- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532263379
作品紹介・あらすじ
元AKB(篠田麻里子)が広告塔だったアパレル
創業500年の超老舗和菓子店
急成長が仇になった花形ベンチャー企業――
誰もが知る「あの企業」はなぜ倒産してしまったのか?
「真実は小説よりも奇なり」。破綻の裏側には想像もしないドラマがある!
経理部長の自死、反社会勢力の介入、跡継ぎの背任、複雑な不正取引、警察の手が及ばないグレーゾーン、現存するナニワ金融道の世界など、実際に見てきた企業信用調査マンが明らかにする!
※書店さんや取次さん、出版社など、出版関係の会社も登場します。
感想・レビュー・書評
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著者は帝国データバンクの情報部にいた(いる?)人。ベンチャーから創業数百年の老舗、それなりの知名度がある大企業も、潰れるときは潰れる。そういう事例が数十社。
こういう「失敗事例」を読む人は、「成功事例」を読む人と同じで、どうすれば成功し、どうすれば失敗するのか知りたいのだと思うが、いくつかの具体例から真似できる一般解を導くのは無理だと思う。ジョブスの本を読んで一念発起、大物になる人もいるだろうけど、そうはならなかった人が大部分のはずだ。
本書でも、放漫経営やら経営者が腕が後ろに回ったみたいなしょうもない例はともかく、事業拡大/多角化が失敗を招いた例については、逆に事業拡大/多角化が成功要因で大きくなった企業もあるだろう。呉服屋が商売が先細りになるのは時代の流れでしょうがないところもあるし、バブル崩壊の影響で潰れた企業も運が悪かったということになる。
世の中が変化するのは当然のことだし、バブル崩壊を乗り切った企業も当然ある。一つの事業に専念して成功した企業もあれば、多角化して成功した企業もある。似たような状況に直面して、成長した企業と潰れた企業は何が違ったのか。そういう比較をしてほしい。帝国データバンクであれば、そういう事例はたくさん知っているだろうになあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2017年度は3月27日の格安旅行会社「てるみくらぶ」の破たんや6月26日の自動車部品会社の「タカタ」が倒産など世間を騒がせた事件がいくつかありましたが、会社が倒産するまでに何があったかを知ることは
会社をつぶさないためにも知っておくと良い事だと考え手に取りました。
社会人として知っておいて損のない知識が身に付きます。※本にはタカタ、てるみくらぶの事例は述べられておりません。
リーマンショック後の2009年に12月に「中小企業金融円滑法」が施工され、銀行から借金猶予を受けた約40万社の企業が延命されました。2010年以降、企業倒産は連続で減少しており、企業が倒産しない「無倒産時代」突入しているそうです。
そんな中、倒産した企業がどのような背景で倒産したかを記した本です。
市場の構造変化に呑まれた倒産からトップの判断ミスや投資ミス、詐欺まで倒産の背景で起こっていたことを知ることができ非常に勉強になりました。
企業の成長を考えた行動が結果、倒産に向かってしまった事例もあり、成功と紙一重の結果だったように思えます。倒産した事例を知っておくことで最悪の事態の回避につなげていきたいと考える。
【最後に】※本の感想からは離れます。
倒産について詳しく調べた事がなかったので「無倒産時代」に突入している事に驚きました。
少々横暴な意見かもしれませんが、無倒産時代に対する自分の考えを述べさせていただきますと。
倒産が減っていることは良い事だと思うのですが、延命だけの融資は決して良い事ではない気がする。
そのお金を成長産業に投資して、新しい産業を育てていく方が、産業の活性化と日本経済の成長につながるのではないでしょうか。
「中小企業金融円滑法」について調べてみて、まとめていきたいと考えます。 -
倒産する会社には共通点がありそこから我々が学ぶべきところは多いと思う。外部環境の変化、コンプライアンス、経営判断、粉飾決算、架空取引、等は昔から繰り返してきたことだと思う。
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読もうと思った理由
経営で成功だけではなく失敗事例も知っておきたいと思ったから
栄光の期間があってもつぶれるときはあっという間なのだと
思い知らされました。つぶれるパターンというのもだいたい決まったものがあるように思いました。 -
『あの会社はこうして潰れた」
倒産廃業は結果である。
直接原因は資金繰り。
では、その資金繰り悪化はどのような背景で起きるのか?
右肩上がりのマクロもミクロも絶対的ではないこと。
だから、先行の失敗から学べること、
転用できることがある。
#読書好きな人と繋がりたい
2020年03冊目読了 -
幼稚園の頃からお世話になってた芳林堂書店が倒産したときはホント残念だった。
白元とかエドウィン潰れてたのね...。
質実剛健の経営をしていた中堅企業が何故倒産に至ったのか。
いくつものケーススタディから倒産までの原因を考察する。
社会構造の変化への未対応、本業から外れた財テク金融テクの失敗、資金繰りの行き詰まり、
原因は様々だけど、光る技術があれば持ち直すことはできそう。
失敗、失敗と言っているけど、本当に大切なのは倒産から何を学び、次にどう活かすかということだと思う。 -
良い会社の話は本がいっぱい出るが潰れた会社の話はなかなか読まない。失敗の本質じゃないけど、失敗にも型があるなと思わせてくれる本
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中を見ないで購入。読み始めたのですが、随分たくさんの事例が紹介されていて、いささか読み進めるのが辛くなった。
自分の会社も中小企業であり、歴史だけは長いものの、業績を見ると長期低落傾向に歯止めがかからず、とても他人事とは思えず、巻き込まれた何万人の人々の思いを考えると暗澹たる気持ちになった。
倒産から逃れるヒントや危険な兆候など、本書から学べる事もあるので、サラリーマンなら読んでおいて損はないだろう。
出来れば一つの事例をもう少し詳しく報告して欲しかった。 -
帝国データバンク情報部勤務の著者による会社倒産の事例集。日経電子版に掲載されたコラムからの編纂。
事例毎に数ページの内容で、背景や倒産に至ったポイントが纏められており理解し易い。その分、深堀はあまりされていないため、詳細やドラマを知りたい人は別の書を当たった方が良い。それでも、知名度のある会社、身近な会社の事例もあり、倒産は身近なものと思い知らされる。
倒産の理由は様々である。やはり本業の失敗ー時代の構造変化を見誤り沈んだ会社、過剰投資で資金が底をついた会社、不慣れな新事業が致命傷となった会社は多い。一方で、創業家の放漫経営、金融投資の失敗、コンプライアンス軽視による信用破綻、M&A後の不正取引による資金流出、といった本業以外の要因もあるようだ。このような人災に見舞われた関係者が悲哀でならない。
なお、本書には信用調査マンの目から見た危ない会社を見抜くノウハウも記載されている。投資家でなくとも倒産による被害からは逃れたい訳で、知識の一つとして役に立つと思う。