- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492558225
作品紹介・あらすじ
職場のストレスが高まる!
意見やアイデアが飛び交う!
生産性&成果がアップする!!
注目のマネジメントキーワード
「心理的安全性」を高めるための
「考え方」と「行動」がこれ1冊でわかる決定版!
Google元アジア・パシフィック人財・組織開発責任者が
日本のビジネスパーソンのために書き下ろした
「チームが最高の成果を生む61の鉄則」
感想・レビュー・書評
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管理職の人は必見。職場全体の生産性を上げるために、マネージャーとして必要な鉄則が沢山記載されている。ぜひこの本を読んで、研修などで受検した性格アセスメントの結果を、ご自身の「取扱説明書」としてチームメンバーに配布のうえ、1on1を沢山取り入れて欲しいと願う。自分がそのような立場になる可能性は今のところ低いのだが、もしなった場合は絶対に実践したい。
数年前までの私は、職場の心理的安全性をぶち壊す典型的な問題児であった。残業時間は部署の中でダントツに多く、36協定も違反していたし、何回も体調を崩して、常に愚痴っていた。職場で大きい声を出したこともあった。これでは、どれだけ成果を出しても、評価が低くなるのは当然である。
ただし、人間だからこそ、ケアをしてあげなければ、頭で分かっていても、多忙のあまり精神は少しずつ壊れていくものではないのだろうか?過酷な環境を、「タフアサインメント」の一言で片づけて良いのだろうか?(私の言い訳だろうか)
この本を読んで、あの激務だった時期に、毎日抱いていた負の感情を思い出した。
・自分のSOSは誰にも聞いてもらえない。
・上司や先輩に意見を言っても無駄。いじられるだけ。
・自分の忙しさは、どうせ誰も分かってくれていない。
・とにかく腹が立つので、SOSをPRしたい。
心理的安全性が保障されていない、そして評価の軸が曖昧な職場だったのではないだろうか。まあ、自分が得られなかったものに対して、今更クヨクヨしても意味は無い。むしろ自分は、心理的安全性を求める立場から、心理的安全性を「お膳立て」する立場になるのかも知れない。そうやって自分を前向きに奮い立たせ、明日も通勤するしかないのだ。 -
最近読み続けている、「心理的安全性」に関する一冊。相手を役割として捉えるのではなく、一人の人間として接し、対話することが大切。上司にも、同僚にも、部下にも読んでもらいたい一冊でした。
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とてもわかりやすかった。
仕事をする上での心理的安全性の重要性が具体的に説明されていた。
心理的安全性を高めることが最終的に仕事の成果へ、個人の成長につながる仕組みが良くわかった。
日々の仕事に、家庭生活に、子どもとの関係に活かしていくことができそう。 -
職場の心理的安全性を高めるために、リーダーが気をつけることが、分かりやすく書かれていた。(ポイント部分がマーカーされている。)基本的な部分も書かれているが、多くの日本の職場では、そのことが実現されていないことも痛感。「ハラスメント」を気にするあまり、ただただ優しい上司では、チームの成果は得られない。「優しさ」<「支援」。
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ダメ出しになりがちな「フィード・バック」に対して、予め失敗しやすいポイントを共有することを「フィード・フォワード」というのを初めて知った。グジパチさんが所属していたGoogleの心理的安全性を醸成するための試みが紹介されている。何度も読み返したい一冊。
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「心理的安全性」が職場でも大事だよね、と誰もが言うようになった昨今、どこかでお薦めされたこの本を読んでみた。心理的安全性の第一人者のエイミー・エドモンドソンの本はすでに読んでいるが、やや実践に寄った本も読んで知識補完するのもよかろうという目的。
著者が、ピョートル・フェリックス・グジバチという名前だったので、てっきり翻訳ものかと思ったら、日本でベンチャ企業を立ち上げた起業家で、日本のビジネス文化にも沿った内容にもなっている。
本書は第一部 理解篇、第二部 マインドセット篇、第三部 実践編、と言う構成になっている。
【理解篇】
理解篇では、エドモンドソンの主張に沿って「心理的安全性とは何か」が解説される。
「対人関係においてリスクのある行動を取っても、『このチームなら馬鹿にされたり罰せられたりしない』と信じられる状態」だとエドモンドソンは心理的安全性を定義する。怒られる心配がない単にぬるま湯につかったような組織ではないということでもある。相手を傷つけないことが心理的安全性が高いわけではない。かえって心理的安全性は、意見の対立を促すべきものなのである。
著者は、心理的安全性の本質を、「自分にも相手にも誠実であること。それによって一時的に対立が生じたとしても、相互理解が深まり、人間関係が構築されていくこと」だとする。そのためには、多くの企業で掲げられているパーパスやミッション、ビジョン、バリューを明確にしておく必要があるという。単に題目のように唱えられているだけでなく、そうした構造について腹落ちした明確な理解を共有しておかないと心理的安全性が保たれた組織にはならないというのが著者の主張である。目的や目標を言葉で明確にすることで、ハイコンテクストな対応、つまり忖度がなくなるのである。
心理的安全性を確保するために重要なこととしてもうひとつ著者が挙げることが「人」と「タスク」を区別し、「人にやさしく、結果に厳しく」のアプローチである。これが心理的安全性の土台になるという。また、その人にとって、「自分に居場所がある」と感じられることが重要だという。その意味で、一般的に個人に対して厳しいと考えられている外資系企業の方が心理的安全性が健全に保たれている場合が多いという。マネージャ(管理職)は、「人」を管理するのではない、「プロセス」を管理するのであり、その先にある「結果」を管理するのだ。「人」に対して使うべき言葉は「管理」ではなく「支援」だと著者はいう。メンバーが最高のパフォーマンスを発揮するための環境を整えることこそがマネージャの役割なのである。そして、これは当然のことだが、マネージャ、特に中間管理職層の心理的安全性が確保されているのかどうかが、組織の心理的安全性が確保されるかどうかに大きな影響を与えるのである。
以上、理解篇で挙げられた心理的安全性に関する内容は、エドモンドソンの本の内容にも沿った上で、適宜分かりやすく別の言葉でまとめられたものになっている。
【マインドセット篇】
まず大事なこととして自己認識とそれに関わる相互認識を挙げる。適性がない仕事、もしくはやりたくない仕事の職場で心理的安全性を高めることは難しく、成果が出なければますます心理的安全性は下がっていく。自分が最も力を発揮できることに集中することがとても大事になってくるのである。そのためには、パーソナルブランディングの確立の重要性を強調する。自分の得意領域や価値観、信念、期待感を周りに伝えていくことによって、心理的安全性は確保され高まっていくのである。そして、その逆として、相手の価値観、信念、期待感を認識し、尊重することが大事であり、それが実現されているような組織を目指すべきなのである。
そのために、マネージャは自ら積極的に弱みも失敗も含めて自己開示をしてくことが重要になる。その上で、メンバーに興味をもつことが推奨される。メンバーと相対するときには、確証バイアス、ナイーブ・リアリズム、過剰自己評価、親和性バイアス、楽観主義/悲観主義バイアス、などのアンコンシャスバイアスを謙虚になって排除して相手を理解しようと努めないといけない。
心理的安全性とは何かを理解した上で、どういった関係性を築いていくのかが組織構築のコンサルタントらしくまとめられていると言える。
【実践編】
実践編では、マインドセット篇で整理をした組織内での関係性をどのように実現していくのかの具体的な方法が示される。管理職としてのコミュニケーションと目標管理のスキームがそれである。
心理的安全性を保つには目標設定のスキームとしてOKR (Objective & Key Result)を薦める。本人にとって望ましい目標は、望んでやりたい目標であり、かつ努力しれば達成できる目標である。OKRについては他にも詳しい本がいくつもあるが、高くかつ意義のある目標をいかに設定するのかと、それをどのようにフォローしてフィードバックして回していくのかが簡単に説明される。
【まとめ】
本書に書かれていることはひとつひとつは意外なことは書かれていない。心理的安全性についてもとてもオーソドックスなものであるし、そこから導かれたコミュニケーションメソッドも無理のない道理の取れたものである。そしてまた、それらを実践することは自らを振り返ってみてできていないことでもあることは確かである。ここで、それはわかっているとして納得するのではなく、その実践が難しいこと、実践できていないことが多いことを謙虚に認識して、それを実践するためには自然にそういった行動ができるようになるまで自らに腹落ちさせることだと理解した。そのためにどうするのか、が頭を使って考えることなのだろうと思う。
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『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』(エイミー・C・エドモンドソン)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4862762883
『チームが機能するとはどういうことか──「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』(エイミー・C・エドモンドソン)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4862761828 -
ラポールがあれば言葉の使い方はそれほど問題にはならないというのは確かにそうだなと思いました。また、マイクロアグレッションについても言及があり確かにそうだなと思いました。ハラスメントがこれだけ浸透して明確に問題と扱われるようになってのち、それらは判断が難しいマイクロアグレッションに移行してきているように思います。そしてそれらは明確に診断することが難しくても、ラポールの構築に関わらずその場面に遭遇したら皆ある程度わかるように思います。そのイライラだったり人を見下しているというネガティブなエネルギーは言葉じりや表情からあふれてくるので。それってアンコンシャスバイアスで本人が自覚したら治る。というのとは明確に違うかなぁと思います。その辺は明確に分けておかないとそういったことに直面してる人々にいくらサポートするような対応をしてもポジティブバカと見做されかねないので気をつけたいなと思います。
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もはやバズワードと化しているような気がする心理的安全性について、やさしく解説した本。
冒頭に出てきた「提案に対していいね!(nice)としか言わない先輩や上司に対してきちんと見てくれていないと感じて心理的安全性が下がる」という例を見て、まさに同じことを感じていたので興味を持って読み始めた。
構造の明確化とか人と成果は分けて評価するとか、基本中の基本のようなことが書かれており、大きな視点で新しい発見は無かったが、実践的な記載が多く見られた。
しかし最後に「日本文化は心理的安全性が低い」という唐突な伝統文化の否定が入ってきて驚いた。日本文化ってそこまで変なんでしょうか……。
・ミッションや目標設定や評価基準などの仕事の構造をしっかり定めるべき(利己的に行動し始めるから)
・成果と人を分けて成果には厳しくしても人へのねぎらいを忘れない
・価値観や信念などを言語化して自己認識と自己開示をして自分のことを理解してもらう
・相手に興味を持って、話を聞く内容もタイミングも場所もペースも相手起点で考えて、相手の情報を得るための実験を繰り返す
・「無条件の肯定的関心」
・どんな失敗が許容されるのかを事前に明らかにしたり、障害物をあらかじめ知らせるフィードフォワードをする
・ネガティブなフィードバックは一度に一つまで
・「やりたい」は「やるか、やらないか」に変換してあげる。そのためにタスクを明示して行動をサポートしてやる
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やっぱりチーム作りは面白い分野だ。非常に参考になる話がてんこ盛り。人に優しく、結果に厳しく!
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心理的安全性に関するマネージャ向けの本です。マネージャ向けではありますが、「はじめに」に記載されているの考え方はフォロアーにも読んでもらいたい内容です。
実際に心理的安全性を高める取り組みをする際、「はじめに」~第1部「理解編」をそのまま要約してチーム内に展開しようと思えるほどまとまっています。
第2部「マインド編」、第3部「実践編」はマネージャ自身が心がける内容になっています。
著者の本は初めて読みました。海外の方と思うのですが、日本の会社の実情をよく見られているなと感じられました。
心理的安勢性をぶち壊す問題児というのがすごいですね…
最近は、1on1の実施で、聴講を心がけていくこと...
心理的安勢性をぶち壊す問題児というのがすごいですね…
最近は、1on1の実施で、聴講を心がけていくことは、ものすごく流行ってきていますね。喫煙所で気楽に会話していた雑談がなくなったり、オンラインの実施でリアルに顔を見ることが減ったりと、変化していることが多いんでしょうね。
人材マネジメントの講義の中では、関係の質から、両者でスタートしていかなければいけないと強く言っています。
1.関係の質 互いの価値観を理解し尊重し合う
2.思考の質 共に考えることに面白さを感じる
3.行動の質 自発的に行動していく
4.結果の質 成果を得る
いろいろとフレームワークのようなものがありますが、上にいる人は、メンバーが望むものをしっかり理解して、望む方向に導いていかなければいけないですね。
まさに黒歴史の一部ではありますが、ようやく会社への不満を感じなくなり、過去の失...
まさに黒歴史の一部ではありますが、ようやく会社への不満を感じなくなり、過去の失敗を冷静に分析出来るようになりました。
管理職たるもの、「手を動かさないこと」は決して楽ではなく、代わりに求められる要素は難易度が高いですね。
チームメンバーと程よい距離感を保ちながら相互理解を進めること、そのうえでチームとして結果を出すこと。今後も学びながら実践していきますm(_ _)m