知識創造企業(新装版)

  • 東洋経済新報社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492522325

作品紹介・あらすじ

1995年に英語で発表されたKnowledge-Creating Company(邦題『知識創造企業』)は、経営学の分野に知識というコンセプトを持ち込み、日本企業のイノベーションのメカニズムを解明した一冊である。同書は世界10カ国語以上で翻訳され、ナレッジマネジメントブームを巻き起こすなど、世界のビジネスの現場にも多大な影響を及ぼした。個々人の暗黙知から組織の形式知へと変換し、イノベーションに高めていくプロセスは、「知識創造理論」「SECIモデル」として、世界の経営学でもよく知られている。四半世紀を経て、このたび読みやすくなって再登場。

感想・レビュー・書評

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  • SECIモデルとしても有名な知識変換モデルを中心に個人の知識創造をどのようにして組織として増幅し、組織的知識創造を行なっていくのかという理論の提示と実践方法の提案を行っている。
    この本を読むと「どのような知識変換に基づく知識創造が行われているのか?」という目線でさまざまなものを見れるので面白い。
    一方でいくつか出てくる事例が90年代の日本企業であるため2023年現在から見ると隔世の感がある。ただ、それについても現在世界のトップを走る企業ではどのような知識が創造されているのかという視点で見ればそのような事例はものの見方の具体例ととらえられると思う。
    全体のうち4割程度は理論の裏付けのための事例や説明のための具体例なので400ページ超の経営理論の本の割には読みやすいと思った。

  • 野中郁次郎先生の代表的な著書。
    日本発で世界的に広まったマネジメント理論ということで読んでみた。
    有名なSECIモデルについてと、それを活用するための組織作りの仕方や事例が書かれている。

    500ページあるので後半は若干冗長な感じはあることと、30年前の話であるため読む人を選ぶところはあるが、今にも通じる内容である。

    一方で、30年間で実際にうまくこのシステムを実装できた企業はほとんどないだろう。
    続編のワイズカンパニー(2020発行)も読んでみて、それも含めて改めて評価したいところ。

  • かなり学術的な表現になっていて、長い時間をかけて読み込んで腹落ちさせないと、オーディブルレベルで流し聞きする程度では意味は薄い本だと思った。トップダウンでもボトムアップでもなくミドルアップダウンマネジメントアプローチとか面白いけど大変だなと思った。国際的な大企業のヒット商品誕生の事例分析は分かりやすかったが、では自社でどう取り込んで実践できるかと考えると、うーんと思ってしまった。初版は四半世紀以上前に出たこともあって、事例も古く、現在の(自分がいるような)IT企業としては国際間の協調とか参考にすべきところもありそうだけど、だいぶ事情も変わっているのでは...と思った。

  • 日本と欧米との違い、それぞれの強み、を少し古めのケースを元に立証している論文形式の本。
    参考になる部分もあるが、僕が読んだタイミングの問題なのか、本の分量の割に発見は少ない

  • 私が2020年に読んだ本の中ではベスト。
    SECIモデルは有名だが、それでも以下の理由によりこの本は読む価値があるといえる。

    ・日本人の経営学者が日本企業の事例によりモデルを確立していること。
    ・いずれの事例もいきいきしていること。
    ・この本をよむことによって初めてナレッジマネジメントの本質を会得でき、SECIモデルを意識した活動ができること。

    私も対して経営書を読んでいるわけではないが、それでもこの本は現在出ている経営書の10指には必ず入るはず。

  • 「ワイズ・カンパニー」がでたのにあわせて、新装版がでたので、久しぶりに「知識創造企業」を読みました。20年ぶりくらいかもしれない。。。

    最初に読んだときは、前半の理論的部分は難しいし、後半の事例とか、企業へのインプリケーションの部分は、少数の事例しかでてこなくて過度に一般化されている感じがして、今ひとつ、ピンときませんでした。

    今回、あらためて読んで、後半部分の事例は、実証的なものではなくて、未来にむかって役に立つかもしれないヒントみたいなものなのだと思い、ちょっとなるほどと思いました。

    一方、前半の理論部分は、ちょっと大雑把すぎるというか、この研究の世界的な独自性を強調したいがために、他の理論の問題を批判して、そうした理論と知識創造理論の差を大きめに言い過ぎている印象はあって、やはり今ひとつだと思いました。そして、ここまで難しく書く必要もないと思って、やはり、あまり共感できませんでした。(ちょっと気負い過ぎかな。。。)

    そういうなかで、センゲの「学習する組織」に対しても、似ているところはあるとしながら、結構、厳しい批判をしています。主な論点としては、
    ・「刺激ー反応」という行動主義的コンセプトにとらわれている
    ・個人としての学習というメタファーを使っている
    ・組織学習は適応のための受動的変化としている
    ・ダブルループ学習は外部の専門家の介入を前提としている
    といったことをあげていて、いずれも?な感じがします。この辺のところは、旧世代?の行動主義的な組織開発手法への批判をセンゲにもそういうとこあるよね、と強引に当てはめている印象があります。

    「知識創造企業」の第2章は、哲学的な認識論からスタートして、経営学の既存の様々なパラダイムを批判的にレビューしているのですが、自分の理論の独自性を伝えようとするあまり、ちょっと言い過ぎているところが多いです。この章はなかったほうが良かったんじゃないかと思いました。

    そういう理論的な混乱(笑)をわきにおいて、イノベーションという観点から、純粋にSECIモデル、ミドルアップアンドダウン、ハイパーテキスト組織といったコンセプトだけをみれば、やはりこの本から学べるところはあると思います。

    もちろん、この段階では、コンセプトしかない段階で、その後、さまざまな実践がなされ、今、それが「ワイズ・カンパニー」とか、「全員経営」、「共感経営」になっているわけなので、これはこれで、大事な本ですね。

    たしかに、アイスブレーキングな本ではあるのでしょうが、現時点で読み返すと、ちょっと辛い感じもあります。

  • 世界的な権威、野中郁次郎先生の名著。
    海外で生まれた経営理論が多いなか、本著は日本人の経営学者が提言した、日本の文化に根ざした経営理論というところに価値があります。またそれは、私たち日本人が世界に誇れるものでもあると感じます。

  • SECIモデルについての実例などを用いて説明されている。
    前半の哲学的部分と実例が30年前のことなので読みとばすところが多い。
    そんなことをすると1時間で終わった

  • 所在: 展示架
    請求番号: 336 || N95
    資料ID: 12300408

    成功している企業(~1990年代)がどのように知識を創造していたのかその手法を知ることができる。

    選書担当者 : S

  • 小難しい書き方の本だった。

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著者プロフィール

野中郁次郎
一九三五(昭和一〇)年、東京に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。富士電機製造株式会社勤務ののち、カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)にてPh.D.取得。南山大学経営学部教授、防衛大学校社会科学教室教授、北陸先端科学技術大学院大学教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。著書に『組織と市場』、『失敗の本質』(共著)『知識創造の経営』『アメリカ海兵隊』『戦略論の名著』(編著)などがある。

「2023年 『知的機動力の本質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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