自分を立てなおす対話

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532317072

感想・レビュー・書評

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  • 友達が読んでいたのを見て、図書館で借りた。様々な人生の課題(家族問題、職場問題など)を抱える人に、寄り添いつつ、でも対話を重ねることにより、問題の解消(解決ではなく)を目指す。
     問題を解決するのではないので、問題解決の手法は一切取らない。ただ、出来れば同じ立場の人が、相手の心がどう感じたか聞き出しながら、自らの気づきにより問題自体を解消する。
     不満爆発→感情暴露→自分がどうしたいのが気づき(本心)→本気
     このように、相手に寄り添い共感するだけではなく、自分の立場から相手に気づきを促し、問題を解消する方法が記載してある。
     企業業務から離れて久しいが、友人に、家族に、このアプローチで支えていきたいと考えさせられる。

  • ビジネス
    自己啓発

  • 「対話」についての本はたくさんでているけど、これはアメリカ生まれの手法の紹介じゃなくて、著者がさまざまな実践のなかで生み出した手法が紹介されている。

    といっても、全くの独創ではなくて、コーアクティブ・コーチングの考えがベースにある。

    でも、トレーニングをした人しかファシリテートできないような手法ではなくて、基本的には誰でもやれるということを重視してあるところが、とても好感がもてる。

    この本の目玉は、そうした手法の紹介なのだけど、その背景には、現実の企業のなかで不条理になやむ人たちへの思いがあって、とても共感できるものだった。

    だって、この本、「神よ、変えることのできない事柄については冷静に受け入れる恵みを、変えるべき事柄については変える勇気を、そして、それら二つを見分ける知恵をわれらに与えたまえ。」というニーバーの祈りの引用から始まるんですからね。

    意味なくポジティブシンキングな本が多い中で、癒しと現実的な前向き感があって、自分の今の気分にフィットした。

  • 自分が問題と思っている時には視野が狭まっている、建前から自分の言葉に、自分の気持ちに焦点を当てて、語り治すことで、自分でも気が付いていなかった視点が得られ、問題に対する新しい考え方を得られる。これにより問題がほぐれる。
    これは、人に説明しているうちに、複雑と思っていたことが整理されていくことに似ている。
    また、やらされているという被害者意識から、私はどう思うという主体の言葉にするというのは、なるほどと思った。

    「知恵の車座」はやってみたいと思ったが、聞くほうも、相談する方もなかなか難しそうだなと感じた。

  • 組織で起こる理不尽な問題や不合理な問題、それらは原因が分かっても解決できるとは限らない。解決しようとするのではなく、その問題をほぐし、問題に適切な表現を与え、自分を立て直そう、という内容。その際にどのように行うと良いか、コンサルタントに解を提示してもらうのではなく、組織の構成員による「智恵の車座」という著者の考案してグループ対話手法も紹介されています。適切な問題を設定できた時点で答えは見つかっている、というテーゼにも通じるのかもしれないし、内容的には「諦める=明らめる」的なことかもしれない。自分にどうしようもないことで悩んでもしょうがないし、他人は変えられない的なおはなし。具体例の部分はいいんだけど、それ以外の著者の語り部分が抽象的すぎるところが読みにくいとは思うけど、参考になる部分も多い。でも実践は難しい気もする。

  • 自分を立て直すとは、仕事における自分自身の主導権を取り戻すこと。問題に振り回されるのではなく、自らが自らをリードできる状況を回復すること。
    問題を受容する。
    組織の中の自分から、自分の中の組織にしてしまう。
    まず自分を動かすことで、人が動く。そして結果的に仕事も動く。

  • ターゲットが明記されていないが、これは日本人の平均的な男性にこそ、読んで欲しい本。男性は物語ることに慣れていない。また、問題解決思考が染みついてしまっている人も多いから。

    ・自分がオーナーになれる問題と、なりきれない問題に仕分けることが鍵になる。
    ・0.建前で語り直す。1.本音を吐き出す。2.本心を見出す。3.本気を形にする。
    ・被害者のストーリーから、主人公のストーリーへ
    ・問題を成り立たせている背景や前提というものは、問題に関する情報よりも、「本人の気持ち」に隠れていることが多いからです。
    ・対話の3つの階層(HOW,WHAT,WHO)
    ・場の掟(守秘義務、正解は一つではない、素朴な疑問を大切に、無責任に発言する)
    ・いつもは相手の情報収集をするために聞く。車座では、相手の話の志向性を聴いている。
    ・問題をほぐすと言うよりは、問題はほぐれる。

  • 話し合える人がいるある程度大きな組織向けかなーと。

  • ソフトな語り口と状況が分かるストーリーで、すいすいと読むことができました。自分一人だと問題を、一方からの偏った見方をしやすいけれど、仲間が集まることによって別の切り口を見つけ、その問題を受け入れることが容易になる事に人間のすばらしさを感じます。

  • 前半の理論やルールの説明部分は実体験などの予備知識があると、シッカリと読みこなせると思います。
    後半部分は豊富に事例が提示されているため、理解・共感が進み易い。

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著者プロフィール

(株)アクション・デザイン代表取締役、IESE(イエセ)客員教授。
2000年以来、上場企業を中心とした人材開発・組織開発に従事する。経営陣に対するエグゼクティブ・コーチングを起点とした対話型組織開発を得意とする。「両利きの経営」の提唱者であるオライリー教授(スタンフォード大学経営大学院)の日本における共同研究者であり、オライリー教授が会長を務めるコンサルティング会社チェンジ・ロジック社の東京駐在を兼務する。大手企業を中心に、人材育成・組織開発・後継者育成に関するアドバイザーを多数務める。

「2023年 『コーポレート・エクスプローラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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