いらない課長、すごい課長

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.22
  • (8)
  • (21)
  • (43)
  • (10)
  • (4)
本棚登録 : 293
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263003

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いろんなことがバラバラ書かれていて読みづらかった。
    ハマる人にはハマるのかもしれないが、全般的に著者の決め付けみたいな話の羅列に思えて、今ひとつ共感出来なかった。

  • 課長のあり方についてとても参考になる内容であった。緑の血課長とガラパゴス課長の違いをよく理解できた。プロ課長に求められる7つのスキル
    ①フォー・ユーの姿勢と行動
    ②公正さを基準化する力
    ③技術的なコミュニケーション
    ④キャリアを客観視する力
    ⑤変化を積極的に取り入れる力
    ⑥オープンさをたもつ力
    ⑦緑の血でありつずける力
    が勉強になっった。

  • 利害関係を一にしない多様な人材をマネジメントしていくことが求められるこれからの会社組織において、課長が担うべき役割と必要な能力を整理した本であると感じた。

    このような状況では現場と経営層をつなぐマネジメントの要として「課長」の果たす役割は大きいと感じた。一般的にミドルマネジメントは今後必要性が低下していくといわれることが多いが、多様な人材を抱えながらも持続的な人材育成をしていくためには、単に成果目標を達成するためのマネジメントだけではなく、コミュニケーションの役割を担う人が求められるということがよく理解できた。

    また、コミュニケーションは技術の問題と明確に整理しているところも共感した。多様な人材とコミュニケーションをとっていかなければならないからこそ、自己流のやり方やこれまでの会社の流儀が必ずしも通用しない局面にぶつかるし、その際に自分のコミュニケーションのスタイルを客観視し、その他の方法も活用できる技術としてのコミュニケーション能力が身についていることが必要なのだと思う。

  • 高業績者の究極の行動特性・思考特性は「役割意識」。
    彼らはより大きな役割を担うために自分を変化させることを厭わない。

  • 過去の典型定期な課長タイプを「いらない課長」とし、現代に求められる課長像を「すごい課長」と定義し、必要なスキルを解説している。
    ・現在の課長層が特に強化すべき能力の第一位は「部下を育成する力」、第二位は「職場の課題を形成する力」、第三位は「労務管理に関する力」。さらに目先の事象に囚われず、職場の構造的な問題に光を当てて解決することが求められている。
    ・ちなみに部長に求められるものの第一位は「戦略的に物事を考える力」、第二位は「職場のミッションやビジョンを描く力」、第三位は「経営戦略、マーケティングに関する力」。
    ・「共通の利害を前提としない調整(正社員と派遣社員間の問題等)」が求められる。
    ・これは経験則だが、傍からは自分の評価や出世に興味を示しているようには見えない人材が、結果として出世していくということだ。このような人材は、上司に自分の仕事ぶりをアピールすることもしないし、仕事はしつかりやって部下しも良好な関係を築くが、定時になったらさっさと家路につくようなタイプである。またこれも出世していく人材の特徴であるが、彼らは人の話を聴くのがうまく、さらに経営層にまで上り詰める人材の多くはどんな立場の人間も差別せず、気遣いができる。社外に人脈を築いているのも出世していく人材の特徴だ。
    ・とにかくたった一人の誰か、スタッフのために全力を尽くそう(フォー・ユー精神に徹する)。
    ・高業績者が発揮するコンピテンシー(成果に至る行動特性・思考特性)のすべては「役割意識」に収れんする。役割意識とは、組織において自らの役割を高く認識し、行動するコンピテンシーだ。
    部長に求められる能力は戦略的に物事を考える力やミツションやビジョンを描くカ、そして経営戦略/マーケティングに関する知識だ。これらの能力は、グロービスに行けば習得できる内容であるが、果たして課長が職場のマネジメントを円滑に行う上で必要不可欠なのだろうか。自社の経営戦略/マーケティングの実行とその評価を適切に行うために、職場や個人にはどんなモノサシがあてがわれるべきかを考え、答えを出す力だと考えている。
    ・重要なことは、あてがわれるKPIや先行指標により同じ部門の社員でも動き方がまったく異なるというこしなのだ。
    ・リストラの憂き目にあってから転職エージエントに連絡をしたり、キャリアカウンセリングを受けたうしても遅いのだ。人企業において順調にキャリアを築いているその時にこそ、自分のキャリアを客観視することが必要なのである。
    ・日系企業の職場は明文化されたルールではなく暗黙知で動いていることも多く、それが事例のような混乱や職場内にある種のマンネリ”慣れる””飽きる”だれる”を生じさせるのだ。なお、このようなマンネリを解消するために転居を伴うような人事異動を行うのであるが、その弊害は多く指摘されているところであるし、欧米企業には理由を告げられないような人事異動など通常はあり得ない。
    ・「話の分かる良い人」とは、「あなたにやってもらう仕事は、社内にはもうない」と言えば、操めるこしなく速やかに退職を決断してくれそうな社員のことだ。このような社員は、まずリストラを宣告されたという屈辱に耐えられない。居直る図々しさや駆け引きをするしたたかさも持ち合わせていない。せめて引き際だけは潔くと考えてしまうタイプの社員だ。
    ・観察に勝る凄みはない。観察のない発言ほど軽率なこともない。部下は自分をよく観てくれているし思うからこそ心からその上司に従うのだし、信頼するのだ。エンジニアにとって観察は当たり前のことだが、人の場合は観察=聴くこと。
    ・フィードバックを受けた人物が、次の面談までに何をして、どうその席に臨むかだ。特に宿題を出すわけではないが、前回のフイードバックをどう活かすかを真撃に考えて、対策を講じようとしている人物のポイントは高い。その人物の役割意識や変化への対応力など、重要なコンピテンシーの高さが分かるからだ。
    ・アドラー心理学は現代の課長のコミュニケーション力の参考になる。
    ・これは筆者からの提案であるが、課という単位を離れても、メンバーから飲み会に呼んでもらえるような存在を目指してはどうだろうか。そのためにユーモアのセンスが必要なのだ。一緒にいて、少なくとも重荷にならない人をまずは目指してはいかがだろうか。
    ・傾聴している状態とは、まず相手(クライアント)しカウンセラーが相対して、椅子に座る。それから、カウンセラーの後ろにクライアントの顔が見える状態で、もう一人の人間が別の椅子に座る。そしてクライアントが話すすべての言葉を、つぶやき程度の声で復唱するのだ。傾聴とは、クライアントの語る言葉を細大漏らさずにつぶやき返すこしと同様なのだ。
    ・コーチングは「心が健康で仕事に対するモチべーションも一定レべル以上にあるメンバー」に対しては有効なので用いてもよいが、「心が不健康で仕事に対するモチべーションも一定レべル以下に落ちてしまったメンバー」に対しては用いてはいけない。この場合はティーチングが必要。

  • 課長という初級管理職をタイトルにしていますが、内容はリーダーシップ・コミュニケーション・キャリア形成に関するものでした。PM理論やSL理論やリーダーの行動特性などリーダーシップに関する理論が引用されていますし、コーチング・傾聴といったコミュニケーション手法、会議における発散収束モデル・ブレーンストーミングといったお馴染みの手法を紹介しながら、著者の主張が展開されています。
    従って、課長に限らず小集団でリーダーシップを発揮されている方や、今後リーダーとして組織を率いる方にとっても、参考になる図書かと思います。
    私は、上記理論に限らず、本の随所に細かく散りばめられていた相手とのコミュニケーションTIPSと、著者が主張してる「役割意識」というコンピテンシーが参考になりました。

  • 自分が課長なので、課長に関する本が売っているとついつい手にとってしまう。読んでみたのだが特に目新しいことが書いてはなかった。部下に対して威張り散らすだけの上司というのはなかなかお目にかかることはなくなり、私を含めて社内の課長さんたちは、それなりに部下の成長を考えているもので、本に書かれている理屈というのは頭にあるのだが、自信がプレイングマネージャーであるが故、なかなか部下の教育にまで時間をとることが出来ないというのが我が社の実情のようである。あと内容があれもこれもになっているので読みにくい文章だった。

  • 一気に拝読。

    「緑の血」の課長がかっこいい。私もかくありたい。

    p.9の、今日のマネジメントとは、「共通の利益が存在しないことを前提として、職場の問題を”技術的”に解決していこうとする心構え、そして能力」とは、なんとも鮮やかな指摘で、大きく書いて会議室に貼り出したい。

    私のいる「大学」というのは企業とはまた違った独特の組織だが、本書は「あるある」と膝を打ちながら読んだ。

    大学の、とりわけ工学部は「高度な専門知識」という、短寿命で、脆く、潰しの効かない(なのに本人は必ずしもそうとは思っていない)能力に深く依拠している人々ばかりの職場で、学科全体がガラパゴスというところも多いのですが、その外にあるガラパゴス業界とガラパゴス学会がそれなりのスケールである程度の生態系を保持しているのでなかなか滅びません。

    そうなるとオーストラリア大陸のようなもので、独自の生態系の維持が目的化してしまい、雑種交配厳禁の文化ができていく。

    その先には「いらない大学」の烙印が待っている。

    専門知識の習得に必要な長い時間と、それが価値を創出できるわずかな期間と、長いような短いような人生と、それらのリズムの乖離っぷりを思うと、知識=技能のセットを寿命の異なる複数のレイヤーで捉えながら習得しておくことの重要性は、学生たちに改めて強調しておかなくてはならないなと思われた。ただし、やり方はあくまで「緑の血」式で。

  • 共感できる点多し。現代の課長職が置かれている現実を的確に捉えていると思う。本書で挙げられている課長が備えるべきスキルのうち、自分に足りないと思えたのは「公正さを基準化する」力。まずは行動、やってみよう。

  • 2023.08.26
    この本はあとがきが2016年2月に書かれている。それから7年、この本の予想以上にサラリーマン社会は変化し続けている。
    この本から課長のノウハウを学ぶのではなく、この7年の変化を考えればこの後の5年、7年という単位での組織の変化は尋常ではない、何も参考にならない。自分で考えなければならないということを考えさせてくれるきっかけとなる点を評価している。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

経営コンサルタント、アジア・ひと・しくみ研究所代表取締役
1972年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、大手重機械メーカー人事部、アーサーアンダーセン(現KPMG)、医療・IT系ベンチャー企業役員を経て独立。大企業向けの人事コンサルティングから起業支援まで、コンサルティング・セミナーを全国で展開。

「2019年 『働かない技術   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新井健一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×