幕末維新消された歴史: 武士の言い分江戸っ子の言い分
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2009年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532167172
感想・レビュー・書評
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教科書しか読んだことのない人向け。初心者にオススメ。
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勝てば官軍
あとがきにありますが、勝者は勝つべくして勝ったというストーリーに歴史をねじ曲げてしまう。
勝者に都合の良いように叙述された歴史。
歴史の歪曲である。
こうして、勝者側が自己の正当性を後世に伝えるために編纂した歴史書や歴史教科書では、敗者側の言い分は抹殺され、敗者は歴史の表舞台から強制退場させられていく。
そうした歴史の裏側に光を照らすことができたならば、本書の狙いは果たせたことになるだろう。
ということです。
薩摩・長州・徳川・朝廷などなど。
幕末の政争に関わった人々は重要な時点時点で、先の見えないことに不安を感じながら、種々文書を残したのです。
その文書を読み解くことにより、勝者・敗者のこころの動き、情勢の動きを冷静に見てみる。
より客観的に史実を観察する、とっても重要な態度だと思います。
江戸っ子に人気のなかった維新政府と戦った西郷が江戸っ子に異常な人気を博した一瞬。
西郷さんの人気の秘密が・・・ -
教科書に載らない系の歴史に惹かれる。
博物館で江戸時代の品物をたくさん見ていると、あの時代を生きた人々や、その時代の価値観、時代そのものが、現代の私たちに大きな影響を与えていると感じる。
でも、私はあの時代について、ぼんやりしたイメージしかない。もっとちゃんと知りたい。
https://coggle.it/diagram/WngIhwUfwAABkPuy/t/%E5%B9%95%E6%9C%AB%E7%B6%AD%E6%96%B0-%E6%B6%88%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%AD%B4%E5%8F%B2 -
後引きで結果から見たれきしに騙されやすい
言うほど島津も毛利も一枚岩じゃないし
状況により同じ行動も結果が逆になることも -
タイトル通りの内容で期待通りでした。
学校で習う幕末の歴史はあまりに少ない。試験で重要なのは黒船来航であったり、開校した港であったり、戊辰戦争の流れを説明するものは少ない。
また、ドラマなども新政府は正義で旧幕府軍は腐敗しきった悪という描き方だが、今年の大河ドラマの八重の桜はそのあたりが非常にこの本の内容に近く描かれている。
歴史とは戦や権力闘争に勝ってきたものが書いた、勝者側に都合のよい記述がされた物語でしかないのかもしれない。
私たちが知っている歴史とは実は、真実とはかけ離れたフィクションなのかもしれないと再認識した本でした。 -
比較的歴史物は好きな方ですが、
この一冊は読んで損はないと思います。
偏りがないとは言えませんけど、
教科書で、2・3行で語られている歴史にも、
これだけの紆余曲折があったのですよ。と言う事が、
全篇にわたって書かれています。
ペルーが浦賀湾に来航してから、
東京大政官の設置までに、16年。長いです。
歴史はいろんな角度から、眺めるものだと思います。
慶喜は最初から、幕府の幕引きを、
考えていたのではないかな、と私は思っていますが。
温厚な松平容保が、慶喜に送った書状を、
下の引用文に載せました。
(私の中では、この文書が、イメージから一番遠く離れていたので。) -
根井雅弘教授書評(週刊朝日)
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再読候補