書かない板書―子どもの思考を引き出す「余白」をつくる

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  • 東洋館出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784491047270

作品紹介・あらすじ

「板書を書きすぎているのかもしれない……」
あえて「書かない」ことで、子どもの思考を引き出す板書の余白をつくる


〇授業が終わった時に「書きすぎてしまった」と反省することがある。
〇授業中、子どもの発言をどこまで書けばよいのか迷ってしまうことがある。
〇板書をノートに全部写させるべきなのか悩むことがある。
〇教えたいことを書き残すだけの板書になってしまうことがある。

このようなお悩みを一度でも抱いたことのある方に、解決のための一つのヒントになる考え方があります。

それは、授業のねらいに沿って「あえて書かない」部分を決める「書かない板書」です。


「書かない」ことを意識することで、板書は思考ツールとなる
余白をつくることによって、板書は思考ツールとして有効に働きます。

実は先生方の多くも、無意識のうちに「書かない」場所をつくっているはずです。

「ここには、『子どもの発言』を書いて……」と考えることは、つまりその部分は「書かない」と判断しているということになります。

では、なぜ、そこを「書かない」で、子どもに委ねようと考えたのでしょうか?

そこを「書かない」ことで、子どもにどのような力を付けられるのでしょうか?

「書かない」部分のねらいや機能について、自覚的になるだけでその効果はぐっと高まります。

論理的思考ツールとしての板書の新たな形である「立体型板書」を提案している著者の沼田拓弥先生(八王子市立第三小学校教諭)は「書かない板書」を子どもの思考の働きに着目し、4つの機能に整理しました。

〇関連付け
〇分類
〇抽象化・具体化
〇類推・添加・削除

この4つの機能を意識して、「書かない」部分を決めるだけで板書を通して子どもの論理的思考力を働かせることができるのです。


「書かない板書」の戦略と戦術

「書かない板書」は単純に「教えたいところを書かない」「考えさせたいところを書かない」にとどまる手法ではありません。
手法だけをなぞり、「書かない」だけでは成立しません。
「書かない板書」には戦略と戦術が必要です。そして、戦略と戦術は「練られる」ものです。

効果的かつ意識的に「書かない板書」を活用するには、今回紹介したことのほかに考えておきたい、これまでも論じられてきた板書の課題があります。

これまでの板書の課題から「書かない板書」の授業の様子まで、この1冊で分かります。
本書を手に板書の意味や役割を見つめ直し、「書かない」部分に注目してみませんか?

感想・レビュー・書評

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著者プロフィール

東京都・八王子市立第三小学校教諭
1986 年生まれ。創価大学大学院教職研究科教職専攻修了。世田谷区立玉川小学校、八王子市立七国小学校勤務を経て現職。全国国語授業研究会理事。東京・国語教育探究の会事務局長。国語教育創の会事務局。
著書に『物語の「脇役」から迫る 全員が考えたくなる しかける発問36』(分担執筆)、『「めあて」と「まとめ」の授業が変わる「Which 型課題」の国語授業』(分担執筆)、『「立体型板書」の国語授業 10 のバリエーション』『「立体型板書」でつくる国語の授業 文学』『「立体型板書」でつくる国語の授業 説明文』(いずれも東洋館出版社)がある。
最新の研究・実践はTwitter アカウント(@numataku2525)にて発信中。
[2021年10月現在]

「2021年 『書かない板書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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