リスク 下: 神々への反逆

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532190804

感想・レビュー・書評

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  • 『ブラック・スワン』も凄い本だったが、こちらも凄い本だった。

    上巻では、人類がどう確率やリスクという考え方を発見してきたか、ということが中心であったが、下巻では、それを金融にどう活かしてきたか、という歴史が語られる。

    未来は過去の延長ではない、という考えは、両方の本に共通していると感じた。

    改めて読み返したい本である。
    再読の際は、章ー人名−その人の発見、で整理しようと思う。

    分冊は不便なので、ハードカバーを探すかもしれない。

    [more]
    (目次)
    【上巻】
    1200年以前 始まり

    第1章 ギリシャの風とサイコロの役割
    第2章 ?、?、?と同じくらい簡単

    1200〜1700年 数々の注目すべき事実

    第3章 ルネッサンスの賭博師
    第4章 フレンチ・コネクション
    第5章 驚くべき人物の驚くべき考え

    1700〜1900年 限りなき計測

    第6章 人間の本質についての考察
    第7章 事実上の確実性を求めて
    第8章 非合理の超法則
    第9章 壊れた脳を持つ男

    【下巻】
    第10章 サヤエンドウと危険
    第11章 至福の構造

    1900〜1960年 曖昧性の塊りと正確性の追求

    第12章 無知についての尺度
    第13章 根本的に異なる概念
    第14章 カロリー以外はすべて計測した男
    第15章 とある株式仲買人の不思議なケース

    未来へ 不確実性の探求

    第16章 不変性の失敗
    第17章 理論自警団
    第18章 別の賭けの素晴らしい仕組み
    第19章 野生の待ち伏せ

  • 面白かった

  • 上巻にまとめてレビュー記載
    http://booklog.jp/users/ttskch/archives/1/4532190797

  • リスク、数学、統計、確率に興味のある人なら絶対に読むべき!!
    わかりづらい文章が多いのが玉に瑕

  • リスク概念についての発生論から啓蒙主義を経て確率・統計によりリスク・マネージメントに対する手法発見などの歴史を詳述しています。対数の法則とか正規分布などはもとより確率論って意外と新しい概念なんですね。原題である「Against the Gods」の通り、やはり神による運命論から呪縛はいかに強大だったかが窺い知れます。
    残念なのは上下の区切りが中途半端な点。文庫本化に際して上下巻を頁数的に均一にしようとしたのでしょうが、どうせ上巻の方が売上大きいのだろうし、ちょっとは値段高くしてもいいから、「1700-1900年 限りなき計測」をきっちり上巻に収めて欲しかったです。

  • ・ゲーム理論では、不確実性の真の原因は他人の意志にあるとされる。

    ・より大きい金額に対する効用は、「確実性等価」の計算と全く同じである。ベルヌーイの基本原理から導出されたものである。これこそリスク回避の本質である。すなわち、われわれに不利な結果を及ぼすような意思決定を、他の人々に誘発するような意思決定をわれわれがどこまで進んで行うか。

    ・アラン・ブラインダーは、相手側が取る三つの意思決定、すなわち抑制、中立、拡大に対する量プレイヤーの選好を示すマトリックスを作った。プレイヤーにとってゲームの目的は、もう一つのプレイヤーに不愉快な意思決定を行わせるように追い込むことである。この結果は、「ナッシュ均衡」として知られている。ナッシュ均衡下での結果は、安定性を持つとはいえ、最適ではない。ブラインダーのゲームは、相手に対してどのような行動をとるかに関して鋭い洞察を見せてくれる。意思を疎通できるが、こういう場合は稀である。

    ・ポール・ミルグロムは「スペクトラム競売」なるゲーム理論に基づく競売を行うことにした。このような種類の競売で最高値をつける入社者は「勝者の祟り」と言われる。ここでの仮説は、このような株式は、コンセンサスを得た価格のやや上のあたりで買うことができる。

    ・効用を最大化する個人にもたらされる利得は、「彼が合理的行動した場合に得ることができる額に依存する、ということである。得ることができる(彼が期待する利得)というのは、もちろんある最小限度の額であると仮定される。他の人々が間違いを起こせば(非合理的に行動すれば)それ以上を得ることになろう」。このような規定は、行動心理学者の批判をも含め、大きな議論を呼び起こす問題を提起した。

    ・合理的人間が意思決定の基本とするのは、気まぐれや感情や修正ではなく、情報である。

    ・合理性の概念は、非常に的確に定義され、それがリスク制御と効用最大化のルールに変換されると、否応なく、富の投資と管理という分野にも影響を及ぼすこととなった。
     それに由来するリスク定義とその実務的応用は、投資管理、市場構造、投資家の用いる手法、さらにはシステム全体を機能させる何百万という人間行動に根本的な変化をもたらした。

    ・株式にはリスクがあり、リスクの大小は銘柄により格差があるということが、論じられることもなかった。リスクは気合い(ガッツ)の問題で、数学的問題ではなかった。攻撃的投資家の目標は収益を最大化することであり、臆病な投資家は、預貯金と安全性の高い長期債券で満足していた。

    ・どんな場合でも、資本は危険に晒されている。
     
    ・ハリー・マーコビッツは投資家の富全体のマネジメント、すなわちポートフォリオ管理を論じたのである。個々の証券からなるポートフォリオの保有は、個別に証券を保有するのとは全く事情が異なる。

    ・マーコビッツは、確率論、標本抽出法、正規分布および平均付近でのばらつき、平均への回帰あるいは効用理論などに基礎を置いている。

    ・現在の市場価格の下で、すべての銘柄が同等に魅力的であると考える買い手は皆無である…それどころか、買い手は『最も買い得』な銘柄を探すものである」。「収益のみならず、リスクも問題になるはずだとう考えが閃いた…」。1952年当時、証券の運用成績に関する判断は、投資家がどれほどの利得を得たか、あるいは損失を被ったかで表わされていた。リスクはまるで無関係だった。

    ・1973年から1974年にかけての大暴落による大損害の教訓から、投資家は「パフォーマンス」というのは怪物であることを悟った。その一方、投資家は自らがとるリスクを管理することはできる。

    ・投資家が分散投資を行うのは、収益分散に対する最良の武器となるのが分散投資だったからである。互いに強い相互作用を及ぼすわずか数個の部分からなるシステムの動きは、予測不可能な性質を持つ。

    ・株式市場は実に手強い相手で、自らの意思を明らかにすることがない。敗北は必至であるが。大儲けしようとはせず、分散投資で逆境に対処すれば、投資家は少なくとも生き残る確率を最大化できる。

    ・ある分散化されたポートフォリオの収益率は、ポートフォリオに含められる個別証券収益率の平均に等しいが、ボラティリティは、個別証券ボラティリティの平均よりも小さくなる。分散投資は、個別証券収益間の共分散、あるいは相関を最小化にしておけば、高い期待収益率を持つリスク証券のグループを、相対的に低いリスクのポートフォリオに変換できる一種のフリー・ランチのようなものだ。

    ・不確実性に関する直感を統計的概念で置き換えることで、「効率的」ポートフォリオと呼ばれる銘柄グループを選択する手続きに変換させた。「効率性」という用語は、投入に対して算出を最大化する、あるいは、産出に対して投入を最小化する一方で、同時に金持ちになるという「望ましいもの」を最大化する。

    ・投資家は常に「買い得」の銘柄を保有したがるものである。ポートフォリオの実現収益率が平均的な期待を上下する確率は、ガウス型正規分布に従うものとマーコビッツは仮定した。損失から利益まで、平均を中心としたこの曲線の幅は、ポートフォリオの分散で表現している。平均・分散アプローチと呼ばれている。

    ・「ポートフォリオ選択」は、リスクを期待収益率と同程度の重要性を持たせることにより、投資管理という仕事を根本から変革することになった。

    ・最も難しいのは、個別銘柄あるいは債券がその他の株式や債券と比べてどれほど変動するかを測定する計算段階である。ボラティリティあるいは分散は、統計的分析によれば直観が正しい。ボラティリティの変動を引き起こすものは何か。予想外のことをよそくする方法は誰にもわからない。

    ・真の長期的展望に立つ投資家にとっては、少なくとも変動制の激しい証券が値動きの少ない証券よりも高い収益率をもたらす傾向がある限り、ボラティリティはリスクというより好機を表している。しかし「ポートフォリオ保有の本当のリスクは、ポートフォリオが期間中あるいは任意の期末時点において、あるいは双方で、不可欠な支出に必要な現金を所有者にもたらさないかもしれない」。シャープは、富の増加はリスクへの欲求を強める傾向を持ち、富の損失はリスクへの欲求を弱くする傾向をもつようになる。このようなリスク回避姿勢の変化が、強気相場や弱気相場を究極まで動かすが、「逆張り」投資家がこのようなオーバー・リアクション(過剰反応)を認識し、累積した評価誤差を修正するに伴って、最終的には「平均への回帰」が生じることをシャープは示唆している。

    ・われわれは一つの問題の共通要素を見落とし、全体の中の一部分にのみ集中してしまう傾向を持っている。その結果として、われわれは「平均への回帰」を忘れ去り、現状に留まったまま、結局は厄介な事態に陥ってしまう。

    ・ 「人々は不確実性を嫌悪しているというよりはむしろ、損失を嫌悪しているのである」。

    ・カーネマンとトヴァスキーは、リスク機会の評価は、最終的な資産価値よりも、利得あるいは損失のいずれかが生じるという参照基準点の方に、はるかに大きく依存することを発見した。意思決定の動機となるのは、あなたがどれほど裕福であるかではなく、その意思決定が現在よりあなたを裕福にするか貧乏にするかという点にある。

    ・エドワード・ミラーは、継続的に得られる小さな利得よりも、稀に得られる大きな利得の方が、投資家やギャンブラーの関心をより長い時間継続させるようである。分散化は退屈なのである。情報を十分に持った投資家の場合には、投資が娯楽の一種であるなどと思っていないため、分散投資を行う。

    ・カーネマンとトヴァスキーは同一問題の異なる状況下での(間違っているとは限らないが)矛盾した選択を「不変性の失敗」と表現している。しかし研究結果ではそうにはならず、「救命」版ではリスク回避的であることを望み、「死亡」版ではリスク愛好者になる。

    ・投資家は損失を出すことを嫌悪する。 損失がより大規模の損失の追加にすぎない場合には、独立して発生する損失よりも痛手が少ないことを発見していた。
     
    ・れわれは、情報が合理的意思決定への不可欠な要因であり、情報が多ければ多いほど、直面するリスクをよりよく管理できると思いがちである。ところが、心理学者は、追加的情報が邪魔になり、意志決定をゆがめ、その結果、「不変性の失敗」を誘発し、人々が進んでとろうとするリスクの種類を当局の人間が操作する機会を作ってしまうという状況を報告している。

    ・曖昧回避とは、人々が、道の確率よりも基地の確立に基づいてリスクを取る方を好むことを意味する。

    ・予測理論の裏側に潜んでいる人間の判断力は、必ずしも悲観的なものとは限らない。

    ・心理学者のデビッド・ベルは「意思決定の後悔」とは、正しく意思決定をしたならば、あなたが所有していたかも知れない資産に注目する結果生じるものだと示唆している。決定の後悔は、「多くの銘柄を保有するほど、大儲けする銘柄を保有するチャンスは大きくなる」という分散投資の意志決定問題にはるかに大きく関係している。

    ・ケインズは『一般理論』の中で「…世間の評判を得る為には、慣行に従わない成功するよりも、慣行に従って失敗した方がよいのである」と述べている。

    ・予測理論は、どの決定をあなたが行うかを占うことでケインズの結論を確認している。第一にあなたの選択した銘柄の絶対パフォーマンスはそれほど重要ではない。第二に、損失回避と不安が創業期の会社の失敗による痛みよりも、成功による喜びをより少ないものにする。

    ・行動ファイナンスは、ある時は冷静な計算に徹し、次の瞬間には感情的な衝動に屈服するというように、リスクとリターンの間のギブ・アンド・テイクを通じて投資家がどのように格闘するかを分析している。「買い値と売り値の不均衡は非常に興味深い」というのが、タラーの結論だった。

    ・賦与効果が投資決定に与える影響は強力である。標準的な理論の下では、合理的な投資家は投資価値について市場参加者が合意しており、株式のようなリスク資産からなる同一ポートフォリオを参加者全員が保有すると予想している。

    ・多くの投資家が合理性に逆らって行動していることを認めたとしても、それ自体はあたかも合理性が支配しているかのように動いている。

    ・ケインズは株式市場を次のように述べている。「いわば、スナップ(いす取り)のゲームで、スナップと早すぎも遅すぎもせず唱えたものか、ゲーム終了前にババを隣人に渡したものか、音楽が止まった時に自分が座る椅子を確保したものが、勝利者となる娯楽である」。

    ・すべての投資家が同一の合理的思考プロセスに従うならば、…十分に合理的な市場が機能しているということである。

    ・アルフレッド・コールズは、良く切ったトランプの束から無作為にカード抽出して予測したランダムな結果と、実際の予想結果とはほとんど差がないことを結論として述べている。

    ・投資家はしばしば過去の運用成果に目を奪われる。しかし、それらが運ではなくスキルによって実現されたものであると判明しても、二つの問題が残る。第一に、過去のパフォーマンスは将来に対しては脆弱なガイド役でしかない。第二に、成功する戦略は短命だという点である。

    ・フリーライダー(ただ乗り)が成功戦略に乗り込んでくる危険があるために、偶然の域を越えて継続的に市場をビートしている投資家が、頑強に不明瞭さを保とうとするのは至極当然である。
     
    ・高いパフォーマンス能力指数を有する少数の人々は、プライベート・パートナーシップの運用を行っている。他人の資金を自ら資金に加えることで、彼らのパフォオーマンス能力指数に資金的なテコ入れを行っている。リスクが機会と等しいという概念が妥当であれば、この小さな集団がその方法を実行して見せている。それにもかかわらず、プライベート・パートナーシップは市場の本流からはあまり重要ではない。たいていの投資家は参加するほどの資金がないか、保有資産の重要部分を配分するにはあまりにも多いのかのどちらかである。

    ・資本市場というのは、常に変動してきた。なぜならそこでは他ならぬ将来に賭けた取引が行われており、サプライズ(予期せぬ事象)が満ちているからだ。満期のない株式は、リスキーなビジネスである。解消できる唯一の方法は、他人に株式を売り渡すしかない。同じことが債券にもあてはまる。

    ・金融の規制緩和、激しいインフレの進行と軌を一つにして、環境はかつての30年間には想像だにしなかった金利、外国為替相場、商品市況の変動を生み出した。伝統的なリスク管理の方法論では対処するのは不可能だった。「曖昧性の回避」の完璧な例を与えることになった。われわれが実生活で確率計算を適用できるのは、偶然のゲームでのパターンを十分に模倣できるほど頻繁に類似の経験が生起する場合のみである。

    ・デリバティブはファイナンスの手段の中で、最も洗練され、最も難解で、最も不可解で、最も危険である。それはまた90年代そのものを象徴しており、少なからぬ人々が憎らしい存在だと考えている。

    ・デリバティブ自身では何の価値もない金融取引である。他の資産価値からその価値が派生するからである。それがまさに、予期せぬ価格変動から生じるリスクをヘッジするのに役立つ理由である。価格が変動する資産なら何でもそのリスクをヘッジする。

    ・デリバティブは価格が変動的な環境でのみ価値を持つ。デリバティブは、経済状態や金融市場の予兆を示しており、関心の的になっているボラティリティの原因ではないのである。

    ・デリバティブには二種類ある。一つは先物(決められた価格で将来引き渡される契約)、そして一つは決められた価格で片方に買う機会を与え、もう一方に売る企画を与えるオプションである。
     
    ・価格変動リスクに対して財務上生き残っていくには弱点だらけの人達がそれだけ多く存在するからである。その結果、特に商品市場でボラティティは過小評価される傾向にあり、生産者の損失回避の姿勢が、スペキュレーターがより儲かりやすくなるという構造的優位性を与えている。この現象は、「逆ザヤ」という奇妙な名で呼ばれている。
     
    ・オプションという取引が存在するのは、リスク回避者からリスクをとっても良いという他社へリスクを転嫁する手法に対する要求があるからだ。

    ・オプションの価値は四つの要因に依存する。オプションの価値は四つの要因に依存する。すなわち時間、価格、金利、およびボラティリティである。

    ・投資家の潜在的損失はプレミアム(オプション価格)に限定されるが、潜在的利益は無制限であるというオプションの非対照の性質がこの問題をさらに難しくしていた。

    ・ボラティリティ(変動率)は常に重要な決定要因である。
     
    ・容易に下落する株は容易に上昇するからである。オプションの買い手は株価変動を期待しており、オプションを売る投資家は株価が変動しないことを期待している。
     
    ・オプションと呼ばれるデリバティブは、保険の対象になるリスクの種類を広げることで、全てのリスクが保険対象であるようなケネス・アローの理想世界を創造する。

    ・デリバティブ取引の対象商品は不確実性そのものである。

    ・企業経営者がボラティリティを制限するのではなく、ボラティリティへ賭ける部分を増やしていたという単純な理由に由来する。ある一定の損失とギャンブルとの間の選択に直面すると、ギャンブルの方を選んだ。彼らは、最も基本的な投資理論の原則を無視している。巨大な損失を被るリスクなしに、巨大な利益は期待できない。
     
    ・予測理論によれば、損失を抱える人々は、確実な損失を受け入れるよりはギャンブルを選択する。

    ・「デリバティブはカミソリのようなものだ。それで髭を剃ることもできるし、…自殺もできる」。

    ・キャッシュフローをボラティリティから守ろうとする企業は投資や研究開発費の水準を高めることで内部リスクをとる余裕がある。金融機関は金利や為替の変動に影響されやすい。こうしたボラティリティがヘッジ可能であれば、その分より多くの援助に値する借り手への貸し付けを拡大することができる。

    ・ライプニッツにとって、情報のサンプルから一般化を行うのが難しかったのは、自然が気まぐれだからでなく、複雑だからだった。「大半の部分についてでしかない」と言及した足りない部分は、ランダムではなく、構造全体の目に見えない要素である。

    ・サプライズはとりわけ金融の世界に蔓延している。

    ・分散投資も損失一般に対する保証ではなく、すべてを一度に失うことに対する保証でしかなかった。

    ・リスクの認識を変えることで、損失の可能性を利益機会へ、「運命」と「紙による現構想」を洗練された確立に基づく将来の予測へ、そして手も足も出ない無力状態を選択可能な状態へ、と変えていった。

    ・確立の最重要性は、それを手引きに行動するのが合理的だとする判断からのみ派生するものであって、それに実際に依存するのが正当化されるのは、現実行動において確立を考慮して行動すべきであるという判断によってのみである。
     
    ・確率はわれわれ人類にとって「人生の手引き」となりうる。

  • 非常に面白い!確率論とそれに関わる人物関係、時代背景が織り交ぜられている。素晴らしい良書。

  • 上巻に引き続き読破。専門用語多数で難解です。
    全てにおいて備わっている「リスク」を歴史的な著名人の考察を踏まえ、学者が構築してきたリスク理論についても言及。


    歴史的に構築されてきた確立や統計理論、デリバティブ(金融派生商品)が、今の金融・資本市場にどのように反映され、利用され得ているのか、更には、保険についての詳しい記述もなされている。

    とりあえず、上下巻共に難解ですが、金融機関に勤める多くの人にお奨めしたいシリーズ。

  • 絶対読むべき!!

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