財務コーチング: 最少のエネルギーで財務の要諦を押さえる85のポイント (アクション・ラーニング・シリーズ)

著者 : 伊藤洋

• 東洋経済新報社 (2003年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[ジャミラさんの感想 · 2010年11月17日]

コーポレート・ファイナンスの入門書。電卓と鉛筆を用意しましょう。

めっちゃ分かりやすい、それだけでこの小難しい分野の入門書としては素晴らしいと思う。
前半はアカウンティングの基本的な知識について本書に必要な範囲で説明している。このへんは非常にとっつきやすい。そして、ここで説明した知識、考え方が最後まで本書を貫いている為、本題のファイナンス部分の説明もすんなり頭に入ってくる。
今まで実務上目にしていながらも、「計算式はググって分かったが、具体的に何を計っているのか、何のために計っているのか」よく分かっていなかった、DCF法やNPV、IRRといった概念も、何だこんなことだったのかと膝を打った。

また、財務指標を良化させることは事業活動の主役でないという、当たり前だけど大事なことをしっかり念押ししている点も好ましい。

本書を足がかりに、もう１冊もう少しレベルの高い類書を読めば、財務・企画部門以外のビジネスパーソンの理解としては十分ではなかろうか。