令和時代の総合的な学習の時間入門―教科を越えて活用可能な指導力が向上する!

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  • 東洋館出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784491043845

作品紹介・あらすじ

教科を越えて活用可能な指導力が向上する!
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独創性あふれるオンリーワンでも、
名人芸とも言えるナンバーワンでもない、
及第点をクリアする総合の実践を通して、
教科の授業の総合力が向上するプロセスが、いま明らかに。
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私(編著者・松村)は、総合的な学習の時間(以下、「総合」と略)は子どもにとっても教師にとっても、必要不可欠な意味のある時間だと思っています。総合に取り組むなかで先生方が授業力を向上させ、子どもたちと共に手応えのある「確かな学び」をつくり出している姿を、これまで幾度となく見てきたからです。

しかしながら、そうした総合に出合えず、総合の本当のおもしろさを知らない子どもたちや先生方は全国にたくさんいると思います。それに対して、私は悲観的に受け止めてはいません。総合の有する課題の実態を受け止め、解決の方途を知ったうえで、できる範囲での実践を積み重ねれば、必ずよい変化が訪れることを知っているからです。

本書で扱う総合は、勤務校の実態、子どもたちの状況、地域事情などを鑑みつつ、無理なく実現できる実践を通して、子どもにとっても、教師にとっても魅力あふれる学びを生み出す総合です。

本書が注目しているポイントは2つあります。
1つ目は、「どの学校・教師でも、確かな理解に基づいて実践すれば必ず及第点をクリアできる総合」で、3つの「単元モデル」を紹介しています。

[単元モデル]魅力やよさの発信型
[単元モデル]やるべきことの実践型
[単元モデル]やりたいことの実現型

殊に、「やりたいことの実現型」は、ものづくりに特化したモデルです。つまり、地域の課題解決などといった難易度の高い実践に挑戦するのではなく、子どもがつくってみたいと思うことを実現する実践です。

ポイントの2つ目は、「総合の実践を通じて、専門教科の授業をよりよくする」「専門教科で培った授業力を総合で生かす」そんな専門教科と総合の授業を往還するなかで、普段使いの指導の総合力を向上させることです。

そこで、第4章では、4人の先生方(専門教科は国語2名、社会1名、体育1名)の実践を紹介します。
彼らが「いかにして総合と出合い直し」「総合のおもしろさに気づき」「総合の実践を通じて、専門教科の授業力を向上させていったのか」そのプロセスを明らかにします。

感想・レビュー・書評

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  • 「準備が大変」「何を学ぶのか不明瞭」「良い授業のイメージが湧かない」

    これが総合に対するイメージでした。
    しかしながら、本書を読み終えると(特に前半部分が参考になる)、何を学ぶのか、良い授業のイメージ、またどのように単元構想をしていけば良いかをイメージできるようになりました。
    特に
    ・小サイクル(10時間程度)で回す
    ・よく見られる単元構成のパターン3つ
    は4月中に知ることができて良かったです。

    「準備が大変」のイメージは全く変わりませんでしたが。笑
    正直総合嫌いの人間でしたが、今年度はやってやるぞという気持ちになりました。読んで良かったと思える本でした。

  • 研究会の打ち上げ花火的な総合ではなく、誰もが実現可能な及第点を目指す総合をコンセプトにしている。それでも、現場にとっては、準備が大変に感じる面もある。しかし、総合を学ぶ上では、大変参考になる一冊である。

  • 今、総合にトライしている人に寄り添ってくれる本でした。読んだ後、きっと前向きにこれからも進めたくなる、そんな本でした!著者の方は、Twitterでも発信されていて、そちらからも学ぶことが多いです!

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著者プロフィール

1988年生まれ。東京大学大学院教育学研究科にて、秋田喜代美先生に師事、修士(教育学)。研究主任、OJT推進担当を経て、特別活動主任とchrome book活用推進担当に就任。校内の授業改善と特別活動の充実に邁進中。国立教育政策研究所「評価規準、評価方法等の工夫改善に関する調査研究(R1小学校生活)」協力者。

「2022年 『授業で語る―違いから迫る本質論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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