- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532322274
作品紹介・あらすじ
●最新の領域をカバー。実務を優先して記述。
本書はMBA講座にも古くから取り入れられている「経営戦略」「事業戦略」の新しい教科書。すでに類書も多く出版されているが、本書には以下の特徴がある。
1.最新の戦略の議論をカバー
多くの戦略の教科書がいまだに80年~90年代の米国の学説を中心としたものであるが、本書はその後の経営戦略の議論をカバーする。デル・モデルの登場に端を発し最近のプラットフォームの議論に至るビジネスモデル論や、最近のイノベーションの議論、さらには、戦略の実現過程を扱うストーリー論に至るまで、戦略の議論には多くの教科書がカバーしない領域が増えている。これらのテーマを単独で掘り下げた書物は数多くあるが、それらが戦略論全体の体系の中に位置づけられていなかった。本書ではこれらを網羅的に解説する。
2.実務領域を広くカバー
多くの戦略論の教科書は学説をベースとしたものであるが、本書は、実務を優先して記述する。大和ハウス、P&G、TBCなど、実例をあげて紹介。新興国などの市場に他社に先駆けて参入することは、インドの自動車市場へのスズキの例を挙げるまでもなく、多くの利益をもたらすものと実務では考えられているが、学説からはその重要性の指摘を聞いたことがないなど、実務と学説にはいささかのズレがある。それは、これまでの本では、戦略を導出する分析手法(フレームワーク)の解説が中心で、実際の戦略は何なのかは、よくわからずじまいだったからだ。理論上の分析は内部資源に偏ることが多いが、上記スズキの例のように、実際には、外部環境の分析から戦略は導かれることが多い。
本書は、多くの経営者や企画担当者に、実務上考えなければならない視点を提供する。
感想・レビュー・書評
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まさに教科書的、かつ古典というよりは切り取った感。
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本当に教科書。わかりやすいです。
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戦略論の復習に使える
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これまで読んだ中で最も網羅的に経営戦略フレームワークを整理し、かつ、実務適用時の注意事項もまとめられた本だと思います。実際に手を動かすときには是非再読して参考にしたいと思います。
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ビジネスセオリーがまとまりよく記載されています。
SWOTは解釈と私見が多分に混じっており、
起こった事象の解説には使えるなど、理論に対するぶっちゃけ論も多少混じっています(それが面白い)。 -
戦略フレームワークに関する書籍は数多くあれど、その内容が実践的でかつ示唆に富んだ内容となっていることは多くないのではないでしょうか。
こちらの本は、こういったフレームワークを体系的に勉強したことのない自分のような人にはかなりためになる内容。
・戦略とは何をやらないかを決めること。その分、リソースは重点領域に投入
・情報が不足する中で戦略判断を行わなければならないのは、古くから戦略の立案者に課せられた宿命
・戦略の立案に携わる人は、普段から独自の情報入手手段の開発を心がけるべき
・多くの人が伸びると予測している市場、あまりにも成長が明らかである市場に参入することは大きなリスクを伴う
・過大評価された市場には競合が多いだけに、いったん市場の伸び率が鈍化すると、厳しい価格競争が起こる
・大きな敵に真向から戦いを挑むことは避けるべき。規模的に劣勢な多くの事業者にとり、競争戦略は、実は競争回避の戦略
・製品の生産コストは、製品の累積生産量に反比例
・市場への参入者にとって、市場頂点と市場底辺からの参入が比較的容易
・PESTのフレームワークを利用したシナリオ分析の重要性
・ある産業を顧客とする場合、業界のリーダーを顧客とすると他の顧客を顧客としやすくなる
・競合との駆け引き。公開情報を鵜呑みにしない -
戦略を学ぶなら、この一冊。
それは、なぜか?
その1、これまで戦略にまつわる本は、数多あるが、その多くが外部環境分析をメインにした情報収集論で終わることが多いが、本書は、戦略の中身、つまり、勝ち方、儲け方の中身を教えてくれる。
その2、伝統的な戦略論を抑えるだけでなく、最新の事例も取り入れた体系的な内容になっている。
その3、簡単に作れるレシピ本的な本が多い中で、本書は、実務的な深い気づきや議論を誘発してくれるきっかけになると思う。何度読んでも飽きない。