異業種競争戦略: ビジネスモデルの破壊と創造

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532314828

作品紹介・あらすじ

新しいルールをつくれ!成熟市場で始まった顧客の奪い合い。それは、業界という枠組みを越えた戦い-"異業種格闘技"であり、ビジネスモデルの戦いである。この新しいタイプの競争構造を「事業連鎖」で読み解き、新たなビジネスのルールを確立するための手法を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • LAP 2。
    頭の整理をするのと、またのんびりと勉強を始めようかと、早稲田大学MBAの内田和成教授の本を読み直してみた。ビジネス脳を整理するときには、ウッチーの本を読み返すことが多い。読みやすいからだ。

    「異業種競争戦略」とは。
    1.異なる事業構造を持つ企業が
    2.異なるルールで
    3.同じ顧客や市場を 奪い合う競争である。

    なぜこういうことが起こるのか。
    1.日本経済の成熟化
    2.情報通信技術の発達

    異業種格闘技の分析視点。
    1.事業連鎖を考える
    2.ビジネスモデルを考える

    事業連鎖の変化をとらえる5つの視点
    1.置き換え
    2.省略
    3.束ねる
    4.選択肢の広がり
    5.追加

    ビジネスモデルの3要素
    1.顧客に提供する価値
    2.儲けの仕組み
    3.競争優位性の持続


    第4~6章が本書の肝かな。
    それにしてもウッチーの本は本当に勉強になる。何がいいって読みやすい。

    「本当の発見の旅とは、新しい土地を探すことではなく、新しい目で見ることだ」(マルセル・プルースト)

  • WBS(Waseda Business School)の講義で、
    異業種競争の話が取り上げられており、
    これについてより詳しく知りたいと思ったので読みました。
    非常に興味深く、「なるほど」感が満載。良書。図書館借用。

    ■概要
    市場経済が成熟に向かう中、従来、競争相手とは考えられなかった相手と戦う局面が増えている。たとえば、カメラメーカーvs家電メーカー、任天堂(Wiiフィット)vs街角のフィットネス、など。

    本書ではこの状況を「異業種格闘技」と名付け、読み解いている。
    いま何が起きているのか、なぜ異業種格闘技が頻発しているのか、
    から始まり、バリューチェーンの上位概念として「事業連鎖」というコンセプトを取り上げ、製品・事業をまたがる広範な事業間のかかわりを俯瞰する。
    また、事業連鎖の中でどう稼ぐか、反対に、
    既存のフィールドをいかにして守るかについても言及。

    ■キーワード
    事業連鎖
    シルク・ドゥ・ソレイユの競争相手は劇団四季
    Amazonのロングテール
    儲ける仕組みの4類型
     ①トールゲート(例:Windows)
     ②イネーブラー(例:プリンター、安売携帯端末)
     ③エンラージメント(例:Amazonのレコメンド機能)
     ④ブロックプレイ(例:Googleドキュメント)
    視野・視座・視点(顧客視点・素人視点・ゼロベース発想)

  • 異業種格闘技とは異なる業種の企業が異なるルールで顧客を奪い合うこと。例として富士フィルム・ソニー・カシオなどのデジカメ参入。生き残っていくにはリーダーシップが必要。今後異業種格闘技は必然。現状分析にはよい本だと思います。

  • モノではなくモノが与える価値や機能がなにか?
    を常に考えようと思う。自分の業界だけでなく。
    何よりも文体が分かりやすい。池上彰並に。

    ・異業種格闘戦が頻発している理由
     1)日本社会の成熟化
     2)情報通信技術の発達
    ・銀行vsセブン銀行vsイオン銀行
    ・CD vs 音楽配信
    ・フリーペーパーvs雑誌
    ・本屋vsアマゾン
    ・マイクロソフトvsグーグル
    ・成功したモデルは壊せない
     →壊せた例:リクルート(インターネット×人)や富士フィルム(デジカメ)
     →インターネット急速普及時GEジャック・ウェルチ
      「今手がけている事業を潰す戦略を考えよ(2週間後レポート)」
     →目的が勇気を生む
      ダイソー矢野社長「ここは主婦のためのゲームセンターだ」
    ・「事業連鎖」を読み解くと異業種格闘戦がどこで起こるか見えてくる
     1)フィルム →カメラ →取次店→現像所→取次店→アルバム
     2)フィルム →カメラ →ミニラボ       →アルバム
     3)メモリカード →デジカメ→ プリンタ→アルバム
    4)      携帯電話            →メール
    ・戦略を考える5つの切り口
     1)省略     :CD→音楽配信
     2)束ねる    :現像所→ミニラボ
     3)置き換え   :フィルムカメラ→デジカメ
     4)選択肢の広がり:テレビ、パソコンで写真を見る
     5)追加     :画像メール
    ★それぞれの要素が果たしている機能に着目して
     そこでのニーズの深堀りや不満の解消を図ることが出来れば
     新しいビジネスチャンスとなる
    ・設ける仕組みの4類型
     1)トールゲート:OSウィンドウズ
     2)イネーブラー:プリンタ、携帯電話
     3)エンラージメント:アマゾンで本以外を買う
     4)ブロックプレイ:google無料アプリケーション
    ・将来の予測
     1)他業界で起きたことが参考になる
     2)隣接業界を見逃さない
     3)違った角度から見る
       広い視野/高い視座/様々な視点(顧客視点/素人視点/ゼロベース発想)
    ★パラダイムシフター(チャンピョン)を見逃さない
     →「新人」「異動者」「異端児」
     →パラダイムシフターは既存企業内にもいるが力がない
     →「ゴッドファーザー」の存在が欠かせない
       *パラダイムシフターの暴走を止めたり、社内の軋轢から守る
    ・「本当の発見とは新しい土地を探すことではなく新しい目で見ることだ」
     (フランス文学者:マルセル・プルースト)

  • 図書館
    予約中

  • 未読。会社に保管。
    ビジネスモデルの話。たぶん読まない。

    [more]
    (目次)
    第1章 いま何が起きているのか
    第2章 なぜ異業種格闘技が頻発しているのか
    第3章 事業連鎖―異業種格闘技を読み解くカギ
    第4章 どんな戦い方があるか
    第5章 事業連鎖を描く―異業種競争戦略1
    第6章 ルールをつくれ―異業種競争戦略2
    第7章 革命を起こせ―求められるリーダーシップ

  • 戦いの場(Where)局地戦:①小さく産んで大きく育てる ②コバンザメ 全面戦争:①シェア合戦 ②デファクト戦争 ③リプレース 5つの戦略視点:①省略(中抜き)②束ねる ③置き換え ④選択肢の広がり ⑤追加 

  • とても読みやすい。さらっと、つまることなく読める。

    社会が成熟すればするほど、異業種間の競争は増える。
    著者は、異業種間競争を異業種格闘技と呼んでいる。

    以下、抜粋となるが、ドキッとさせられた。
    『(音楽業界における事業連鎖において)絶対になくてはならないのは「ミュージシャン」と「消費者」だけ。そのあいだにある要素は手段であり、レコードでもCDでも音楽配信でも何でもよいのです。』

    己が提供している製品やサービスのみならず、バリューチェーンの川上と川下、消費者が何を欲しているのか?をより強く意識せねばならないことに気づかせてくれる。

  • 自分の事業もしくはサービスがどういった競争戦略で戦うべきなのか、考えさせられる内容。また、新しい事業を作る上でもヒントをくれる内容。

    ・事業連鎖(バリューチェーン)を考える。さらに消費者視点でサービスの流れを考える。そこで5つの変化が起こりうる。
    1.置き換え 2.省略 3.束ねる
    4.選択肢の広がり 5.追加
    広い視点で業界全体で何が起きているのかわ確かめる。さらには、消費者目線で「消費者は何に対してお金を払っているのか」を常に確かめる。

    ・ビジネスモデルの考え方
    「顧客に提供する価値」
    「儲けの仕組み」
    「競争優位性の持続」
    この3つの視点で強さを出す。

    ・競争相手を分析する際は、
    「コスト構造の違い」
    「事業目的の違い」を確認する。例)GoogleとMicrosoft

    ・同じ価値を異なる手段で提供する場合、差別化ポイントは
    「技術の違い」
    「ビジネスモデルの違い」
    「リアルかサイバーか」
    「所有かレンタルか」

    ・異なる価値を提供する場合、
    「時間」「空間」「財布」の奪い合いが差別化ポイントを生む。

  • 何度読んでもよい本。戦略設計を俯瞰して行うことの重要さがよくわかる。
    事業連鎖プロセスを書き、実際の戦略に落とし込んでみようと思う。

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著者プロフィール

早稲田大学名誉教授。東京大学工学部卒業後、日本航空入社。在職中に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。同社のパートナー、シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000 年から2004年までBCG日本代表を務める。
この間ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心にマーケティング戦略、新規事業戦略、グローバル戦略の策定、実行支援を数多く経験。2006年度には「世界の有力コンサルタント、トップ25人」に選出。
2006年、早稲田大学教授に就任。早稲田大学ビジネススクールでは競争戦略やリーダーシップを教えるかたわら、エグゼクティブプログラムに力を入れる。早稲田会議創設。早稲田大学ビジネススクールと日本経済新聞のコラボレーション企画『MBAエッセンシャルズ』創設。
著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『イノベーションの競争戦略』(以上、東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』『ゲームチェンジャーの競争戦略』『リーダーの戦い方』(日本経済新聞出版)、『意思決定入門』(日経BP)など多数。

「2023年 『アウトプット思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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