- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532162443
作品紹介・あらすじ
驚天動地が日常茶飯事。途方もなく過激で、底なしにズボラな人々の棲む国をまるはだかにする、爆笑エッセイ。
感想・レビュー・書評
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この本を読んで、最も悔しかったこと。
それは自分が下戸であるという事だ。
アルコール度数40%の酒に耐えられる体であれば、
ロシアという国がもっと身近に感じられたであろうと歯噛みした。
そんな下戸であり、ウォトカ(この本をよめば、きっとウォッカのことをウォトカと呼ぶことにしようと思うはず)の良し悪しもわからぬ私でも、充分に面白いエッセイだった。
とくに米原さんの食物に対する、情熱と愛情は素晴らしい。
読んでいる方ですら、垂涎せざるをえない熱意に感服し、
『旅行者の朝食』を本棚に加えるのであった。 -
市図書館。
購入したい一冊。
米原さんの文才に惚れた(惚れてる)。 -
ロシアを知るべく、読んでみた。
書かれた時代としては、今より十数年から20年近くも前なので、現在のロシアとは随分違っている部分もあるだろう。
ただやはりここでも、その公共のトイレの凄まじさについては言及されていた!椎名誠氏の著作から引用しつつ、自身の体験を交えつつ、それでも本当のオソロシサは決して伝わるまい、と豪語(?)。ああコワイ。逆に夫は「一度くらい、公衆トイレ見に行ってみるか」などどチャレンジ精神を発揮していたが…私はやめとこう。
ロシア人のユニークさは他の本でも読んだ通りだが、「ロシアの小咄」はまたちょっと面白かった。一冊の本(ロシア小咄集「独裁者たちへ!!」名越健郎訳)にまとまっているようだから、いつか読んでみよう。
それらの抱腹絶倒のロシア人エピソードも楽しく、ゴルビーやエリツィンのエピソードもそれはそれでとても興味深かったのだが、中身の半分以上は、ロシアという国の歴史的政治的背景の理解があって初めて楽しめる、素養の要求される内容だった気がする…。
ということで、私個人としては、自分の教養不足を痛感した本であった…残念。 -
主にエリツィン時代のエッセイ。ゴルバチョフからエリツィンへ、混迷期のロシアの迷走ぶりが描かれている。
相変わらず著者のテンポの良さが際立っているが、ちゃんと政治的なことも書いてある。でもやっぱり筆は控えてたのかも、と今は思う。
ガサツで率直、酔っ払いの「しろくま」と揶揄され、愛されもしたエリツィン。
個人に信条はあまりなく、そのときどきの国民の心情を読み、それを表現することに長けていた。基本、自尊心が異常に高く、激情家。喜びも大げさだが、恨み節も骨の髄まで達するらしく、ゴルビーとの確執は有名だった。
徐々に、イエスマンだけをそばに置き、彼を取り巻くオリガルヒ(新興財閥)が末期には政治を取り仕切るようになった。自らの帝国を維持する目的で後任に据えたプーチンが、まさか自らの帝国を切り崩し、「強いロシア」の号令の下、エネルギーを武器に崩壊した祖国を再編成していくとは思わなかったんだろうな。プーチンを後釜に据えたのは誤算だったのかどうだったのか…。
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とにかく、ウォッカがロシアの気質と政治を支配するという内容。
実際、ロシアの方と個人的な関係がないので、イメージ皆無の中で読んだが、なかなか面白い。
ただし、最初のころに書いてあるトイレの猛烈な汚さの描写には驚くばかり。今は少しは改善されているのだろうか。トイレとお風呂だけはきれいにしておきたい私にとっては、ロシアには行けないかもと思うのだった。
そのほか、ゴルバチョフやエリツィンの、通訳を通した経験談が面白かった。エリツィンの飲みっぷりは芸術的。 -
ソ連崩壊前後からロシアになってから数年間の1990年〜97年に書かれたロシア関連のエッセイ。
ロシア人、酒飲み過ぎ。懐かしいなぁ、ゴルビーにエリツィン。
でもロシアって知らないことばかり(他の国のことも知らないわけだけど)。
この本が出版されてから10年以上経つわけだけど、ロシアはどう変わったんだろう?
米原さんによるプーチンやメドベージェフの人物評も読みたかったな。
今のロシアや日本を彼女はどう評するかな。 -
ロシア語通訳者、故・米原万里さんによる面白エッセイ。
「ペレストロイカ」「グラスノスチ」前後の激動のロシアを
温かく、それでいて客観的な目で見つめます。
エリツィン元大統領に関する記述が多めかな?
米原万里とウォトカがあっても、なかなか身近にならない大国。きっと米原万里が後10人居れば変わるかも。それ...
米原万里とウォトカがあっても、なかなか身近にならない大国。きっと米原万里が後10人居れば変わるかも。それからアクーニン(「ファンドーリンの捜査ファイル」を書いた人)。。。