人が育つ会社をつくる: キャリア創造のマネジメント

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532312824

感想・レビュー・書評

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  • いつもの高橋俊介さんの考え方が軸になっている。タイトルからは経営者、管理職、人事担当向けの内容のように思えるが、部下や若手社員目線からの考え方もはいっている。
    他の高橋さんの書籍とかぶる部分も多いが、文章、話の組み立て方などは勉強になるところも多い。
    最後のほうではキャリアアドバイザーの組織内での役割も解説されていたが、やはり、この方面に関心を持っている人向け、という意図もあったのかもしれない。

    参考ページ P160
    自らキャリアを切り開いていく能力
    10項目のキャリアコンピタンシー

    第1因子(主体的なジョブデザイン行動)
    1.自分の価値観やポリシーを持って仕事に取り組んでいる。
    2.社会の変化、ビジネス動向について、自分なりの見解を持っている。
    3.部署・チームを超えて、積極的に周囲の人を巻き込みながら仕事をしている。
    4.仕事の進め方や企画を立てる際、いままでの延長線上のやり方ではなく、常に自分なりの発想で取り組んでいる。
    5.自分の満足感を高めるように、仕事のやり方を工夫している。

    第2因子(ネットワーク行動)
    6.新しいネットワークづくりに常に取り組んでいる。
    7.自分のネットワークを構成する個々人が、どんなニーズを持っているかを把握し、それに応えようとしている。
    8.自分の問題意識や考えを、社内外のキーパーソンに共有してもらうようにしている。

    第3因子(スキル開発行動)
    9.今後どのようなスキルを開発していくか、具体的なアクションプランを持っている。
    10.スキル・能力開発のための自己投資をしている。

  • 組織が成長するために
    最も必要なことは
    人が成長することです。


    本日ご紹介する本は、

    人の成長を生み出すための
    いろいろな仕組みを提示した1冊です。

    ポイントは
    「環境」

    人が育つためにには、
    チャレンジが必要です。

    少しだけハードルの高いチャレンジングな
    仕事が日常的に与えられている環境が
    育ちやすい環境です。


    「成長」

    組織的にも、個人的にも成長しようとすると
    一番いいのは、教える側に回るのを目指すことです。

    ある仕事を習得した後に、
    その仕事が他の人にも出来るようにすることは
    組織的な成長になります。

    また、人に教えることができるためには
    個人的にも成長しないといけません。

    自分さえ仕事が出来ていればいいわけではありません。


    「お客様を勉強する」

    技術者というのは、比較的
    顧客視点や経営視点が育ちにくい職種です。

    技術は、お客様の問題を解決するためにあります。

    医者は、患者の事情や精神的な面も知っていないと
    医学だけでは、本当にいい対応はできません。

    技術者も、お客様の事情や精神的な面を知っていないと
    本当にいい対応はできないです。

    お客様のことも勉強しましょう。


    「リーダーシップ」

    リーダーというのは単なる役職ではありません。
    だれでもリーダーになるべきです。

    リーダーは、
    命令権限がない人を説得し、
    協力を得なければ実現できない課題を
    達成する人のことです。

    みんなが各々の得意分野のリーダーになれば
    いい組織ができあがります。

    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    日本のホワイトカラーは、先進主要国のなかで飛び抜けて、自己啓発に時間とお金を投資しない
    個人が主体的、自立的に仕事やキャリアに取り組むという姿勢が、成長実感と結びつく
    メンバー同士が教え合い、学習し合うという組織を、いかにして第一線で実現するかを考えるべき
    「本人の主体的な意識と行動」「仕事そのもの」「チーム」が人材育成のカギ
    教えることをうまく自分の成長の糧にしているプロフェッショナルは多い
    お客様のことをよく勉強するようになると、お客様志向で考えることが当たり前になる
    身を置く業界や職種の自分なりのトレンド感をもち、その方向に自分のキャリアを振ってみる
    お互いが教え合い、学習しあい、みんなで仮説検証のサイクルを回し続ける組織を作る
    リーダーシップ=命令権限がない人を説得し、協力を得なければ実現できない課題を達成する能力
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    第1章 なぜいま組織で人が成長しにくいのか
    第2章 何が若手社員を成長させるのか
    第3章 多様な成長パターンを用意する
    第4章 自らキャリアを切り開いていく力をつける
    第5章 新たな人材育成のための仕組みをつくる
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image02.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/0624cbc702a0385a.png
     

  • 図書館
    2010.8.8 P64まで

  • 人や企業を取り巻く近年の環境変化が、組織や人材育成にどのような影響を与えているかをうまく整理している一冊です。
    ただ、前職の企業においてこのような話を耳が痛くなるほど聞かされていたこともあり、あまり目新しい視点はありませんでした。
    (前職の企業がこの本の事例になっていました。)

    この手の話は、総論OK、各論反対という要素が強く、この本が話している大きな将来の方向性は、間違っていないと思いますが、
    それを実現させるための手段やアイデアに具体性がかけていたことが残念でした。
    今の人事制度に欠陥があるということをわかっちゃいるけどやめられないというのが、大半の企業の心情だと思います。

    この本を読んだことがきっかけで転職時に考えていた将来のキャリアについて、振り返ることができたのは良かった点です。

    環境変化と人材育成にどのような関係があるのか把握したい方にはお勧めです。

  • キャリア論の大家、高橋俊介氏の著作の中から一冊選ぶとすると、この本がいいのではないかと思います。
    高橋先生は多作な方で、例えば私の本棚で紹介している「キャリアを作る9つの習慣」のようなイージーリーディング向きの本も書かれていますが、これはどちらかというと「固め」の内容になります。
    人材育成について、個人視点ではなく組織視点(施策実施側の視点)で書かれていますので、人事部や人材コンサルタントなど実際に育成プログラムを考える立場の方が読むとよい本です。

  • 日本の会社においての矛盾した教育内容や、形式だけでビジネスプロセスが全く身に付かない間違った人材育成マネジメントなどに触れ、このような状況下にある組織はどのようにすればよいのかという解決策を示しています。
    成長の多様性(ダイバーシティ)の例として数名のキャリアアップ成功例から、それぞれの経緯を詳しく解説しており、大変参考になります。
    私の職場でも偏った教育が行われている一面があるので、同感できるものがあり、OJTなどの指導伝承型教育から、変化の激しい時代に「自分で切り開く能力」を高める教育の必要性から、キャリアアドバイザーの重要性にうなづけるところもありました。
    人材教育をよりよい方向へと考えるをシフトすることができる一冊です。

  • 授業と一緒に参照すると理解が深まること間違いない

  • 組織の中で人が育ちにくくなっている。OJTの崩壊によって停止状態に陥った日本の組織内での人材育成機能をどう蘇らせるか。社会人暦が浅い内にキャリアとか考え始めると、安易に「仕事術」に飛びつきがちだけれど、そういう力の基本となる人間力を鍛えるために個人は何ができるのか。その辺りに言及している点からも、新卒の人とか読んでみると如何でしょう?

  • 日本のキャリア研究の第1人者である著者が、「人材育成」を語った1冊。様々な事実や事例、実在のキャリアケースに基づいて、人材マネジメント論を語っております。とても読みやすくてためになるので、人材育成の入門書としては最適です。

  • 只今、読破中

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著者プロフィール

高橋 俊介(タカハシ シュンスケ)
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特任教授
1954年東京都生まれ。
2000年に慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授に就任。個人事務所による活動に加え、湘南藤沢キャンパスのキャリア・リソース・ラボを拠点とした個人主導のキャリア開発や組織の人材育成についての研究に従事。2011年より、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授。2022年4月より、現職である慶應義塾大学 SFC研究所上席所員。キャリア形成、人材マネジメント、リーダーシップ、働き方改革などに確かな知見を有し、本質を見抜く目に定評がある。
沖縄県那覇市にも事務所兼住居を持ち、1年のうち3割は沖縄で暮らしながら仕事をしている。
主な著書に『キャリアショック』『21世紀のキャリア論』(以上、東洋経済新報社)などがある。


「2022年 『キャリアをつくる独学力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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