研究計画書デザイン: 大学院入試から修士論文完成まで

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  • 東京図書
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784489007248

感想・レビュー・書評

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  • 理系やMBAなど、実学系の大学院入試情報を扱う本が多い中でこれは文系の人にとっては大変役に立つことででょう。

    大学院という進路を諦めることも含めて、自分にとってどう進むのが良いのか、冷静に考えさせてくれる一冊でした。

    何故私にとってこの研究は意義があるのか。それをどう今後に活かすのか。

    一番根本的なことから積み上げた先に院試があり、更に在学中の学びがあり、卒業すれば指導者という頼りどころはなくとも、自分でテーマを見つけ、まとめていかなくてはなりません。

    それが他者にとって共有する価値のあるものでなくては、自分がただ書いたり言ったりしているだけでは、自己満足なだけ。なにも生み出さないし意味がなくなってしまうんだという意識をしっかり持つには大変役に立ちました。

    平易に読めて、内容はわかりやすいので、これから大学院に進もうかと検討している方には、とても参考になるはずです。院生の生活が、具体的にイメージできて良かったですよ。

  • 大学院入学前に読みました。
    このおかげで、研究計画書をかけましたが、
    作者は基本的に日本語専攻の方なので
    ちょっと内容は文系すぎるかもしれませんが・・・。

  • 表面的なハウツーものではなく、筆者の専門である日本語教育研究を踏まえた、研究計画書デザインの本。

    実践と研究の往還、問題関心から問題意識への深化、インターアクションを通しての固有性と共有性の獲得など、自己理解と他者性の意識の重要性の両面を懇切丁寧に展開している。

    さらっと読める。私のように大学院進学を「検討」している人には適書であろう。

  • 研究する力とは、自己把握と他者提示の繰り返し。

  • 三葛館一般 377.15||HO

    大学院の入試対策から始まり、研究計画を立ててどのように進めていったらよいかが分かりやすく書かれている。モデルを挙げて具体的に書かれているのも分かりやすい。これから大学院で学ぶ人が自分はどういった研究がしたいのかをはっきりさせ、研究を進めていくのに参考となる一冊です。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=46124

  • これ読まなかったら、ひどい計画書出す
    所だった。

  • 主に生物系?の学科の人について書かれたもの。それほど参考にならなかった。

  • タイトルは『研究計画書デザイン』とはなっているが、研究計画書のみならず複数のことについて著者は教示する。

    ・サブタイトルからもわかるように、大学院入試の書類の一つとしての研究計画書の書き方について。
    ・修士論文作成の過程のこなし方(その前段階としての研究計画書[入試書類とは≠といえるべきもの])について。
    ・「研究」(さらに「実践研究」)とはどんなものであるかについて。
    ・日本語(外国語)教育あるいは指導について。
    ・「書く」という行為について。

    大雑把に箇条書きすると上記のようになろう。下から二つ目は著者が日本語教育に携わる方であるからかと。そういう意味では他の箇所においても日本語教育の研究に関わろうとする人に沿って、あるいはそれを想定して内容が進んでいくので日本語教育に携わる人で大学院とは無縁な人であっても一読の価値はあるのではないかと素人目には見える。とはいってもやはりサブタイトルにあるように研究の入門から修論執筆までをカバーする書であると概括できる。

    私は大学院に進学してからというものの、自分のやりたい研究というのはいったい何なのだろうか?などとかなり進むべき道を見失ってしまっている状態にあるのだが、本書がそれからの解脱の第一歩になってくれるものと思っている(今現在まだ途上ではあるが)。

    また、大学院や論文執筆というものから距離があると思える人にとっても、日常において自分が疑問に思うことなどのモヤモヤをどうにかしたい方には一読を勧めたい。研究の手法を参考に仕事場などでの自分の身の周りの問題解消に貢献できるかもしれないからだ。
    研究とはただ自分のカラにこもってやるものではなく、自分で抱いた問題意識を分析・解釈・発信し、他人からのリアクションを交えてさらにそれを発展させていくものである。研究とはいわば「開かれたエゴイズム」(by著者)である。これも本書からの受け売りである。

    個人的に様々なことを勉強させていただいたというのと幅広い人に読んでもらいたい気持ちから、星5つ。

  • 小論文の参考にしようと思い読んでみた。
    大学院入試に限らず、思考と表現について筆者の視点で書かれていて、非常に分かりやすかった。
    もともとは文系の人向けに書かれたものだが、理系の研究にも応用できる部分が多々あった。
    これからの研究の礎となる研究計画について徹底的に考えてみる良い動機付けになった一冊。

    一度思考をアウトプット(表現)してまた思考表現...を繰り返す。
    これがコミュニケーションスキルだとな。

    大事なのは、書類を作ることでなく自分が日ごろ気になっている『問題意識』についてよく考えること。
    今の自分に決定的に欠けていた部分を指摘され、また同時に、受身で頑張っている気になっていた事を恥じた。

    良書。

  • 大学院をめざす人、そして大学院で学ぶ人を対象に、研究計画の設計と枠組み、研究計画全体のデザインを示す。この「思考と表現の方法論」を身につければ、自分の問題意識を研究の俎上に載せるプロセスがわかる。

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著者プロフィール

早稲田大学大学院文学研究科課程修了(博士(教育学))。信州大学、金沢大学等を経て、早稲田大学大学院日本語教育研究科教授、2013年退職。現在、早稲田大学名誉教授、言語文化教育研究所八ヶ岳アカデメイア主宰。専門は、言語文化教育学、日本語教育。
[主な著書]
『日本語教育と日本事情――異文化を超えて』(明石書店、1999年)
『日本語教育は何をめざすか――言語文化活動の理論と実践』(明石書店、2002年)
『「ことばの市民」になる――言語文化教育学の思想と実践』(ココ出版、2012年)
『対話をデザインする――伝わるとはどういうことか』(ちくま新書、2019年)
『自分の〈ことば〉をつくる――あなたにしか語れないことを表現する技術』(ディスカヴァー21、2021年)
『「活動型」日本語クラスの実践――教える・教わる関係からの解放』(監修・共著、スリーエーネットワーク、2022年)

「2022年 『共生社会のためのことばの教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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