なぜ社員はやる気をなくしているのか (日経ビジネス人文庫)

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532195366

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    見えているがないことになっている。組織の問題とはあって然るべきもの。ではそれへの対応は。隠そうとする組織があまりに多い。

  • ダラダラ感も正直感じましたが、言ってることはよくわかりましたし、同感しました。スポンサーシップでげすな

  • NHKという組織自体は風土・体質的には大きな問題を抱えた組織ではある。しかし制作担当者の中には優れた作品をつくる努力をしている人が間違いなくいる。

    「脳卒中」のお年寄りの生命力を最大限に引き出すと、なんと80%以上の人が歩いて退院できるようになる。
    患者さんに「退院したらこういう生活をしたい」という具体的なイメージを持ってもらうのが出発点。花づくりが好きな人には、「花壇の世話をもう一度してみたい」といった身近でリアルな目標を持ってもらう。そのイメージを膨らませていくために、小さな花壇を病院の廊下の窓際につくったりもする。歩く技術を教えてくれる理学療法士の存在など条件がそろうと、リハビリ室で一日二回20分ずつではなく、日常生活のあらゆる機会が訓練の場となる。

    上記に「協力する」とは、いろいろな人の協力なしには成立しない手間ひまのかかるプロセスなのである。新しいやり方を試みるとなると負担は大きい。

    人というものは、置かれる環境の中身によって出しうる生命力がかくも決定的に違うものなのか、と思う。

    イノベーションにも挑戦を繰り返している。しかし、マネジメントのしかたや働き方が十分に転換されていないままだから、社員が無理に無理を重ねる力技でなんとか結果を出せているという会社が多い。社員も管理職も疲れている。問題は、つくりこみのプロセスをまったく無視したままで制度やシステムをいくらいじったとしてもへ変化はほとんど期待できないという厳しい現実をどれだけ受け止められるかであろう。人というのは生き物なのだ。条件を整備し、環境をつくっていけば、変化は必ずといってよいほど期待できる。

    人が組織の中で働いているかぎり、周りが不幸なのに自分ひとりだけ幸せになろうと思っても、それはかなり難しい。自分ひとりだけでなく、仲間とともに働く幸せを噛みしめられるような環境をつくっていく必要があるのだ。

    子どもが自殺をした後でも、教育委員会や校長は、毎回と言っていいくらい、それをいじめによる自殺だとは認めようとしない。まじめな人たちであるはずなのに、なぜこういうみっともないことをしてしまうのか理解に苦しむ。「いじめはあってはならない」という考え方そのものに、大きな原因があるように思える。「いじめはあってはならない」というのと、「いじめというものは子供の世界ではよくあることだ。しかし、どんな小さないじめでもそれは絶対に許してはならない」というのとでは、まったく正反対の考え方だということである。

    大切なことを議論する場が、単なる儀式になってしまっている。

    大切なのは、立派な方針がつくられているかどうかではなく、改革の「プロセスがつくりこまれていくかどうか」

    命じられて内心いやいやながらやるのと、腹の底から納得して全力を傾けてやるのとでは、結果に違いが出てくることは疑いようがない。とはいえ、頭でわかっていても「腹の底から納得する」状態をつくるノウハウなど誰も持っていないし、そもそもそんな面倒なことをやっている時間もない。

    答えが用意されている話し合いは「説得」にすぎない。
    対話を成立させようと思うなら、まず「一緒に困ろう」「一緒に答えをつくっていこう」とする姿勢を持つ必要がある。「相手の話に心の耳を傾ける」姿勢が不可欠なのだ。

    確かにシステム化が進み、仕事自体ははるかに効率的になっている。しかし、なぜか楽にはなっていない。対話の機会が激減し、コミュニケーションの量も質も低下して、チームワークのレベルが下がっているからだ。自分の問題を誰にも相談しないことが増え、隣で困っている人がいても、自分のことで精いっぱいで声をかけることもない。こういうことが間違いなく大きなロスやミスにつながっている。このような組織で働く人々に、内発的動機が生まれないのは、当然と言えば当然の話なのである。

    問題は「ないことになっています」。
    問題があることに問題があるのではない
    まだ問題が小さいうちにそれを起こす(見えやすくする)こともトヨタ式の言葉で「見える可」と言う。見える化に取り組む際のポイントは、問題はなるべく初期段階で見つけ、それを応急処置で済ませるのではなく、問題の根本的な原因まで踏み込んで解決しようとするところにある。

    本社の”優秀な”スタッフが精密につくったマニュアルに従うことは、現場で働く人々の本当の実態は、リアリティを持ってわかっているわけではなかったのだろう。
    現場が考え抜いている会社は強い。実際に仕事をしている現場が、誇りをもって自分たちの仕事を改善していく提案ができるような環境を、どれくらい保障されていたのか、という点が問題なのである。

  • 人材マネジメントにおいて、マネージャーの役割、そして「対話」と「チームワーク」の重要性を説く。

    内容は理解できるし、納得もできるが、なぜだろうか、少し古いのかな、と感じるところも多かった。

    ただ、ピープル・マネジメントにおける、基本であることは間違いないです。

    何点かを抜粋:
    1. 『部下の知恵を引き出しながら、一緒に答えを作っていく。事実を大切にして、対話を繰り返しながら知恵を生み出していく創造的な時間が、働く喜びを取り戻し、組織に活力をもたらしていくのだ。』

    2. 『質の高いチームワークを本当に作ろうと思えば、いくつかの条件が必要になるが、その中でも特に大切なのは、メンバー同士で「仲のいいけんか」ができることである。』

    3. 『役員同士が徹底的に議論しているかどうか、特に「そもそも何のためにその課題をやるのか」「それをやることにどういう意味があるのか」など、日頃からあまり時間を掛けて議論できていないようなことを議論できるかどうかは、本来、会社の命運を左右するほどの重大事であるはずなのだ。』

    4. 『大切なことは、徹底的な議論を繰り返し、みんなでプロセスを作りこんでいくことである。それにはそれなりの時間をかけることが必要だ。なぜなら、この議論は、単に目指すものを見つけることだけが目的ではないからだ。この「お互いが考え方をあわせ、気持ちをぶつけ合う過程」そのものが、いままで受身的に仕事に向かってきていた姿勢が、主体的なものに変わっていくプロセスだからだ。』

  • <目次>
    はじめに
    プロローグ 何によって人は動くのか 「作り込み」の変革プロセス
    第1章 なぜ社員は主体性をなくしているのか 内発的動機が失われた理由
    第2章 閉塞感を打ち破る 進化の「価値観」を共有しよう
    第3章 不満分子の隠れたやる気 関心を内発動機に変える
    第4章 経営と仲間への信頼感 内発的動機が引き出される条件づくり
    第5章 リーダーシップからスポンサーシップへ 内発的動機を引き出すトップの役割
    第6章 「仲のいいけんか」ができる組織 チームで内発的動機を換気する
    第7章 変革の新しい進め方 最小単位で成功例を作る
    あとがき



    2015.03.27 前日のEGMFで話題になった図書
    2015.04.12 読書開始
    2015.04.16 読了

  • おやじ文化がなくなり、対話が減り
    人間関係も、希薄になるなど
    原因もあると。
    とはいっても、会社の文化にもよるんじゃないかなぁ。
    外部環境が変化しても、
    社員同士信頼しあって
    会社の業績もよいところはどうやってるんだろう。

    先日のセミナーでも、聞いた
    足し算の人間観
    人をあるがままにみて
    この部分は、活かせるのではないか
    このあた「を頼りにできないかと足していく。
    今は、引き算。
    理想像を前提に
    ここご足りない、あそこも足りないと、
    引き算していく。

    組織を進化させていく価値観を大切にしながら、潤滑油的存在を果たす、「世話人」や
    個人の一歩踏み出す
    勇気を下支えする安心感を生み出す、
    「経営や上司への信頼感」「同僚への信頼感」
    などのセーフティネットの存在。
    これが大事。

  • 受け止め力のない組織では「どうせ言っても無駄」と諦めたり「言われたくないから言わない」関係が生まれ 問題提起をしないことが組織として無難に生きながらえること=評価されるようになってしまう。それが事業を衰退に向かわせる。組織が拡大すればするほどとても起こりがちで危険なこと。

  • 20160419


    同じ事が何度も何度も繰り返し書かれていて、どこまで読んでも話しは核心に到達せず、分かりづらいまま。ワザとなのかと疑うくらい。
    内容的には半分のページ数で充分のように思えた。

    本当に会社を変える為には何をどうすれば良いのか、そしてどのように進めるべきなのか、分かりやすく書いてある事を期待したので、大きく期待ハズレで、とうとう最後は飛ばしながら読んでしまった。

    普段、ビジネス書を読む際は、気になったところに付箋を貼って、読み返しながら読むようにしているが、なんと付箋ゼロという残念な結果に。

    やはり長年にわたり、数多くのビジネス書を読んできた自分にとってはコンサルタントの先生が書いた本よりも、経営者が書いた実践的な本を読みたくなった。

    普段あまり本を読まなかったり、研修の経験が少ない人にはありがたいと感じるのだろうか…

  • 社員が主体性を失う原因として、効率化による対話や「お世話」の消滅が挙がられており、自分の組織にも通じる話だと痛感した。
    内発的動機を促す組織として、「仲のいいケンカ」から全員が当事者になるようサポートするスポンサーシップが提言されている。

  • 上から目線
    あるべき論だらけで途中で読む気失せた

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著者プロフィール

株式会社スコラ・コンサルト代表
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。大学院在学中にドイツ語語学院を始めた学生起業家のひとり。30代の頃にはNHKテレビ語学番組の講師を務めるなど幅広い経験を持つ。ビジネス教育の会社を設立後、企業風土・体質の改革に独自の手法を考案し実践している。

「2020年 『なぜ、それでも会社は変われないのか 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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