- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532162580
作品紹介・あらすじ
文明を貫く二組の道徳律。独立不覊の思索家が古今東西の知見をもとに、人間社会には根本的に異なる二つの倫理体系があることを明らかにし、モラルの起源、腐敗と再生への選択を論じた出色の書。
感想・レビュー・書評
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名著だと思う。2つの倫理体系の存在は、ニーアル ファーガソンの「スクエア・アンド・タワー」にも通じる話だし、様々な実例を元に議論が示される。日本もいろいろと引き合いに出されるが、約20年前の著作のためか、中国の話がほとんどない。でも、やっぱり名著だと思う。
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lifeで聞いて関心が出て読み始めました。プラトンの対話編をまねて、登場人物に様々な状況を語らせながら、「統治の倫理と市場の倫理」の枠組を形作っていきます。内容はもう20年前のものながら個人的にはとても新しく面白かったですが、例えが細に入り過ぎて結構集中力を失いました。
読んだとはいえなんとなく宙ぶらりんな理解です。もう一度触れる機会があることを祈って。
17.9.7 -
山岸俊男『日本の「安心」はなぜ、消えたのか』(2008)が武士道や品格ブームを鋭く一刀両断したときに参照したのが本書。
現代の自由社会では個々が市場の倫理と統治の倫理を意識的に使い分ける必要がある。ただし同時に混在させてはいけない、と。
邦訳タイトルに「倫理」を二回も繰り返したせいで取っ付きにくい印象かもしれないが、対話形式で読みやすく、日本の市場化(あるいはその反対)を考えるに当たって示唆に富む一冊。 -
市場の倫理・統治の倫理がそれぞれどのように発達し今の形に定着したのかを会話形式で分かりやすく伝えてくれる。