ドラッカー20世紀を生きて

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532312329

作品紹介・あらすじ

多くの著名人と身近に接した少年時代、ナチス政権下の記者稼業、人生を決定づけたGMとの運命的な出合い-。マネジメントの巨人が波乱に満ちた人生を振り返る。

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/38919

  • 日経新聞「私の履歴書」に掲載された内容に、訳者の解説を加えた。「私の履歴書」の内容と、訳者解説の割合は、ほぼ半々である。訳者牧野氏は直接ドラッカーにインタビューしており、新聞紙面の都合上掲載されなかったエピソードも紹介されている。

    「日本の友人たちへ一つ言っておきたい。日本の強さを忘れないで欲しい」、「私には引退という言葉はない」という言葉が印象的である。日本人の経営者はコンサルタント先ではなく友人であり、お金はもらったことがないと記憶している。

    オーストリア・ドイツ・イギリス時代の登場人物(1909〜1937):フロイト、シュンペーター、ハイエク、マサリク、カール・ポラニー、ミーゼス、ケインズ
    アメリカ時代の登場人物(1937〜)スローン(GM)、デミング(品質管理)、フォードJr、グローブ(ハンガリー移民・インテル創業者)、マービンバウアー(マッキンゼー)、ウェルチ(GE)
    日本人の登場人物:立石(オムロン)、盛田(ソニー)、小林宏治(NEC)、伊藤雅俊(イトーヨーカ堂)
    ドラッカーが体系化したもの・造語:マネジメント、知識労働者、経営コンサルタント、分権化、目標管理、民営化、社会主義

    目次
    1 基本は文筆家ー95歳でも現役
    2 生まれは帝都ウィーンー4歳の夏に第一次世界大戦
    3 世界で最も優しい父ーシュンペーターに救いの手
    4 フロイトと握手するー顔広い良心
    5 最高の教師との出会いー8歳で学ぶ喜び知る
    6 赤旗でもに誘われ銭湯にー「場違い」と感じる
    7 退屈なウィーンを脱出ー図書館で「大学教育」
    8 大恐慌で記者の道ー初日から編集長に怒鳴られる
    9 ヒトラーに直接取材ーファシズムの本質見る
    10 ナチス突撃隊ー心臓が止まる思い
    11 ドリスとの再会ー人生最高の瞬間
    12 大盛況だったケインズの講義ー経済学に興味なし
    13 ”大戦前夜”の新婚旅行ー新生活はニューヨーク
    14 ワシントン・ポスト紙と契約ーフリーランスとして第一歩
    15 処女作にチャーチルの評価ー独ソ結託を見通す
    16 雑誌王に学んだ60日ーIBM創業者とやり合う
    17 青天の霹靂ーGMからの誘い
    18 戦時下の工場現場の取材ー「GMの頭脳」と懇意に
    19 特異な経営者スローンー秘密兵器は補聴器
    20 『会社という概念』に集中砲火ースローンに救われる
    21 分権制ブームーフォードとGEが採用
    22 「知識労働者」を生涯のテーマにートヨタに協力
    23 「経営コンサルタント」を考案ーマッキンゼーに持ち込む
    24 またしても幸運の女神ーNY大の初代経営学部長に
    25 デミングと授業を担当ー教室はプール
    26 日本画見たさに初来日ー「経済大国になる」と確信
    27 NPOに傾注ーわが人生に「引退なし」

  • "日経新聞に連載されている「私の履歴書」をまとめたもの。
    ドラッカーさんが日本の友人として挙げている人が以下の3名。
    ソニーの盛田昭夫さん、立石電機(現オムロン)の立石一真さん、日本電気(NEC)の小林宏治さんとのこと。盛田さん、立石さんは当時はまだ会社も有名ではなかったという。
    やはり、秀でた人物は互いに魅かれあうのだろう。"

  • マネジメントの父としてあまりにも有名なピーター・ドラッカーの自伝。生まれ育った家庭のことやナチス政権下での出来事、その後マネジメントの大家として活躍する様子などが生き生きと描かれている。本書は、3つの楽しみ方ができる本であるといえる。すなわち、ドラッカーの自伝として、20世紀の歴史物語として、そして自己啓発の方法論として楽しめる本だ。

  • 「傍観者の時代」と重なるところが多い。彼の執筆方法から、書く•読む•話すをバランス良くこなすことで学習しているとわかる。自分も論文でも書いてみようか。そこまででなくてもブログなど表現方法は多様にある。人に教えることの面白さは、最近わかってきたところだ。

  • No.651

  • ドラッカーが亡くなる直前、すなわち2005年に日経新聞に連載された自伝。
    27回にわたって連載された記事に、取材と訳に当たった人が解説を加えて1冊の本にしている。
    「傍観者の時代」とほとんどかぶるが、短くて読みやすい。
    また、取材にあたった訳者の解説から、ドラッカー夫妻の人となりが窺えてほほえましい。

    本書で初めて知ることもあった。
    ドラッカーが、ヒトラーに直接取材した事があるというのを以前聞いたのだが、「傍観者の時代」には載っていなかった。いぶかしく思っていたが、本書の中でそのことについて触れられていた。
    また、デミング博士を品質管理に引き込んだのが、ドラッカーだと自身が語っているのには驚いた。

    最近読んだ、「ドラッカーとトヨタ式経営」(今村龍之助著)は、本書の元になっている日経の連載を読んで、ドラッカーが「GMでの従業員アンケートをトヨタに持ち込んだ」という件から、トヨタ式経営とドラッカーの「現代の経営」の共通点を丁寧に指摘した有益な本だが、その著者が言及していた記事にも出会うことが出来た。

    最終27話のサブタイトルが、「わが人生に引退なし」となっている。
    経済学者として名をなしたシュンペーターがハーバードの退職とほぼ同時に亡くなったのになぞらえて、自身に引退はないと言いきっている。確かにスケジュール帳もびっしり埋まっていたらしい。
    しかし、この数カ月後に天寿を全うするわけだが、ドラッカーらしいなと思った。

    本書の邦題が、「ドラッカー20世紀を生きて」となっているが、確かに彼の人生は20世紀そのものだった。
    その人生を振り返って、どう思うかとの解説者の質問には、自分を最も幸福な男といい、妻に巡りあい、4人の子供を授かったことに感謝している。
    しかし、オーストリア・ハンガリー帝国の崩壊に始まり、ドイツ、英国、米国とデラシネのごとくさまよった彼の人生が、楽しかったというレベルのものでなかったことは容易に想像できる。
    その苦難を超えて、マネジメントの分野で多くの成果を残し、しかもユーモアを忘れなかったという、彼の人間的な大きさを感じさせてくれた。

  • ドラッカーの幼少から、96歳までを綴った書です。ドラッカー本が好きな方には必読ではないかと。オーストリア・ハンガリー二重帝国の生まれなんですよね…。

  • 多くの著名人と身近に接した少年時代、ナチス政権下の記者稼業、人生を決定づけたGMとの運命的な出合い―。マネジメントの巨人が波乱に満ちた人生を振り返る。

  • Twitterにて原尻さんのTweetを通じて読みたくなりました。

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