- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492260746
作品紹介・あらすじ
年功序列には戻れない今、どう成果主義を取り戻せばいいのか。現状。問題点から導入方法まで、すべてがこの1冊に。
感想・レビュー・書評
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得たもの
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日本型の人事制度を「穏やかに」「現実的に」改善する方法が描かれており、非常に参考になる。
感想
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とても良かった。
現在、アメリカなどで流行っていると言われている、緩やかな方向性で目標を握って後は細やかな話し合いで調整しながら最終的に納得できる評価を上司と部下で合意すると言うスタイルに極めて近い提言をしている。
20年前の本としては非常に予言的であると思う。
内容も非常に論理的で納得のいくものであった。
実例としてはメリーチョコレートぐらいしかなかったが、この実例は良かった。
年功制をベースとしながらも、役職者に関しては実力のある人を配置する。
無理に管理職と言うポストにあげることで報酬を上げるのではなく、
技術者手当
専門家コースを作る
事で報いると言うのは実際に現在多くの会社で導入されており、20年前の提言が多くの企業の人事部に影響を与えたのかもしれない。
今回、1番影響受けた考え方の1つにやはり人事評価は絶対評価で行うべきで、相対評価は極力避けるべきだと言うふうに考えが変わった。
あくまでも絶対評価で現場では評価してもらい、もし実績が全然上がっていないのに高い評価ばかりを部下につけているのであればその部署の人事評価者である管理職は重要な能力である適切な目標を掲げ、それを評価すると言う能力が低いと言うことでその部分の評価を低くすることで全員高評価をむやみに上げると言うことをしづらい社風を作るべきで、無理矢理2.6.2の相対評価を強制すべきではないと言う考えが得られた。
いずれにしても、非常にへ読みやすくまた参考になる内容で著者の他の書籍も読んでみようと思う。
メモ
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・原則は年功制で、毎年成績にかかわらず一定の昇給は与えることで社内の過剰な競争対立状態を防ぐ
→全く同地域で、同じような製品を扱い、個人完結するサービスで、その総和が企業の売り上げに直結すると言うような場合は成果主義にしてもいいのかもしれないが、それはインセンティブ性だし、そのような職種であればタクシーなどのようにとっくにインセンティブ制を導入しているのであろう
・原則年功制とは言いつつも、管理職以上になれば業務結果によって報酬に大きな差をつける方向にベクトルを向けてもいいかもしれない。
一般職は業務結果を変える権限を持っていないのだから、まずは、自分で自分の目標を決め、その目標を達成するための手段の自由度の高い管理職以上に目標管理及びその目標達成度に応じたへ大きな評価格差の導入はすべき。
一般社員には原則としては年功的な報酬にすべき。
もし、差をつけるならまずは賞与から差をつけるべき。
・成果目標は数値ではなくアナログなもの、「方向性」的なもの、抽象的なものに留めておくべき。これは現在のシリコンバレーの傾向と同じである。
数字にすると数字にしやすい、業績に直結しないもの、プロセス成果的なものを無理矢理に目標数値として掲げたりしがち。
営業電話を1日10本、と言うのはプロセスとしては良いかもしれないが、それが企業が求める売り上げに直結していないので、これを目標にするのは誤りだが、数値化を必ずしろと言うとこういうものを目標として掲げがち。
・専門技術があったり熟練の知恵がある人は無理に管理職にせず技術手当を与えたり専門職コースに配置したりして無理矢理ポストを増設したりするような無駄な事はしない。
とにかく無駄な管理職ポストを作らない。下げられなくなる。
一旦トライしてみて、マネージャーとしての適性がなければ、激変緩和と言うことでこのような専門コースに配置したり、専門技術手当を与えることで処遇すれば、自分より有望な人間を潰すような事はしない可能性が高まる。
・富士通の成果主義のほうに書いてあったが、やはり富士通の最大の失敗は
「降格できる、ということを入れなかった」
と言うことでこれは私のポリシーと同じである。
一旦、マネージャーになったら降格しないと言うのであれば、どんどん名ばかりマネージャーが増えてしまう。
ただ、入替戦をどんどんしてしまうと、マネージャーが有望なアシスタントマネージャーを潰しにかかってしまうこともある。結局、今日本で行っているような専門家コースを作るか、専門技術者手当を高額にすると言う筆者のアイディアに落ち着くのかもしれない。
・なぜ管理職ではなく、専門コースや技術手当を与えて管理職と言う名前から外さないといけないのか?テクニック的な話をすると、本当のちゃんとしたマネージャーと、部下なしマネージャーが混在してしまうとマネージャー手当てを高額にできなくなる。
マネージャー手当が高額にできれば、抜擢人事でマネージャーにすることも可能である。
また基本給を上げなくて済むので、思い切ってマネージャー手当を高額にすることも可能になる。なぜなら、マネージャーでなくなればその手当を取れると言うことであれば、基本給を上げるように下方硬直性がないので思い切って抜擢人事ができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
富士通をベースに成果主義の論を展開している。
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例の富士通の内幕を書いた著者の第二弾。
非常に主張が明確である。
ある程度企業や組織に属したことがある者であれば、誰でも「成果主義」という幻想が組織力を低下させることは感覚で分かるはずなのに、全ての企業がおかしな方向に向かっている。
成果主義とメンタルヘルス、成果主義と女性問題、成果主義と少子化問題、全てが納得できる。
やはり悪の根源はコンサルか?
2回目
この10数年間進化なしみたいな -
年功序列制度と成果主義、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説.
現代の情勢では年功序列制度は維持できなくなっており、成果主義とは全く無縁ではおられない.
しかし、限られたパイの奪い合いになって負け組のモチベーションが低下したまま人間不良債権となることは組織にとって大きなデメリットである.
管理職に的を絞って成果主義を導入し、一般従業員には成果主義は適用しないのが望ましい.
組織全体の長期的な視野でのメリットを考えて、目先の利益に走らないように気をつけないといけない.(そうも言ってられない時代のようだが)
社員のモチベーション向上をいかにして図っていくのかが組織活性化の大きなポイントだと感じた. -
『若者はなぜ3年で辞めるのか?』が面白かったので、同じ著者のこの本も読んでみました。
成果主義は失敗だ、と聞くことがあったけど、具体的にどういう点がまずかったのかが明らかにされる。
また、ではどのようにしたら良いのかというところも言及している。
例えば、管理職とは別のキャリアパスを作ることにより、年功序列制度を維持しながら成果主義にするなど。 -
2冊連続でこの著者の本を読む。同じ著者の本を何冊か読むと、その人の考えがなんとなく分かる。
年功序列が行き詰まり、成果主義への転換が迫られている。しかし、アメリカ式の成果主義をそのまま取り入れても、日本企業では様々な弊害が生まれてしまう。日本に適応した「日本型成果主義」が必要だという本。 架空の会社が成果主義を取り入れるシュミレーションがあり、具体的で分かりやすい。人事に興味のある人は読んだ方がいいと思う。 -
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4492260749
── 城 繁幸《日本型「成果主義」の可能性 20050415 東洋経済新報社》
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年功序列から成果主義に変えた際のリスクやハウツー本。
私個人の意見は、リーダーがしっかり評価してそのまま反映すれば、良い意味で競争が産まれ、生産性も上がりうまく行くと思う。
実際、今の会社ではそれが出来ているし。
でも、それはベンチャーだからかもしれない。
既得権を維持したがる年寄りが多い古い体質の企業じゃ、ダメなんだろうな。 -
成果主義が蔓延している各企業の現状とその対策について論評された本。
成果主義の導入自体を否定しているのではなく、管理職自身の成果主義の徹底、一般従業員の目標管理制度の緩和、廃止など、成果主義の誤解を解き、解決策を具体的に記述しているところが良いと思います。
大学院の図書館で借りましたがすぐ読めました。 -
こちらも社会学関連のレポートで使いました。
この本はホントに読みやすい。