稲盛と永守 京都発カリスマ経営の本質

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  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532324216

作品紹介・あらすじ

京セラ、日本電産、ローム、村田製作所、オムロン、堀場製作所――。なぜこれらの京都企業はユニークな発想で経営を推し進めているのか? 本書は、小企業を世界に冠たる大企業に育てたカリスマ経営者である稲盛和夫、永守重信を比較し、両者の強み、共通点、限界を明らかにするかつてない比較経営者論。
 第Ⅰ部では、リーダーとしての人間的魅力とその背景を取り上げる。第Ⅱ部では両者のビジネスモデルを解明し、共通点と強みを明らかにする。終章では両者の夢と限界について述べる。
 二人とも、グローバルに活躍していること、B2B企業として世界トップシェア事業を数多くもっていること、未来創造に向けて自社にとどまらず幅広く種まきをしてきたことなど、数々の共通点がある。二人とも、独自の経営哲学と経営手法を確立している点でも共通している。稲盛の場合は「フィロソフィ」と「アメーバ経営」。永守の場合は「3大精神」と「3大経営手法」。ただ、それらの中身をよく知れば知るほど、両者の経営モデルの本質がぴたりと重なり合うことに驚かされる。そこで本書では、両者の経営モデルを「盛守経営」と呼ぶことにする。盛守経営には、以下の3つの共通点がある。
①「志」から出発していること。②30年先、50年先といった長期目標を立てるとともに、短期的に結果を出すことにこだわり続けること。③人の心に火をつけること。
盛守経営は、コロナ後の新たな世界を拓く経営でもある。

感想・レビュー・書評

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  • P112
    「両利きの経営」;スタンフォード大学のチャールズ・オライリー教授
    既存事業の深堀りと新規事業の探索を別々にやったから、失敗した。
    既存事業の周りを掘り尽くす(ずらす)ことで、その企業ならでのイノベーションのアイデアが生まれ、新たな事業が育つ。既存事業から離れたところで、いくら薄っぺらな探索をしても、スケール感のある新規事業など生まれようがない。

  • 「怒られて社長室を出ていこうとして振り返ると、必ず社長がニコッとして『ありがとうね』と言っている。その姿を見ただけで嫌なことが全部消えてしまう」

    パワハラだとかなんだかんだと厳しい世の中でも部下がこう語るのには、そこに相手に対する愛や期待があるか、そしてそれが本人に伝わっているかどうか、また指摘する側も本気で熱意を持って向き合っているか次第ではないかと思う。理不尽に嫌いで言っているわけではないよ、と。何よりも、努力してくれていることに対する感謝の言葉も忘れてはいけないと思うのです。

    京都を代表するカリスマ経営者である稲盛和夫氏と永守重信氏の経営を紐解く1冊。人生、共通点「MORI: Mindful(志を大切にする). Objective-driven and Results-oriented(目標と結果にこだわる). Inspire!(人を動かす)」、経営モデル、名言・ポリシーなどなど、先日読んだ【Harvard Business Review PURPOSE】に通じるところも。
    「バーチャル(Cyber)がリアル(Physical)と融合するCPS(Cyber Physical System)と呼ばれる世界では、リアルに強い日本企業に活躍のチャンスが訪れる」と語る著者。故に日本企業の現状にも警鐘を鳴らす。日本でも有名な「両利きの経営」への痛烈な批判もその1つ。2人への想いが強すぎて、ちょっと圧倒されるけれど、多くの人が見失いかけている大事なことを教えてくれる1冊だと思います。

  • 【稲盛和夫と永守重信】
    言わずと知れた京都発の世界的企業の経営者の二人の本質に迫った著書です。

    二人に共通するのは、一意専心の心構え、そこにはニーチェの『汝の足下を掘れ、そこに泉あり』、専門分野をさらに深く掘り進めることによって新たな鉱脈を掘り出し、業容を拡大していく、このような基本を大切にしていることが理解できます。

    また二人は中村天風の思想的影響を受けていることも共通しており、経営者としてブレのない力となっていることは、私たちビジネスパーソンにも見習うべきものだと思いました。

    稲盛和夫さん90歳、永守重信さん77歳。
    これからの日本、まだまだ牽引してもらいたいです。

  • 日本を代表する偉大な経営者の主に類似点をあげて進むべき道を説く・・・との趣旨であると理解したもののやや期待外れだった。両名の経営手法の比較には中途半端であり、人生観・生き様を徹底的に比較・分析している訳でもない。多くは両名がこれまでに発信してきた著作やインタビューの引用であること、章立て・構成にも冗長感があり本書から著者のメッセージはよく分からず残念な印象をもった。

  • 後付けこじつけ自己陶酔

  • 少しもやっとした後味。
    経営者として一流の人材と凡人を比較してしまっているような錯覚に陥る。能力差はそんな人ないと信じたいところだが、実際は大変にあるだろう。

  • 小企業を世界に冠たる大企業に育てたカリスマ経営者、稲盛和夫氏と、永守重信氏。本書では両者を比較し、強みや共通点を明らかにする。

    第Ⅰ部 二人のリーダー
     第1章 リーダーの条件
     第2章 リーダーの軌跡
     第3章 リーダーの素顔
    第Ⅱ部 「盛守」経営の解明
     第4章 アメーバ経営の本質
     第5章 永守戦略の神髄
     第6章 「盛守」モデルの共通点
     第7章 大義と大志――Mindfulness
     第8章 経営の押さええどころ――Objective-driven, Results-oriented
     第9章 魂を揺さぶる――Inspire!
     終 章 「盛守」経営の未来

  • これまでの両氏の著書の総まとめ+アルファ
    本人の著書を読む方がよい

  • 東2法経図・6F開架:335.13A/N59i//K

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著者プロフィール

一橋大学ビジネス・スクール(国際企業戦略科)客員教授
東京大学法学部卒、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。三菱商事の機械(東京、ニューヨーク)に約10年間勤務。マッキンゼーのディレクターとして、約20年間、コンサルティングに従事。自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、ハイテク・通信分野における日本支社ヘッドを歴任。2010年一橋大学ビジネス・スクール(国際企業戦略科)教授、20年より現職。

「2021年 『稲盛と永守 京都発カリスマ経営の本質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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