米軍式人を動かすマネジメント: 「先の見えない戦い」を勝ち抜くD-OODA経営

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532320850

作品紹介・あらすじ

PDCAよ、さらば。これからはOODAだ!無媒な「計画」と「予算」から現場を解き放て!

感想・レビュー・書評

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  • 1.引き続き、マネジメントに関する本を読み漁ろうと思い購入しました。マクドナルドでバイトをしていた時期があり、米軍のマネジメント教育を取り入れたことをふと思い出したので本書を手に取りました。

    2.PDCAが叫ばれて長らく立ちますが、これの考えに一石投じる考えた方が「OODA」です。PDCAでは変化の速い現代では対応しきれず、気が付いた時には沈んでいるため、観察、決定、実行、行動を軸にした考え方が必要だと述べています。PDCAでは、綿密な計画を意識しすぎたがゆえに起こってしまう悲劇だと言えます。日本人では特にこの傾向が強く、数多くの企業が失敗をしているにもかかわらず、放置していることを問題視しています。
    そこで、本書では部下に任せることを軸にし、上記の4要素をサイクルさせることをモデルとしています。現代の企業を見てみると、過剰な量の報告を要求したり、無茶な計画をしていることで不祥事を招いたりしています。そもそもPの時点で間違えており、結果として会社がつぶれる運命にあります。そこで、本書では、OODAを活用し、どうしたら企業が上手く成り立つのか、どう活用させるのかを事例を基に話しています。

    3.前回読んだ本と共通の部分がありました。1つは「ある程度部下に任せること」です。前回はリーダーは部下と一定の距離を置き、ある程度任せるとの述べていました。本書でも同じことが言え、部下に考えさせる機会を持たせることで組織の成長を促しています。しかし、決定的に違う部分は、「ルールを順守させる」ことへのこだわりです。本書は、部下が自ら考えさせることを重視して考えているのにたいし、リーダーの仮面では、「ルールを徹底させたうえで部下にある程度任せていく」ということを述べていました。どちらも変化の速い現代ビジネスに対応するためのモデルだとは思いますが、コミュニケーションに大きな違いを感じました。
    自分としては、ルールを整えることは重要だし、組織をまとめる上で大切ということには賛成です。しかし、トップが間違えた時、それは失敗するといえる部下を育てなくてはならないことも事実です。私は、ルールを作るものの、部下に任せる範囲を決めていくことがマネジメントにおいては重要だと思います。また、コミュニケーションは最低限でいいという前回の本にも疑問を抱いており、コミュニケーションは会社を成長させる重要な要素ですし、人間を成長させる一番の要素だと考えています。最低限でいいという前回の本では、物足りないと思いました。

  • ◆OODA
    ・Observe(観察)
    ・Orient(状況判断、方向づけ)
    ・Decide(意思決定)
    ・Act(行動)

    ◆PDCAとの違い
    ・臨機応変、相手中心、現場中心
     ⇔硬直的な計画による管理

    ◆ミッションコマンド
    ・作戦の大枠を示す

  • OODA

  • 未来を予測することが困難な現代では伝統的PDCAプロセスでは限界で、軍隊の機動戦で使われる「観察」から始まる臨機応変なOODAプロセスが有効なのではないかということを示唆した本。軍事系の話がメインかと思いきや、著者は公認会計士でしてビジネス寄りの本なのです。
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  • 現状、日本においてしっかりと根を下ろしているPDCAに、OODAの考えを反映させたのが、「D-OODA」である。
    最初にPlanではなく、Designをもってくる。ここでのDesignは、グランド・デザインに近い。このことはとても共感できる。

  • OODAループに関する本第二弾。より実戦に近い内容。どうすれば自分で考え動くチームができるか、ということについて言及。その中でも、正しいKRIの設定することの大切さを、著者が公認会計士であることから、経営について会計学の発展の歴史観点から紐解きながら解説している話は面白かった。

  • 米軍の戦略を引き合いに出しながら、現在のビジネスにふさわしい目標管理及び実行サイクルを提言する。戦場では少し先の未来さえ読むことは難しい。GAFAを中心に激しい速度で変化する経営環境では、新しい商品・サービスが売れるか、見通しが立たない。

    形骸化した「計画」と「予算」中心のマネジメントから、ビジョンを基底とした変化に強いマネジメントを実現する。計画を遵守することが目的か、それとも大義あるビジョンを実現することが目的か。

    キーフレーズ
    ・先が見えない環境だから、日本の会社は計画と管理を強めた。先が見えない環境だから、米国の軍隊は計画と管理を緩めた。
    ・計画中心・自分中心、トップダウンで戦う会社は疲れる。臨機応変・相手中心・現場中心で戦う会社は勢いを増す。
    ・ミッションを持たないチームは、「選択と集中」で無理に動かされる。ミッションが明らかなチームは、「選択と分散」で自主的に動く。
    ・データの寄せ集めであるインフォメーションから、判断・行動に直結するインテリジェンスを作り上げる。

    計画による管理は、一歩間違うと悲劇的な結果を招く。その成功と失敗を分けるのは、1.計画通りに進まなかったこと、2.自主的に動けなかったことにあるという。

    ー以下、メモー
    1. 計画・予算型のマネジメントからアジャイル型のマネジメントにするとして、どのようにチームを評価するのか。KPIを変えた結果、売り上げがどうなるかわかりません、では上は納得しない。

    2. そもそも計画・予算には暗黙の前提がある。安定的にプロジェクトが進む・安定的に売り上げが上がる、というように、ふつーにやっていたらうまくいくことが前提となっている。GAFAの参入やスタートアップの拡大など、外部環境の変化を想定したものではない。

    3. セグメント・データによるインテリジェンスのくだり。事業や売り場のセグメント計算はBIの導入で簡単にできるようになった。しかし、セグメント別の数字を見て、わかった気になってはいけない。裏側にわかっていないことがあるからだ。書店の「雑誌・新書・文庫・単行本」セグメントや、紳士服店の「スーツ・シャツ・ネクタイ」セグメントは危険性をはらんでいる。同時に買い物される補完的な商品であるため、売り上げが振るわないからと販売停止にすることがあってはならない。すなわち、セグメントの分け方には注意が必要ということだ。セグメントの数字を超えた、1つ上の問題を見つけるようにしなければならない。
    私なら、紳士服店のセグメント分けには、利用シーン「ビジネス・カジュアル・パーティ」や紳士服の雰囲気「ネイビー・ブラック・グレー・チェック」のように、利用者の視点を取り入れる。

  • ①リーダーは指針を示し、対話で大筋を決める
    ②観察を軸にしながら
    ③軍隊すごい

  • 面白いのは、ドゥーだという名前をつけたところと、戦意喪失がゴールというところ。。。で、面白くないのは、太平洋戦争の時と本質はかわらない。日本人の文化に浸透させるのが課題。

    本質は、計画通りに動くことが目的か、ビジョンに沿って動くのが目的か。失敗を感情的になりながらも認められるか。

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著者プロフィール

1963年、三重県生まれ。作家、公認会計士。田中靖浩公認会計士事務所所長。早稲田大学卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て現職。中小企業向け経営コンサルティング、経営・会計セミナー講師、執筆、連載を行う。著書に『会計の世界史』(日本経済新聞出版社)、共著に『お金にふりまわされず生きようぜ!レストランたてなおし大作戦』(岩崎書店)など多数。

「2022年 『会計と経営の七〇〇年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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