なぜリーダーは「失敗」を認められないのか: 現実に向き合うための8の教訓

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532316792

作品紹介・あらすじ

頭も良く、学歴も立派で、輝かしい経歴を持ち、切れ者の部下を抱える企業トップが、なぜ目の前の「現実」を認められないのか?なぜ優秀な経営者でも、ゴマすり社員とイエスマンに囲まれると、「老害」となるまで社長の椅子にこだわってしまうのか?ハーバード・ビジネススクールの著名教授が、「否認」が原因で危機に陥った有名企業の事例を解き明かし、それを避けるためにリーダーが取るべき行動と「不都合な真実」を受け入れるための8つの教訓を説く。

感想・レビュー・書評

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  • 「失敗」は「死」か?そんな命題が頭に浮かんでくる本に感じた。一人でじっくり読むというよりは、章を選んで部内とか仲間内でケーススタディするのに最適な本だろう。社内で提案してみようかな...

  • リーダーに限らず、人間の本質的な能力である不都合な真実を見ない事について。

    ハーバードビジネススクールの教授で経営管理を専攻するリチャード・S・テドローさんの本で、訳者は土方奈美さん。土方さんの訳した「群れのルール」が面白かったので、購入したというかAmazonの猛烈なプッシュに負けたというか。

    20世紀後半のアメリカの大企業の経営者が現実を見なかった(=否認)したことにより、最悪の事態を招いたことを複数例に上げ、否認の恐ろしさと、それに捕まらない為の方法が本の内容。

    8個の教訓
    1、手遅れになるまで危機を待たない。
    否認に立ち向かうのは、まさに今日この日であるという認識を持つ。状況の好転を待たない。

    2、事実を曲解しても、待ち受ける現実は変わらない。
    否認が本能的に存在する事を認めて、現実を無視したり、否定したり、理屈をこねたり、ねじ曲げたりしない。それらは、現実の残酷さを和らげたりしない。

    3、権力は人を狂わせる。
    良い視界の変わり方もあれば、悪い視界の変わり方として、現実を見られなくなる事もある。

    4、リーダーは、悪い知らせを聞く耳を持つ。
    個人や組織が前提とする考え方への異論を聞く耳を持つ事とビジョナリーなリーダーは両立する。

    5、長期的な視野に立つ。
    近視眼的な考え方は、否認の温床となる。無意識の選択であるそれらに立ち向かわなければならない。

    6、バカにしたり、歪曲した言葉遣いに注意。
    相手をバカにするのは、否認の兆候である。自分が競合企業をバカにするようなこと言っているのに気づいたら、少し時間をとって、それが本当に意味する事を考えた方が良い。
    私はこの嘲笑によって、何を自分自身から隠そうとしているのか、と。
    また、事実と異なる言葉を使い始めることにも注意。ヘッジファンドは全くヘッジしない!

    7、臆する事なく真実を語る。
    無意識のうちに、他人を欺く事と自分を欺く事は表裏一体と意識する。

    8、失敗は常識にとらわれる事からはじまる。
    理論と現実の間に矛盾があれば、後者を無視するのではなく、前者を徹底的に追求しなければならない。
    大抵に人間は、たとえ間違っていても、過去の常識や成功体験にしがみつく。

    事例がやや古い為かもしれないが、何となく歴史小説からビジネスの法則を見いだす系の本にも思えるが、内容、特に最終章はかなり有用。

  • 現実から目をそらさずに立ち向かうことは大事なこと。
    なにかことが起きたとき、逃げ出したくなる気持ちはわかる。
    でも、逃げ出したとしても、その事実は消えないから時間だけが無意味に過ぎていき、結果として余計に事が大きくなってしまう。
    本書では大企業の経営者の事例が書かれているけど、普通の生活でも同じことがいえる。

  • 日本語の副題は「現実に向き合うための8の教訓」。企業のリーダーは往々にして、現実を直視せずに自分たちの都合の良いように解釈することで企業を破滅的な結果を招く。この否認(DENIAL)が影響で没落した企業や、否認を避けることで危機を脱して復活した企業の研究例を列挙し解説している。

    豊富な事例で導きだされた8つの教訓を挙げているが、どれも当たり前のように聞こえる。それぞれの企業の結末を知っていればこそ、過去の時点でのリーダーたちの態度や判断が誤りだったことは「後出しじゃんけん」で分かるが、半世紀も前の企業を題材にするだけではなく、現在進行形の企業を取り扱ってほしい気がする。NVIDAやAMDと対峙する現在のインテル、GAFA、携帯端末メーカーのような、今の企業のリーダーたちが過去の教訓をどう活かし、否認を避けることでこれからどう未来へつなげていこうとしているのか、解説を聞いてみたい。

  • 第1部 現実を見誤る
    悪い情報を遮断する―ヘンリー・フォードと“モデルT”
    どうしてあなたは「認められない」のか
    技術的キャズム―タイヤ業界が認められなかったこと
    「これが現実だなんて、信じられなかった」―A&Pの凋落
    巨大建築コンプレックス―シアーズの凋落
    今日の行いは、明日の成功につながるか―IBMの否認と復活
    コカ・コーラがついた“真っ赤な嘘”
    群衆の狂気―ドットコムバブルと否認
    第2部 真実を見極める
    戦略、組織構造、そして現実の直視―デュポン
    「僕らが一度会社を辞めたつもりになって…」―インテルにおける新たな視点
    データ重視のEQ経営―タイレノールの復活
    新たな視点

  • 8つの教訓が痛いほどわかる内容です

  • この本では現実を否認した結果、「破滅」につながった経営について事例を挙げて説明されている。その事例を踏まえた教訓を以下の8点、紹介している。


    否認に立ち向かうのは今、今日この日である。危機を待っていてはいけない。
    事実か、どれほど残酷なものであろうと、それを無視したり、否定したり、理屈をこねたり、ねじ曲げたりすることが、その残酷さを和らげたりしない。
    権力はひとを狂わせる。
    最高意思決定者が聞く耳を持つことが重要。
    長期的な視野に立つ。
    呼び名を変えて誤魔化そうとしない。
    真実を語る。
    過去の常識だけに頼らず、鋭い観察眼を持っておく。

  • 東2法経図・6F開架 335.13A/Te14n//K

  • 「見えるのに見ていなかったことにする」のが、否認の始まりで、否認の先に悲惨な結果があることを追体験できます。
    やるべきことをやらないでいる間に、「タワー」のような建物を立てたがる企業が少なくないことも、実感できると思います。

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