新聞の時代錯誤: 朽ちる第四権力

著者 :
  • 東洋経済新報社
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本棚登録 : 45
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492222775

作品紹介・あらすじ

「言論の自由」の名の下にいかに事実が隠蔽され歪められてきたか。インサイダー取引、ねつ造記事等不祥事の続く「聖域」はいかに形成され、そして今、いかに崩れつつあるのか。大新聞の病巣を抉る。

感想・レビュー・書評

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  • 新聞取引特殊指定、再販制度、日刊新聞特例法など新聞を信じられなくなる本。

    糞な業界だってことはうすうす感じていたが、やっぱ残念。

  • 日経新聞のスター記者が自社批判した一冊。著者はこれがきっかけで同社を退社(その後復職)。

    日経新聞の腐敗には興味が無いので新聞記者の働き方の本として読みました。以下そういった視点からのレビュー。

    まず、新聞社の社内人事の詳細はかなり価値があります。
    特に『大誤報をしてもトップが責任を取らなければ「同じ傷をなめあう仲間」として出世の階段を上り詰める。(68p)』とは新聞社の人事評価の見えづらい問題を指摘した部分です。1940年代から再販制度の歴史をたどった7章も白眉と思います。著者の「スクープ 記者と企業の攻防戦」ほど直接的ではありませんが、経済記者として少ない事例から納得できる事例を導く洞察力や歴史の振り返り方まですばらしいと思います。

    ただ、もう一つの著者の主張である「記者はサラリーマン化すべきでない」には首肯しがたいところがあります。
    著者の主張では『(サラリーマン記者とは)スクープを狙わず、夜も寝ずに働き、(中略)抜かれたときに適切な事後処理をして、神妙な顔つきをしている』記者ことです。前半部分は同意できますが、後半部分に難点があります。僕は新聞記者はスクープを狙うことは勿論ですが、安定して質の高い情報を送り届ける、ということも同時に必要だと考えるからです。それまでが「サラリーマン根性」として唾棄され、記者の職責に入らないのであれば、それは記者でなく山師の集団になってしまうと思います。

    そして、こういう問題は、僕は新聞記者ははたして専門職か、という議論に回収できるのだと思います。この点に関して著者は主張が一貫していません。ジャーナリストは『高い倫理観を持つ、非サラリーマン的な』人間であるべき、としながら8章では新聞社も「普通の会社」に戻すべきであるとしています。しかし、「普通の会社」は給与を第一とするサラリーマン社会、と考えるのが妥当でしょう。この点について僕は定まった意見は持ちませんが、検討すべき課題ではあります。

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    *ロジックが通ってるようで通ってない・・・☆‐1
    *新聞社の人事査定の構造がよくわかる・・・☆2
    *Amazonで安かった・・・☆1

  • 田原総一朗への退場勧告―佐高信の政経外科X〈10〉

  • これもマスコミ内部からの告発っぽい本。

  • 再販制度が戦時中の大政翼賛会制度に端を発し、さらにGHQの検閲に協力して生き残ってきたというあたり、なるほど時代錯誤。新聞・メディアが今や政府・官僚同様の、批判されないという点ではそれ以上の特権階級であることがありありとわかる。

  • ★ならず者の集団?★著者によると、ならず者がルールを無視して無茶苦茶な競争をするのでお上に手足を縛ってもらったのが新聞の独禁法特殊指定だという。文化や知る権利とは関係ないそうで、そうならとても面白い。新聞社がジャーナリズムと営利企業の二面を使い分けているという指摘の先を見渡すと、「清貧」以外の乗り越える術はどこにあるのだろう。

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