一俗六仙

著者 :
  • 東洋経済新報社
3.38
  • (1)
  • (5)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492046920

作品紹介・あらすじ

 「1週間7日間のうち、俗世間的仕事はギリギリと絞って1日程度にとどめ、あとの6日間は仙人のように俗世から離れて、自分の本当にやりたいことだけをやる、つまり晴耕雨読的、林住期的暮らしをしたいという私の願望を表現した言葉――私の造語である」(「はじめに」より)。
 日立製作所のトップとして思い切った改革を次々と行いV字回復に導いた立役者。2020年に東京電力会長も退任した。
いよいよ一俗六仙の境地に足を踏み入れた筆者の仕事論と人生論。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 230827039

    日立製作所元会長の川村氏の人生論。企業人としてのラストマンという気概、フラットな思想に共感を覚える。また、一俗六仙という言葉からも氏の人生への取り組み方が垣間見れた。

  • 赤字の日立で社長となり立て直した凄い人。ラストマンという精神を大切にしている。

    企業は現状に満足して守備に入らず、スピードを持って変化するのが大事。

    経営者は情より理を取る。

  •  日立製作所を69歳にて再生に導いた川村元会長の随想録。「一俗六仙」とは著者の造語で、「俗世間の仕事は1日にとどめ、残る6日は仙人のように俗世間から離れて好きなことをやる」という意味とのこと。現在、81歳とのことながら、読書・小唄・スキー・ゴルフ・ハイキング・散歩・瞑想と「六仙」三昧の姿が描かれています。

     これらの「仙」のなかでも、最大の愉しみは「読書」。以前から読書家で知られた著者ながら、哲学・歴史・文学・地理・科学と読まれる分野は幅広く、その知見が全体に散りばめられています(「総論は哲学・歴史、各論は文学」とも)。ビジネス書についての言及はなく古典中心ですが、大企業再生にはリベラルアーツが必須なのかと思わせるほどです。

     「ザ・ラストマン」のラストシーンを飾る「一俗六仙」。早く自分も到達したいと願わずにはいられない一冊です。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

川村 隆(カワムラ タカシ)
1939年生まれ。日立製作所元会長。東京電力前会長。1962年東京大学工学部を卒業し日立製作所入社。電力事業部火力技術本部長、日立工場長を経て1999年副社長。その後、日立マクセルなどグループ会社の会長を歴任したが、日立製作所が7873億円の巨額最終赤字を出した直後の2009年に呼び戻され、執行役会長兼社長に就任。日立再生を陣頭指揮した。黒字化の目処を立てた2010年に社長を退任、2014年には取締役会長を退任。2010~2014年日本経済団体連合会副会長。2014~2019年みずほフィナンシャルグループ社外取締役。2015~2017年カルビー社外取締役、2016~2017年ニトリホールディングス社外取締役。2017年に東京電力ホールディングス社外取締役会長に就任し2020年退任。

「2021年 『一俗六仙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川村隆の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×