韃靼の馬

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 152
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (639ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171087

作品紹介・あらすじ

対朝鮮貿易を取りしきる対馬藩危機存亡のとき、窮余の一策として浮上したのが、伝説の汗血馬を馬将軍吉宗に献上しようという策だった。その使命を帯びたのは…。かつて朝鮮通信使の警固を務め、藩と幕府を救った若き藩士がいた。文武に秀で外国語に堪能で、消えゆく神代文字が読める若者がいた-。

感想・レビュー・書評

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  • ワケありで今は朝鮮人として生きている主人公が故郷の対馬藩の財政を救うために徳川吉宗に献上する伝説の天馬、韃靼の馬を手に入れる話。この方はおすすめいただいてから2作目になるんだけど、自分があたかもその時代に生きてリアルタイムに体験させられてるような気持ちになる。描写力のなせる技なのか…。数奇な運命をたどる主人公、読みながらもあー良かったと簡単に一言では言えないような複雑な感情が去来する。すごい作品でした。

  • 対馬が実は長崎と並ぶ、貿易拠点だったことがよく分かった。長崎がオランダであるとしたら、対馬は朝鮮。朝鮮通信使についても、毎年、その実施が政治によって翻弄されているが、江戸時代からそうだったんだな・・と感じた。朝鮮通信使がどのような外交的なやりとりがあったのか、これを読んでやっとわかった。
    ただ、物語はそれだけにとどまらず、モンゴルまで行ってしまう。かなり飛躍しているのでは・・と思うところもあったが、とにかく面白かった。一気に読みました。

  • 対馬に旅行に行きガイドさんからこの本を薦められた。
    現在朝鮮との関係悪化でも対馬が韓国からの旅行者で経済が回っているのは今も昔も変わらない現実。
    国書偽造の史実をもとに広大な物語を紡いだ。面白かった。

  • さすが辻原登読み応えのある小説です。江戸時代朝鮮との交易を一手にになっていた対馬藩の藩士が主人公。或る意味外交官となり貿易の拠点に出向いたときに朝鮮からの通信史という一大外交団の来日が組まれ幕府と朝鮮政府tの間に入りあるてきはスパイ、あときは忍者のように活躍し通信史んの来日を成功させる。対馬藩の交易、通信史の様子など史実をかなり忠実に描写しつつ面白いエピソードを作り上げ素晴らしいお話に作り上げられている。薩摩藩スーパー藩士の活躍物語と言えばそうなのだが、くみ上げられたお話が壮大なのでじっくり読み込んでこその作品になっている。お時間あるときに是非!!

  • 連載時に読了。あびる優が頭にまず出る毎朝だった。重要人物(?)が結構簡単に死ぬ。コブラかよって位に。男にはロマンなんだろうって感じ。捨て駒じゃねぇか克人。

  • 読みにくかった

  • 薬屋時代のなかよしさんに教えてもらった本。
    長い。
    でも面白かった。

    今までいろんなところで読んだ中で、初めての、新鮮な新井白石だったなあ。

  • 壮大な物語。対馬藩が朝鮮貿易を独占していたことに着目している。しかし、阿比留克人の様なスーパーサムライは本当に実在したのだろうか?

  • 読み応えたっぷり 面白かったよ 

  • 「克人、君は何と戦っているんだ。」時代の流れの中で、組織の中で生きるということ。昨日まで信じていたものが今日は変わるかもしれない。頼れるものは自分。では、自分は何のために生きる?自分のため、だけでは人は生きられない。

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著者プロフィール

辻原登
一九四五年(昭和二〇)和歌山県生まれ。九〇年『村の名前』で第一〇三回芥川賞受賞。九九年『翔べ麒麟』で第五〇回読売文学賞、二〇〇〇年『遊動亭円木』で第三六回谷崎潤一郎賞、〇五年『枯葉の中の青い炎』で第三一回川端康成文学賞、〇六年『花はさくら木』で第三三回大佛次郎賞を受賞。その他の作品に『円朝芝居噺 夫婦幽霊』『闇の奥』『冬の旅』『籠の鸚鵡』『不意撃ち』などがある。

「2023年 『卍どもえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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