BoPビジネス戦略 ―新興国・途上国市場で何が起こっているか

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492443712

作品紹介・あらすじ

日本企業は社会課題解決型でまだまだ伸びる。新興市場の経済成長をどうチャンスに結びつけるか、NRI気鋭のメンバーが鋭く切り込む。

感想・レビュー・書評

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  • BOPの概略、主要なステークホルダー、事例が分かりやすく、記載されており、導入本として有益だった。

  • 消費者としてのBOPは消費に対するニーズが多岐にわたっている。、
    電気すら使わない冷蔵庫も登場してきている。
    世界にはBOPが40億人。
    世界のグローバル企業はすでにBOP層までをも第一のターゲットとしてとらえた事業展開を行っている。

  • 日本だとまだまだ商機というよりもCSRの一つとして捉えられがちなBOPだけど、むしろ復活に欠かせない市場としてBOPビジネスの可能性とか実例を挙げてる本。
    日本全体として、BOP市場に注目はしてるけど、成長して所得が伸びてきたところでターゲットにしようという見方が中心で、まだまだ感度が低いんじゃないかなと思う。
    どの例もすごかったけどP&Gやサムスンの例なんかは特に感心させられた。
    こういう視点を持って仕事していきたいな。

  • BOPビジネスの本。最初の定義と意義が包括的で、議論する枠組みが多く、参考になった。

    ①BOPをどこまで含めるか。(p8)
    重要でないようで、企業にとっては、中間層から入るかどうかで戦略が変わって来るので、重要だと思った。p226〜の戦略面の議論においても、非常に重要。※サムスンは底辺からマーケティング

    ②投資家から見た企業のBOP(p76)
    ESGなど、社会的投資を重要視する傾向が強まらなければ、BOPには投資しない。インパクトインベストメントがメジャーになれば、企業の指標も変わるかも。

    ③大企業の研修要請から見るBOP(p261)

    幹部がどのように既成概念に捉われず、戦略を立てられるか。BOPはあくまでそのふさわしい題材の1つだという認識な気がした。

  • BoP(Base of the Pyramid)の把握する上では最適な書です。

    そもそも、BoPとは世界の所得別人口構成の中で、最も収入が低い所得層を指す言葉で、約40億人がここに該当すると言われています。
    全世界で72%という大きな市場です。

    最近は、CSRに近いですが、大企業がアプローチをかけている事例も多く目にします。本書でも、実際の企業の事例が掲載されています。
    ただ、足踏みしているのも事実。(本書も2010年出版)
    ハーバードビジネスレビューでも、事例では取り上げられておりますが、実施面、アプローチ面で課題が大きくあると掲載されておりました。

    ソーシャルビジネスの観点からも注目は集まっているキーワードであると思いますが、今後避けては通れない市場であることに間違いはありません。

    エスノグラフィーの視点もあって、今後BoPや、ソーシャルビジネスを考える上では必須知識になると考えます。

  • BoPビジネスの現状を俯瞰的に把握するには良書だと考えられる。
    少しではあるが、事例も掲載されている。

    私自身、プラハラード氏の論文を読んでいないため、理論としてのBoPを正確に捉えているとは言えないが、この書を読めば理解の下地ができよう。
    日本のコンサルタントが書いている分、しっかりとしたBoPビジネスに対する分析が成されているのが、個人的には、BoPということへの理解をし易くしてくれたのではないかと考えている。

    ノートに備忘録を取っておきたいと思える書。

  • BoP1.0はBoP層を消費者として捉えるが、BoP2.0はパートナとして捉える。既に出遅れた日本企業は早急に現地入りしてゼロから一緒にビジネス創造に取組む必要有り。ビジネス創造へ向けたチェックリストまで掲載されており参考になる。

  • これからの世論に向けて。

  • * BOPペナルティ
    - 利子 600-1000% 53倍
    - 水道 $1.12 37倍
    - 下痢止め薬 $20 10倍
    * Next Billion 1日の所得が$8前後
    * Bottom Billion 1日の所得が$1-2 開発援助の優先度高い
    * BOPビジネス
    - BOP strategy, BOP business strategy, Sustainable business at the BOP, Social Business Inclusive business, Business for Dvelopmentなどが英語
    * C.K.プラハード BOP層の購買力を作り出す3原則 3A
    - 1. 手ごろな値段 Affordable
    - 2. 製品サービスへのアクセス Access
    - 3. 入手のしやすさ Availability
    * BOP1.0
    - BOP層を消費者,一方向,価格を下げる,パッケージをかえる,NGOを仲介役 貧困層の顧客化
    * BOP2.0
    - BOPを事業パートナー,双方向の対話,想像力,共同でコミットメント,NGOにファシリテート, 相互価値の創造
    * ITCグループ
    - チョーパルという電子集会所を開設
    - チョーパルサガールというショッピングモールを運営
    - 農業訓練,農業以外の就業機会に関するWEBを通じた人材マッチング

    * BOPビジネスに取り組む意義
    - 将来の市場開拓,原材料の安定調達,流通チャンネルの強化
    - 製品サービスのイノベーション,人材のイノベーション
    * 3つの方法
    - A. BOP層の所得向上による将来市場の形成
    - B. レピュテーションの向上
    - C. 次世代ビジネスプラットフォームの構築
    - ノキア
    -- インドの農村部 Nokia Life Toolsという携帯電話を使った情報サービス
    -- 農業に関する情報,天気,ニュース,取引価格 月30/60ルピー
    -- 教育 Nokia Life Tools Education services 英語学習,試験情報 月30ルピー
    -- エンターテイメント 占い,ニュース,クリケット,着メロ
    - シスコ
    -- Cisco Networking Academy
    -- 教職者に対するICT教育
    - P&G
    -- 新興国のレピュテーションを重視
    - BP
    -- コンロの開発,バイオマス燃料
    - 食品会社 US マーズ
    -- USAIDと連携し,Sustainable Tree Crops Programs カカオ
    - ネスレ
    -- ミルク 数十万トンが通常だが3000トンの小規模工場にし,人力による運営で設備投資抑制,雇用拡大
    - ショップライトグループ
    -- アフリカ17カ国で1300店舗以上展開するアフリカ大手の小売
    -- 所得順にチェッカーズ,ショップライト,Uセーブを運営
    - IBM
    -- Global Innovation Outlook
    -- NGO CAREとAfrica Financial Grid 携帯電話を利用した遠隔決済
    - MS
    -- Mifos(Microfinance Open Source)を開発
    - GE
    -- ジェフリー・イメルト ハーバードビジネスレビューの論文[GEリバースイノベーション戦略]
    -- コンパクト超音波 中国では肝臓肥大,胆石の発見 アメリカでは救急隊や救急センターにて子宮外妊娠,心嚢水貯留の測定,麻酔用カテーテルの挿入に使用
    * リバースイノベーションはトリクルアップイノベーションとも呼ぶ
    - MS
    -- OneAPP 低価格の携帯向けアプリ Microsoft's Unlimited Potential Groupが開発
    - Cisco
    -- Cisco Leadership Fellows グラミン財団のCFOとして活動
    - IBM
    -- Corporate Service Corps(CSC) 新興国,途上国への派遣制度
    - アスペン研究所 First Movers Fellowship 14ヶ月のフェローシップ
    - アキュメン財団 アキュメンファンドフェローズプログラム
    - IDB Corporate Leaders Programs for Success in Majority Markets
    - ミレニアムゴール MDGs
    - Goal1-8
    - UNDPのGrowing Sustainable Business,(GSB)
    - 世界銀行IFCのライティングアフリカ
    - USAIDのGlobal Development Alliance(GDA)
    - GSBに参加
    -- エリクソン 通信インフラ 1.25$/月へ低下させた
    - ライティングアフリカ
    -- フィリップス LEDランタン
    - GDA
    -- Microsoft ICT教育
    - 日本
    -- 経済産業省,JETRO, 外務省,JICA
    * NPO/NGOとBOPビジネスの意義
    - 事業活動推進のパートナー,モニタリング,ネットワーキング推進
    - グラミングループ
    -- 立教,九州大学とグラミンクリエイティブラボを設立
    --- 教育研究調査,広報出版,インキュベーションなど
    -- グラミングループとスタンフォードでMBAサポート
    -- Bankers without Borders(BwB)でプロボノ
    * インデックス
    - 責任投資原則
    - GS SUSTAIN
    - アキュメンファンド BACO(Best Available Charitable Option)
    * BOP層の製品サービスに対するニーズの特徴
    - 個人利用/世帯利用を想定した非耐久消費財
    - コミュニティ利用を想定した共有財産
    - M-PESA
    - Google Trader 携帯で取引できる
    - チョットクール. インドのゴドレジグループ 5-15度に保つ 3250ルピー 7000円
    - 藤村靖之氏 モンゴルで4度以下になる非電化冷蔵庫 7000円
    - タタグループ 慈善事業に56億ルピー
    - 貧困解決,環境というテーマには資金,人的リソースが増加している
    - 日本も住友化学などいろんな取り組み
    - P&G
    -- 水,PUR(ピュリファイオブウォーター) 粉末の浄水剤
    - フィリップス
    -- 蛍光灯型と学習用型
    - SCジョンソン
    -- スラムの共同トイレに対する清掃サービス,有料トイレビジネス
    - ボーダフォン
    --M-PESA 10名程度のスタッフがCEO直下
    - キックスタート
    -- 灌漑ポンプ
    - セメックス
    -- 住宅拡張サポート
    - コカコーラ サブコ
    -- 流通を担う労働の提供
    - トムソン・ロイター
    -- Reuters Market Light 携帯のSMSで脳秒関連の情報ていよう

    * BOPチェックリスト
    - 商品サービス設計
    -- 性能品質
    --- 現地の社会課題の解決
    --- グローバルイシューの解決
    --- 現地の過酷な環境への対応
    -- デザイン構造
    --- 直感で野理解
    --- 現地での生産メンテナンス
    --- 適正技術の活用
    -- 価格
    --- 利用促進を優先
    --- サプライヤーの利益を確保
    --- 継続性を確保できる
    - ビジネスモデル構築
    -- 市場理解と持続可能性の確保
    --- 人々の行動,習慣の理解
    --- 潜在的ニーズの引き出し
    --- 購買力の拡大
    --- 他のステークホルダーの理解
    --- 環境,社会上の継続性の確保
    -- 発展可能性の設計
    --- 先の先を読む拡張性の確保
    --- メリットの教授によろう拡張性の確保
    --- 展開力の確保
    --- 事業の継続性の確保
    -- これまでとは異なる人材の活躍
    --- 現地で信頼されている組織との連携
    --- バリューチェーンの確立
    --- 人々の能力の向上
    --- 共有目標の明確化
    --- 公明正大なビジネスモデルの確立
    - ユニリーバのシャンプー事業では45.5%の粗利益のうちユニリーバは14%,他はサプライや
    * 価格設定
    - 小分け,リース
    - 収入による変化をつける
    - B2G,B2N, B2Cとの組み合わせ
    * 調査方法
    - トムソンロイターはエスノグラフィ
    - SCジョンソンはコーネル大学と参加型農村調査(PRA:Pアr致死パとryRural Appraisal)
    - サムソンは地域専門家派遣
    * 拡張性
    - マイクロエンタープライズ,マイクロフランチャイジング
    - HPはCEO交代でチーム解散,デュポンもストップ,個人的な取り組みから組織的な取り組みへ
    * BOPビジネスに着目する背景
    - 低下する国内市場,新興国・途上国の成長
    - UN-HATHBITATによると2000年以降2憶2700万人がスラムから脱している
    - サムソンは先進国依存度が低い
    - ローカルグロースチームの5原則
    -- 地域への権限移譲
    -- ゼロベースの製品開発
    -- 独立した組織
    -- 独立した事業目標,業績評価基準
    -- 経営陣の直属組織
    * BOPビジネスを担う人材の条件
    - 目利き力,起業家力,マルチコーディネート力
    - アメリカピースコープ出身サムゴールドマン D.Lightを創設
    - Voluntary Service Overseas出身ニックムーン キックスタート創設
    - IBM Corporate Service Corps
    -- 応募者から優秀な人材を選抜
    -- 事前研修3ヶ月
    -- 現地社会貢献プロジェクト1カ月

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著者プロフィール

サステナビリティ事業コンサルティング部カーボンニュートラル戦略グループマネージャーの稲垣彰徳氏を中心に執筆。

「2022年 『カーボンニュートラル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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