- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532260781
作品紹介・あらすじ
成果主義の時代こそフォロワー育成が必要、人的ネットワークが持つ経営上の価値に注目すべき-。様々な人事のジレンマに直面している日本企業。従来の強みを生かしつつ変わるためにはどのような発想が必要かを、人材マネジメントの第一人者が明快に解説する。
感想・レビュー・書評
-
今を先取りしたような提言内容が多いです。日本の職場に関する統計的なアプローチがもっとある方が、説得力も増すと思います。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人と組織のあるべき姿とは?
→現場リーダーに必要な能力は自分の持論を確立することができる能力
人材が成果を出すまでのプロセスとして、能力、チャンス、それによる高まるモチベーション
働きがいは達成感と成長可能性
働く人は、自分が何を求めてるかを考え、企業に伝えていく必要がある -
日本の人材管理について平易な言葉で書かれた書籍
-
雇用の流動化時代を本格的に迎えた日本において、リーダーシップから働き方までいろいろなテーマをロジカルかつ分かりやすく解説。人材マネジメントの基本サイクルを、前工程と後工程に分けての説明はナルホド。現場のリーダーシップに関する説明も腹落ち。働きがいと働きやすさに関する切り口も鋭い。人事評価や働き方のもやもや感をスパッと代弁してもらったような気分。良書。
-
偶然、図書館で。感想とメモ
大学時代にワークショップをしたり色々と調べる中で、【傾聴】と言う言葉を使ってたので何となく借りた。
本を読んでみて。支離滅裂…\(^o^)/
正社員やら雇用について考えた際に、できれば会社に頼らなくても食べていきたい理想はある。
というのも、私の場合は人間関係が煩雑だからだ。
一生、切っても切れないなら、と美術をはじめ心理学関連の本を読んだりもした。
正規雇用、派遣、契約社員と形態がある中で人をコンサルタントできる能力のある人を私は見たことがない。
大方は単純に話を聞くのみで、質問や会話、挙動を通しての分析はしない印象だ。
そういう人々が多い中で、個人を心理学や哲学の分野の立場から理解して分析していく本当の【人材マネジメント】のプロの育成が必要な気がした。
何と無くだが、日本は血液型や学校名、心理テストなど根拠は曖昧でも結果や常識として明確なものを信仰する傾向があるような…
目が届かない社員イメージより、相対して会話や仕草から分析して直接、社員と社長がコミュニケーションを取るくらいじゃないと難しい時代が来そう。
全体を総括して、企業も国家も人で構成された単なる【実体のない存在】だからこそ面倒なのだなと感じた。個々人なら楽なのになー
企業を働く人の視点から評価するのは良いと思った。 -
リーダーに必要な要素、考え方、そして育つ環境‥ どの視点からでも参考になる内容であった。
-
偶然本屋で発見した一冊。
少し前の本ですが、内容に興味を持ち読んでみました。
日本の雇用問題、人材育成、リーダーシップの問題に非常に深く切り込んでおり、読み応えのある一冊でした。
日本の強みだと思っていたことが逆に足を引っ張ることもあり、困難な面もありますが、いくつかのヒントが得られました。
雇用にまつわるニュースはよく聞かれますが、今までの歴史的な背景の中で成立しているだけに、変革は難しいものですが、何とか働きがいのある職場にできるよう努力したいものです。
バブル経済崩壊後の日本の多くの職場の姿
・できる人に仕事が集中し、できない人との二層化が進み、進捗管理の厳格化、自ら病める社員の増加
・ストレスをため、業績に関心を持ち、目標を明確にし、変化や仕事量の増加に対応するため知識やスキルを勉強する個人
↓
職場の基本機能が疲弊・弱体化
日本の職場における4つの基本機能:協働の場、育成の場、所属の場、同質化の場
職場をダメにしてきた原因は、現場を強くしてきた権限委譲(放任)→その結果、ウラの機能(競争、人材の評価、組織への参加、異質化の促進)が肥大化したこと
職場は多様化と脱コミュニティ化が同時進行→マネジャーは「個性把握力」と「個性対応力」が必須
リーダーのイメージを変革する4つのポイント
①個別的・個性的(個々の職場の要素と状況を勘案した内容になる)
②発達的に形成(経験を重ねによりリーダーシップを育成する)
③戦略家であるよりも翻訳家
④どこでもリーダー(組織の中にはあらゆるリーダーが必要)
リーダーに求められる2つの条件
①フォロワーがついてくること
②その結果としてチームが成果を出すこと
働く人が本当に関心を持っていることは、結果の不平等を補うための機会均等ではなく、一貫した衡平原則または平等原則に基づく資源配分
「契約の束」としての企業→内部からの企業変革の可能性小(外部依存)
「信頼関係の束」としての企業→内部からの企業変革の可能性大
成果主義の構造的問題=後工程のみの改革
後工程=成果の評価と処遇に結び付ける仕組み
前工程=人材が成果を出すまでのプロセス(能力、チャンス、モチベーション)
「正社員」という働き方が今の社会と不適合→柔軟性と多様性が必要
日本の組織にjobという概念がない(賃金は職務でよって決められない)→目標管理の難しさ、長時間労働につながる
労働時間改革の敵=①顧客重視のあり方②職務の設計③日本人の労働倫理
働きやすさとは異なる働きがいの提供→達成感と成長可能性がキーワード
日本の雇用モデルの強さの源泉は、長期性
制度や歴史、文化的背景と整合的なモデル
<この本から得られた気づきとアクション>
・日本の雇用制度の良い面を生かして、問題点を解決できる方策を常に探って行きたい
<目次>
第1章 問われる日本企業の職場とリーダーシップ(経営者は「雇用の複雑方程式」をいかに解くか
権限委譲が「職場力」を壊す ほか)
第2章 なぜリーダーが育たないのか(真の「現場リーダー」が育つ土壌づくりとは
「現場リーダー」は戦略家か、翻訳家か ほか)
第3章 人と組織の関係をどう考えるか(終身雇用への回帰が始まったもうひとつの理由
会社と従業員の「心理的契約」を再構築せよ ほか)
第4章 働き方革命の始まり(成果主義が機能しない本当のワケ
「ワークライフバランス」に関する三つの誤解 ほか)
第5章 働きやすさと働きがいを目指して(「働きやすさ」と「働きがい」はどこが違うのか
なぜ日本の会社には「働きがい」がないのか) -
なるほど。
人材が求めるもの、企業が努力しなければいけないコト。
なんとなく描いていたコトが、色々と掘り下げられてよかった。
難しいな。マネジメントって。
付箋をたくさん貼った。 -
「どこでもリーダー」と、それを支えるフォロワーシップの大切さ…静的な管理ではなく、組織にとって必要な動的な働きを感じます。KAIKA Lab.のメンバーである先生の、そのまた先生の著書。もう一度間をおいて読み直すとさらに面白いかもと思いました。ワークライフバランスに対して過剰な期待があるとされ、もっちプレーンに、多様な働き方選択肢の重視、くらいで捉えるべきとの主張もとても納得。