働かない技術 (日経プレミアシリーズ)

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532264079

作品紹介・あらすじ

「働かない」のには、スキルと覚悟が必要だ――

VUCAと働き方改革の時代、
古い労働観からなかなか切り替えられないミドル世代は、
残業できない時代を、これからどう生きればいいのか?

人事のプロフェッショナルが贈る、
「ガラパゴス人材」にならないための
働き方の変革のヒント。

感想・レビュー・書評

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  • 良き良き。
    新書に求めるものは、さらっと読んで1つ2つぐらいの新しいネタを仕入れること。
    今回は、働き方改革が推し進められ中のミドルマネージャー層へのメッセージが沢山あった。
    1番響いたのが、
    徳とは、人助けが、喜びであると心底思えるよう、自らを癖づけすること。

    この現代のビジネスに、徳を追求することの重要さを説かれた。

  • 働き方改革が叫ばれて久しいですが、残業が無くならない大きな課題のひとつが人事制度とのこと。
    欧米の職務給制度に対し、日本は職能給又は役割給制度。この違いや残業規制の法制の違い、仕事に対する意識の違いにもよる。


    本書のテーマは、残業できない時代にどう生きるか。

    まずは、徳を持つことだと著者は語る。
    「徳とは、『人助けが、喜びである』と心底思えるよう、自らをクセづける事」

    徳とは、学習であり、習慣。

    また具体的には、自分たちの業務が財務上のどこに貢献しているかをはっきりと認識して働くことだと著者は言う。
    そのために、バランススコアカードを活用し、
    「財務の視点」「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「学習と成長の視点」から現場でどう活かすかとの事。

    具体的なストーリーも交えながら、わかりやすく解説してくれています。

    生産性向上の一助となる参考書だと思います。

  • 管理職向け。10年後にまた読むかな。

  • 管理職、経営者向けと思いつつ読了。
    翻って自分の上司は…などと考えるつもりはないけど、少なくとも"役割給"で働く身として、心得なければいけない徳、はイメージできたような気がする。
    実践を試みてみます。

  • 日本人は足し算
    ドイツ人は引き算

    どんどん、次から次に仕事が増える、
    8時間中、実際に働いてる時間は3時間
    これ言えてるかも。
    無駄な会議、ボツになる資料、
    曖昧な指示によるやらなくていい写真仕事
    手戻り、などなど、いっぱいあるわなぁ、

    しっかり有給とって
    定時で上がろう!

  • タイトルから、いかに効率的に短い時間で働くかという話かと思ったのだけど、なんか違った。
    そういう印象があったせいだと思うけど、いまいちどういう内容か頭に入ってこなかった。
    それぞれの章の始めには、小説形式の小話があるのだけど、特に特別面白かったり学びがあった感じはしなかった。

    途中書いてあった、すべての社員が本名とは違うビジネスネームを自己申請し、その名前を呼び合っているという日本の会社が気になった。どこの会社なのだろう。

  • タイトルでバッと手に取ったものの中身は思ったよりも充実していてとても勉強になりました。
    中間管理職の自分(37歳)が今読むべき本だったように思います。

    日本人の一括採用、年功序列は悪しき文化と言われていたのは周知の事実ですが、それは日本人の歴史に裏付けがあった。
    戦後等しく貧しくなった人々がみんながご飯を食べていける働ける仕組みを作ったのが一括採用年功序列の裏側にあったとのこと。
    そして日本人は働くことを神事として捉える国民性も相まって、無駄な残業や意味のない仕事をこねくり回す人材が増えて生産性が下がっていると分析されています。

    欧米的な成果主義の働き方が賞賛されているけれども、労働人口が減っていく中、新卒一括採用で労働力を確保する流れは変えられない。
    そんな中誰もが成果主義になったら、人材を育てることができない。
    そんな状況で、筆者が提案するのは日本型、欧米型のハイブリッドの管理職を混在させること。
    一つは欧米型の職務給人材、もう一つは役割給人材。
    役割給人材とは、「部下の成長のために『贅沢な無駄時間」を作り出すことである」とされる。
    そして本書のテーマ、現代版の徳。
    これが何かははっきりとはわからないと筆者。
    役割給人材の根本には人の(成長の)ために、動ける気持ちが備わっていないと、プロフェッショナルにはなれないと感じたので、きっとそういうことなのかなと思う。

    私は自分の職務能力に専門性を感じられず、どのようなキャリアを築いていけばよいのやらと悩んでいたので、部下の成長に喜びを感じられるようになった今、職務給人材としてキャリアを積んでいこうという指針にもなりました。
    そのための自己研鑽についても記載がありましたが、心理学を学ぶなど、できることがたくさんあるとわかり目の前が明るくなった気持ちです。

    松下村塾の本も読んでみたいと思います。

  • タイトルと表紙のポップさと、内容・文体の硬さととの乖離がある。
    内容はかっちりとしたマネジメントと生産性向上について。

  • タイトルは『働かない技術』ですが、決して、仕事をサボるための技術ではなく、これからの働き方の指南書です。
    仕事における正しい心構え、正しい志向性を模索してきた著者の考えをまとめた本と言えると思います。

    日本の企業の多くで、知らず知らずのうちに採用されているメンバーシップ型の組織に対し、欧米型のジョブ型の組織。
    専門性を追究する職務給人材と、人材育成に重点を置いた役割給人材。
    こういった区別を丁寧に行いつつ、適切に適用・運用していくことが、よりよい働き方・組織につながるのだと思います。

    また、企業で働く場合、組織の一員として働くことからは逃れられないので、利他の精神は必須だと思うのですが、それが、著者のいうところの「徳」ではないかと思っています。

  • 働き方改革が進められる中、日本型企業と欧米型企業との根本的な違いを理解し、これまでの日本独自の人事体系を理解しないと格差社会を醸成してしまう。

    狩猟型人材・業務と農耕型人材・業務の理解が必要

    『論語と算盤』の「論語」に示される『徳』を、現代ではどのように育めば良いか?
    宗教家ガユーナ・セアロ師曰く
    管理職の役割「部下の成長のために『贅沢な無駄時間』を作り出すこと」
    徳「『人助けが、喜びである』と心底思えるよう、自らを癖づけること」

    引き続き、知性推し(職務給人材)でいくか、徳推し(役割給人材)で行くか?
    知性が捨てられない職務給人材は、職務給人材としての自分の市場価値を常に見極め、高めつつ、転職や独立も視野に入れながらキャリアを積む。
    役割給人材はその職責の中心にあるのは人材育成であるから、その方面のプロとして職務給人材に転換することは可能。

    役割給課長:自分の仕事をさっさと済ませ、部下を徹底的にサポートする
    職務給課長:自身の職務範囲内で、その専門性を活かして会社に貢献する

    レジリエンス:困難で用意を与える状況にもかかわらず、うまく適応する過程や能力、および適応の結果のことで、精神的回復力とも訳される。(出典:最新 心理学事典)

    p201
    臨床心理療法家 アルバート・エリス ABC理論
    A:Affairs(出来事)
    B:Belief(自分にとって好ましい解釈)、IB:Irrational Belief(自分にとって好ましくない、非合理的な解釈)
    C:Consequense(結果)
    D:Dispute(反論)
    E:Effect(効果)

    p223
    業務改善の視点と手順
    Eliminate:排除;既存業務の何かを取り除くことは出来ないか?
    Combine:結合と分離;類似の業務を一つにまとめるか、異なる業務を分けられないか?
    Rearrange:入れ替えと代替;業務の順序・やり方を変更することは出来ないか?
    Simplify:簡素化;業務を単純にすることはできないか?

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著者プロフィール

経営コンサルタント、アジア・ひと・しくみ研究所代表取締役
1972年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、大手重機械メーカー人事部、アーサーアンダーセン(現KPMG)、医療・IT系ベンチャー企業役員を経て独立。大企業向けの人事コンサルティングから起業支援まで、コンサルティング・セミナーを全国で展開。

「2019年 『働かない技術   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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