増えたように思います。
    それは、イスタという人物像に依るものが大きいのでしょうね。

    そして神々が、より身近、いや、「卑近」になってきたのも面白かったです。
    <五神教>というものを、より明確に理解出来たような気がしました。
    ギリシア神話のimageなのかな、と思います。

    筋立てとしてかなり暗いのにも関わらず、その暗さはあまり感じさせません。
    ハイ・ファンタジィのお手本のような、そんな作品のように思います。
    素晴らしく確固として揺らがない世界観を創り上げたことが大きいのでしょう。
    「チャリオン」という国家と、その周辺。
    そこで営まれている「生活」。その息吹を行間から感じることが出来ます。
    この異世界感というのが、fantasyを読む醍醐味だと思います。

    登場人物たちの、活き活きとした魅力も健在です。
    前作に出てきた人物たちは、悉く出てきません。
    イスタ以外の人物は、殆どが新登場。
    けれど、前作の焼き直しのような人物たちが出てくるわけではありません。
    前作の人物たちとも一味違った、これまた魅力的な人物たちが大勢登場します。
    イスタという主人公でさえも、前作での印象とはガラッと趣を変えています。

    前作では抑えめだった、「魔法」もふんだんに出てきます。
    戦闘描写も多く、神々の出現も多発します。
    これらだけを取れば、どことなく地味だった前作から作風そのものが変わったようです。
    けれど、それでもなお、本作は間違いない<五神教シリーズ>であるのが素晴らしいのです。
    表面的な技巧の多才さを見せながらも、その本質は全く揺らがない。
    激しく泡立つ海面と、全く揺らぐことのない深海。そんな印象を抱きます。
    これが、"Triple Clown"なのだな、と実感しました。

    次作は、舞台さえもが変わるとのこと。
    Bujoldが魅せてくれるであろう変遷が、いまから楽しみです。

  • 表紙はアリーズ

    人のなかに魔が入ったり、神の力を宿したりと神の介入が多い。この世界では魔も庶子神の分野だというから、なにからなにまで神である。死んでいる人も3ヶ月ほど生きているし、魔も体内に吸収し神に還してしまう。

    正直、あまりにも不思議なことが都合良く起こりすぎて前作のような面白さはなく。読むのも途切れ途切れだった。

    と書いておきながら、もう一度最初から読み返してみるとなにか違うものが目覚めてくるのではないかと思いつつある。

  • 主人公たちが美男美女なれども既に中年というのが、前作から引き続き深い味わい。自分のことだけで頭がいっぱいになるんじゃなくリスの恋の行方をなんとなく見守るかんじとか、いい感じで面白いです。長いように思えて、後半はスリリングな展開で思わず一気読みしてしまう。

  • 再読ー。

    面白かった。
    ただ、神が出過ぎ。多神教なら本来おかしくないけれど、「チャリオンの影」程非情な感じがなくなってしまって食傷気味。

    しかし話は小気味いいし爽快感もあるし、評価が高いのは頷ける。

  • チャリオンの影の続編。でも主人公は違うからどうかなーって思って読み始めたけど、心配するまでもなく面白かった。

  • 五神教シリーズの2作目後半。
    ジョコナとの国境に近いポリフォルス郡で、国太后イスタは攻防戦に巻き込まれます。
    郡侯アリーズ・ディ・ルテスはイスタと深く関わりのあるかっての宰相ルテスの息子。実は3ヶ月前に命を落としながら、魔法で昏睡状態にある異母弟のイルヴィンの生命を貰うことで動き回っていた。
    再び神の手が触れたイスタはジョコナから放たれた魔を退治する役割を担うことに…?
    フェルダとフォイのグーラ兄弟という騎士2人の若者と中年組とハンサム二組を従えつつ、イスタの復活。
    大人の女性の名誉回復とロマンス。
    読み応えがありました!

    宰相府の急使という馬での飛脚のような仕事に就いていたリナという娘がイスタの侍女兼馬丁となり、さっぱりした気性がすがすがしいです。

  • 今回も、登場人物がみんな魅力的です。
    なんといっても、いきなりイスタに見染められて侍女に大抜擢されたリスのかわいさ。
    立場上、貴族の女性と接する機会も多いだろうに、リスに惹かれたグーラ兄弟。
    やっぱフォイか〜。
    フェルダお兄ちゃんは意外と不器用だったのか〜。

    いろいろキャラが立ってきて、さぁ、面白くなりそうだ。もっと読みたいぞ
    というところで終了。

    3部作の最終話は、全然別の物語なのだそう。
    出たら読むけど。


    今回は、日本人作の西洋ファンタジーはたくさんあって面白いけど
    西洋人のファンタジーは、地に足がついてて面白いな。ということに気がついたよ。
    。。。作家によるところも大きいか。
    まず、ビジョルド作品は全部読みたい。人気シリーズはファンタジーじゃなくてSFらしいけど。

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