まず、ルールを破れ: すぐれたマネジャーはここが違う
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2000年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532148676
感想・レビュー・書評
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リーダーの本棚
フィデリティ投信社長 チャック・マッケンジー氏
日本経済新聞 朝刊 読書 (27ページ)
2018/3/3 2:30
社員の力を「才能」と「技能」と「知識」の3つに分け、「才能」は教えることができないと指摘します。要は配役の問題です。その人が持つ才能が生きる役職を見つけ、社内にないなら、社外に見つけさせるのです。
部下が最大のパフォーマンスを出せる環境にあるかを問う質問が有用。
文章はいたずらに長く、
半分のページ数で語れるはず。
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(K) できないことを必至になってできるように指導することよりも、本人が持っている才能を引き出すマネジメントをした方が組織として成果が出るということを説いた本。よくスキルチェンジということを口にするが、スキルと才能は違うわけで、異なるスキルが要求される仕事でも、適応できる才能を持っていれば上手くやっていけるはず。そう思うと、個々人が持っている才能にフォーカスして組織を作っていくというのは大切だということはわかるが、その才能を見抜くのはそう容易ではない。本書は、それをガイドしてくれる。今自分が組織に対してやっていることにムダはないかを見直す良いきっかけを与えてくれる本である。
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マーカス・バッキンガムの最初の本。
「叩いて伸ばす」が自分の教育信念だったが、そのような考え自体が古いらしい。
新世代が中間管理職を占めるにつれ、「上官役としてのマネジャー」の姿は次第に消えつつある。
『まず、ルールを破れ!』というタイトルは、この自分の考え方自体を破れ!と直球で述べている。
「個人個人の才能をほめて伸ばす」コーチになれと…
がんばるしかない。
固定観念を壊すしかない。
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ギャラップがインタビューしたマネジャーたちは、従業員の進歩は、彼らの弱みを補強するのではなく、彼らの本来の強みに焦点を合わせることによってはっきりと現れる、と口をそろえて認めていた。
この調査から、管理者の意識が、従業員を役割に当てはめるというより、従業員のためにふさわしい立場を見つける方向へ変化していることがわかる。
「コーチ役としてのマネジャー」という表現が、バッキンガムとコフマンの発見をもっとも的確に形容している
健全なキャリアを積むためのエネルギーは、売り物になる経験を数多く積むことではなく、すでに備わっている才能を発見することから生まれる
従業員に本来携わっている才能とそれにふさわしい仕事を結びつければ、目覚しい成果が生まれる
才能は公平に分配されているわけではないが、誰もが特有の技術や能力を持っている。従業員の可能性を最大限に引き出そうとするなら、マネジャーも変化しなくてはいけないのだ -
調査会社が100万人の従業員と8万人のマネージャーへ行ったインタビューから浮かび上がる、優れたマネージャーの思考パターンを明らかにする。
「己の欲する所を人に施せ」。優れたマネージャーはこのルールを破るという。なぜならば「人はそんなに変わりようがない。足りないものを植えつけようとして時間を無駄にするな。その人のなかにあるものを引き出す努力をしろ。それこそが本当に難しい。」というマントラを彼らは持っているからだ。そんな彼らは時間をかけて部下の研究をしようとする。例えば遅刻魔がいたとしたら、怒るのでもなく、放置するのでもなく、遅刻する理由を先ずは聞く。
部下の「才能」に注目する。そしてその才能に適した「配置」を考える(それが自分のチームや会社でなかったとしても)。そういう行動特性があるという。 -
ギャラップ社のマーカス・バッキンガム氏、最初の一冊。バッキンガム氏はどの本も良作。
ギャラップ社が調査した100万人以上の従業員、8万人のマネージャーの中から優れたマネジャーに共通する内容を抽出し、事例とともに内容を紹介。
優れたマネジャーに共通する内容とは、「ルールを破る」=「伝統的常識に囚われない」こと。
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マネージャの仕事4つ
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・人を選ぶ
・要求を設定する
・動機づけをする
・育てる
部下選びについての陳述は日本では当てはめにくいと感じた。クビにすることもできず、人を選ぶことが困難なベンチャー企業では再現性が低い。
才能に恵まれた子を選べないなかでどうするかを考えなければいけない。
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マネージャの部下の育て方
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・部下選び: (○)才能 (×)経験、知識、やる気、意志の強さ
・仕事: (○)目標と成果を明示 (×)正しい手順を明示
・育成: (○)長所を伸ばす (×)弱点を克服させる
・昇進: (○)強みが活かせる場所と報酬を探す (×)後押しする
「本当はどのような才能を探しているか」マネージャーは常に自問自答せよ
成果を適切に定義するというのは、ゴールは明確にするが手段はメンバーが自分なりの道筋を見つけるようにしむけるということ。
強みに適した場所を探し当てるというのは、ありきたりなキャリアパスではなく、誰もが英雄になれる場所を提供するということ。
人は他人によって変えることはできない。足りないものを植え付けようとして時間を無駄にするな。
中にあるものを引き出すことにフォーカスしろ。
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メンバーに以下質問を行い、すべてYESと応えられるようにマネージャーは努力する
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・仕事上で自分が何をすべきか、要求されていることがわかっているか
・自分の仕事を適切にすこうするために必要な材料や道具箱が揃っているか
・毎日最高の仕事ができるような機会に恵まれているか
・最近一週間で、仕事の成果を認められたり、ほめられたりしたことがあるか
・上司や仕事仲間は自分を一人の人間として認めて接してくれているか
・仕事上で自分の成長を後押ししてくれている人が誰かいるか
不安と戦う必要のない職場にすることが最強。この書籍が出版された数十年後に「職場の心理的安全性」という言葉が流行っているが、ギャラップ社の調査ですでに明らかになっていること。
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面談で聞くべき内容
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・どんな行動をとったか
・どんなことを発見したか
・どんな協力関係を築いたか
・あなたが今一番力をいれていることは何か
・どんな新しい発見をしようとしているか
・どんな協力関係を新たに築きたいと考えているか
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マネージャーは常に舞台に立っている
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・上からも下からも見られる立場である
・意欲、愛情、信頼、そして人格のパフォーマンスに留意する
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自分の時間は優秀な部下と過ごせ
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・生産性の高いと思う5人、最も多くの時間を過ごす5人を書き出す
→これが一致していなければ危険。生産性の高い5人と時間を過ごせ
・様々な理由があるが、生産性の高いメンバーは「あなたの仕事を理解している」ことが最大の焦点。そのメンバーと共に仕事することがあなたの生産性をも上昇させる。あなたの生産性が高いのであれば、さらに引き上げれることに繋がる。
・部下と業務外での時間を過ごすことで、立ち位置が曖昧になるなんて考えるのは時間の無駄。もっとも重要なのは相手を知り、信頼関係をつくり、生産性を高めることのはず。 -
人材観は、人はそんなに変わりようがなく、足りないものを植えつけるのは時間の無駄。努力、考える、人づきあいの3カテゴリの才能を元に人材を選び、強みを活かす職務につける。
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マネージャーには目からウロコの良書だと思う。
部下に公平に接する、できない部下に時間をさく。
日本企業のマネージャーはこうなりがち。
しかし、優秀なマネージャーはこの説を真っ向から否定するという。
久々にマネージャーをやりたくなった苦笑 -
内容はとても参考になる。
才能に注目し、強みを活かす。
以下のため、読むこと、内容を整理して理解することがやりにくかったため評価としては満点ではない。
・説明、事例が冗長
・文章の表現としてまとめやポイントがやや分かりにくい
(フォントサイズを変えるとか、章の最初/最後にまとめるとかといったことがなく事例の中に埋もれているため、読み返した時に広い範囲に目を通すことになる)