- Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532170981
作品紹介・あらすじ
「刷新なき魂は澱んで濁り、日常の塵芥の中で腐っていく」奔放自由な生は、物狂いか、それとも…平安京の内裏で、富と権力を巡る謀略の"蜘蛛の巣"に搦め捕られた異形の帝。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
花山帝には奇妙な話がいろいろと伝わっているるので、それらの動機などに新解釈が見つけられれば嬉しい、と思って読みましたが、ちょっと期待はずれでした。
-
花山院といえば、『花山院の出家』。高校の古典でおなじみです。
おなじみではあるけど、兼家の陰謀によってまんまと出家させらてしまった後のことは何も知りませんでした。果たしてどこまでが本当のことなのか。焼身やら度脱やら、行き過ぎた信心というのか思考というのか、とにかくすさまじかった。
権力の中枢を握っていた人がその場を引くとき、すぐに出家するのが私にはいまいちわからなかったのだけど、出家してもなお俗世からは離れられなかったり、僧という人を導くべき立場でありながらも仏に疑いを持つ厳久の様子が興味深かったです。
やたらと自分の顔の美しさについて語る厳久がちょっとおかしかった笑 -
第65代花山帝の生涯を描いた小説。
聡明な少年時代から、帝になり権力闘争にまきこまれ出家し、焼身し仏に身を捧げたかと思えば実の叔母を愛人とするなど傍から見れば物狂いとしか見えないのだが、帝という立場に生まれ、迷いながらも自分らしく突き進んでいく花山の潔さに感銘を受けた。