教師としてシンプルに生きる

  • 東洋館出版社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784491050485

作品紹介・あらすじ

これからの教育者に大切なことは、自分の持っているものをもっと大事にすること


■本書の概要
「子どもとのかかわり方」「職員室での過ごし方」「ネットでの情報収集」……
人間と関わる複雑な職業「教師」は、シンプルに生きるのが難しい。
「いつも周りの先生の目を気にしながら指導していてとてもしんどかった」著者。
『心配事の9割は起こらない』の著者・枡野俊明師との対談などを通して見つけた、自分らしく教師として生きるための感情のマネジメント方法や、子どもたちとの向き合い方を記します。

■本書からわかること
教師特有の悩みとの向き合い方
本書は、ちょっと疲れている先生が著者です。

  周りと比べてしまう……
  「A先生は、落ち着いて子どもたちに声かけられるのがすごいな」
  「B先生の周りには子どもたちがたくさんいるな」

  子どもたちをコントロールしなきゃ……
  「学級崩壊は小さな乱れから。乱れにつながる行動を叱って一つ一つ潰していかないと」
  「褒めることで子どもたちが良い方向に動くんじゃないか…?」

  承認欲求の塊……
  「公開研究会は晴れ舞台。そこに向けて子どもたちを鍛えないと」
  「行事は比べられる。整列から所作をしっかり統一させて違いを見せつけよう」


  これは、教師のエゴ…? 
  著者は本当に大切にしたいことは何か自問し、「心配事の9割は起こらない」や「無心のすすめ―無駄なもの
  をそぎ落とす」などを著す枡野俊明師を訪ねました。枡野師は、禅のお考えを国内外で広くご発信されていて、
  「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれていらっしゃいます。

「個別最適な学び」「VUCAの時代」「デジタルネイティブとの付き合い方」などの時代における教師の悩みについて、根本の問いを一緒に考えてくださいました。

■「子どもたちが育つ」に関わる教師としてシンプルに生きる
著者・若松俊介の実践と葛藤の日々と、枡野師との対談を経て、若松先生は「『子どもたちが育つ』に関わること」が教師としての第一義だと気づきました。そして子どもたちと付き合っていく具体策と未来の展望を記します。
考えすぎずに考える。自分の長所を自信をもって伸ばす。教師の個性がクロスする学校をつくる。
働き方改革や教育の多様化が進む21世紀初頭の教育界において、「教師としてシンプルに生きる」ことを共に考えていくきっかけになれば幸甚です。
そして、あなたの教育者としてのあり方は、きっと間違っていないと思いますと、伝えたいです。

■こんな人におすすめ
一歩立ち止まって将来を考えていらっしゃる先生。子どもと「人と人」として向き合う方法を問い直している先生。教育について問い直している先生。

感想・レビュー・書評

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  • 教師としてシンプルに生きる。
    読みながら、「うんうん分かる」や「まさに今そうなんだよな」と思いながら読むことが出来た。

    同じにしようとするから無理が生じる
    子どもを育てるのではなく子どもが育つ
    自分の軸を持って、情報を取捨選択する
    子どもを足し算でみる
    個性豊かな子どもたちがその子たちらしく生きられるように発揮できるように子どもたちのハーモニーを大切にする。

    など、心に残った部分が多い。

    自分が子どもを型に合わせようとしているな、周りの目が気になって、大人の願いを押し付けているな改めて感じることが出来た。

    答えを知れるわけではないが、自分の軸の点検のために定期的に読み直したいと思える一冊。

  • 若手の頃の苦悩が詳しく書かれており、現在の私と重ね合わせながら読むことができました。
    私はきっとこれからも子どもたちや教師、保護者との間で多くの苦悩を抱くことになると思います。
    シンプルに生きるというのは、面接の時に何度も考えた自分の原点に立ち返ることも1つではないかと考えました。

  • 教員をやっていると、思い通りにならないことが多い。思ったように指導が上手くいかない。他の先生や保護者の視線が気になる。理想と現実のギャップに悩み、苦しむ。
    そんな中、この本を読むと何だか肩の力がスウっと抜けていく。特に特別な話はしていない。「そっか。これでいいじゃん」となる。
    いろいろな要素にがんじがらめになるけれど、大事なこと(学びとは何か。子どもが育つとは何か。)だけをしっかりと見つめ、自分を見失わないようにしていればいいのだ。
    現実世界の生活に戻るとまたたくさん悩むだろうけれど、そんな時こそ一歩下がって、大事なことと自分を見失わないようにしたい。

  • 中堅に差し掛かった教員が力量形成していく中で色々と悩み、最終的に子どものために何ができるか、子どものためになることは何なのかをシンプルに追求していこうという内容。
    子どものためにという主張を全否定することはないが、その言葉がもたらす功罪のようなものも無視できない。先生側も含めて、みんながよりよく生きていけるような視座?が本当の意味で「こどものために」ということだと思う。
    また、学習指導要領にのっとって指導を行うことは社会のために教育を施していくもので、それがそのまま「子どものため」になるのかどうかということも考えたい。

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著者プロフィール

大阪教育大学小学校教員養成課程教育学コース卒業。大阪府の公立小学校で5年間勤務。現在,京都教育大学附属桃山小学校教諭。「国語教師竹の会」事務局。「授業力&学級づくり研究会」会員。「子どもが生きる」をテーマに研究,実践を積み重ねている。『教師のいらない授業のつくり方』(明治図書)、『教師のいらない学級のつくり方』(明治図書)などの著書がある。

「2023年 『子どもの見方が変わる! 「見取り」の技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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