未踏の蒼穹 (創元SF文庫 ホ 1-28)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488663285

作品紹介・あらすじ

金星文明は、かつて栄華を誇りながら絶滅した文明が存在する惑星、地球(テラ)の探査計画に取り組んでいた。テラ文明は宇宙空間に進出するほどの発展を遂げながら、なぜ滅んだのか? 月の遺跡で発見された、テラ人が持っていたはずのない技術の痕跡は、なにを示唆しているのか? 科学探査隊の一員カイアル・リーンは、テラ文明が遺した数々の謎に挑む。ハードSFの巨匠が放つ、もうひとつの『星を継ぐもの』ついに邦訳!

感想・レビュー・書評

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  • アイディアは良いが、ストーリーがダメ。

     表紙の裏に「金星文明は、かつて栄華を誇りながら絶滅した文明が存在する惑星、地球の探査計画に取り組んでいた。テラ文明はなぜ滅んだのか?月の遺跡で発見された、テラ人が持っていたはずのない超技術の痕跡は、何を示唆しているのか?科学探査隊の一員カイアル・リーンは、テラ文明が遺した数々の謎に挑む──。ハードSFの巨星が放つ、もうひとつの『星を継ぐもの』ついに邦訳!」とある。

     「星を継ぐもの」と比べると、読んでいるときの、ワクワク感がないのだ。金星人の正体についても、予想がついてしまう。

     ホーガンの作品は、初期の方が面白いと思う。もう「面白い」と言える作品は、翻訳され尽くしたのだろう。彼も晩年には、疑似科学や歴史修正主義に傾倒したようだし。本作でも、それが鼻につく。自分には合わない。

  • 2007年7月刊のEchoes of an Alien Skyを翻訳して2022年1月創元SF文庫刊。金星人たちが失われた地球文明の謎を解明するお話。登場人物が多く、読み疲れします。最後の謎解きまでなんとか到達できました。疲れた~。

  •  金星からの補給船のデッキで、スクリーンに映る地球の姿に、カイアルやヨリムたち地球探査ミッションに参加するクルーたちは目をうばわれていた。滅びたテラ人の文明や地球の地質・生態系を調査するのだ。

    〇面白かった!金星人の科学とか社会が地球とは異なっていて、そこから地球の科学や社会を眺めている。地球で見つかるテラ人のカケラを見ながら、テラ人である私たち読み手は「あ!これは~」と心当たりを思い浮かべながら。
    〇2007年刊行の著作でありながら、テラ人絶滅の内容について架空のことだからと俯瞰出来ない現在の情勢が、読み進めるのにガリガリと削られた。
    〇ミステリー部分については、フラグよりも残ページ数で展開を予想してしまったかも。
    〇カイアルとロリアイの恋愛パートもあり。こちらはかわいらしい。
    〇「社会政治的集団」は成長する生命体であれるのかな?理想を目指しては奈落の底に崩れ落ちる、積み木の山でないといい。

  • '星を継ぐもの'の興奮再び!という帯に書かれた文句に惹かれて読む。視点の逆転がキーワードか。
    主人公は金星人という設定に、違和感を感じながら読み進めると、すでに人類が絶滅した地球の探査がテーマになっている。その謎を解く鍵が月の裏側から発見され、最後に残った人類は恒星間航行を完成させて、どこかの惑星に移り住んだらしい、という設定になっている。この月で発見された人類の遺産ともいうべき構造体は、地球からの脱出を意味しているのか、あるいは舞い戻ってくることを示唆しているのか。謎の追求は地球に向かい、金星人と地球人の類似性の謎解きに帰着する。科学的な記述に無理があり、読者をうならせるSFの域には達していないと感じた。

  • クラシックなSF。なんというか、今にも通じる設定とかあるけど、やっぱりなんだか古い。そしてやけに教訓めいている。つまらなくはないんだけど、無駄なエピソードや会話が多い、と言いたくなってしまう。

  • 作品紹介に「もうひとつの『星を継ぐもの』」と書いてあったらで結末が...
    はっきりとしない年代設定と疑似科学で結末に持っていくので、5万年前のルナリアン真相解明のようなときめきがない
    「進歩派」のドタバタは優れた金星人にしては程度が低く物語に絡み合わない
    ホーガン死して12年、今更名作が出るわけが無い

  • 久しぶりのJ・P・ホーガン。
    書店で見た時一瞬、え?生きてたの?とか思ってしまった。
    翻訳に時間がかかっただけなのね。

    主人公とヒロインが出会って一目ぼれしれヒロインの元カレが陰謀めぐらせて・・・ってホーガンってこんなんだっけ?と思いましたが、最後のほうはいつもの謎解きと解決、逆転劇は巨人たちの星や仮想空間計画ほどではないにしてちゃんとあって。
    で、揺籃の星に続いてまたか、という展開。
    終わりのころのホーガンって人類のことどう思っていたんだろ。

  • 星を継ぐもの でデビューしたJ.P.ホーガンの著した小説。
    ストーリーは金星で発達した文明したはるか先の時代。

    高度な星間移動技術を持つ金星人が荒廃して人がいなくなった地球を探索する話。

    言い回しや表現は素晴らしい部分があるものの、正直「星を継ぐもの」に比べるとメッセージ性、展開の意外性などかなり劣る印象。

    コレいるのか?というエピソードにも相当なページが割かれているし、ちょっと間延びしている部分が多かった。

    過去との切り替えのシーンが度々あったので、何とか最後まで読めたが、病みつきになるのには程遠かった。

  • 金星人が地球を調査し、地球文明の絶滅の謎に迫るSF作品。金星人の文明は地球の科学が分からなかったことも分かっている。それは地球人と金星人のスタンスの相違にある。地球人は自分達が正しいと思い込んでいる理論に証拠をねじ曲げてしまう傾向がある。この自らを欺く並外れた能力の説明は納得できる。日本の警察の自白強要の冤罪事件が典型である。
    これに対して金星人の科学的態度は自分の願望や先入観を認めて、それを抑えることから始める。これは新鮮である。先入観に囚われまいとする人は公正中立であろうとする。自分は公正中立と述べて自己正当化に努める。しかし、それがそもそも誤りであり、公正中立であろうとするのではなく、自分に願望や先入観があることを認めて、それを抑えることがポイントになる。

  • うーん、まあ、展開自体は予想を超えるものではなかったが、星を継ぐ者シリーズでもちょっと感じてた、政治的な話とか表に出て来てて、アクションSFとしての方が面白いのかも。
    そうか、ヴェリコフスキーかと言う感じ。
    怖いのが、まさに、殺人ウィルスとか、最終戦争とか、2007年の著作なのだが、今の世界を見通してたような。
    ただ、気になるのが、人間としての業がこの形で精算されないと、安定した人間人がらないのかと。ここが星を継ぐ者を超えられないところか。

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